「日本一の花の縦走路」大雪山〜トムラウシコースを徹底解説! 第2回「萩原編集長の山塾」実践机上セミナー6月18日(水)19時~

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大雪山〜トムラウシの縦走コース

山と溪谷社では、リアル講習会と同時配信による登山技術セミナー「萩原編集長の山塾」の第2回を6月18日(水)に開催します。このセミナーでは、人気の登山コースを徹底的に詳しく紹介するとともに、安全に歩くためのハウツーをお伝えします。

化雲平から見たトムラウシ山

化雲平から見たトムラウシ山

北海道の屋根、大雪山系。そこには大雪山(旭岳)とトムラウシというふたつの百名山がそびえ、二山を結ぶ縦走路には広大なスケールのお花畑が広がっています。群落の規模、花の種類の豊富さから、間違いなく「日本一の花の縦走路」と言い切ることができるでしょう。本講座では花と残雪に彩られた人気コースを詳細に解説。併せて北海道ならではの動植物や歴史について紹介しながら、長期縦走での注意点や役立ち情報をお届けします。見たら絶対に行きたくなること間違いなしのコースガイドです。

大雪山〜トムラウシの縦走コース

大雪山〜トムラウシの縦走コース

ナキウサギ

エゾノツガザクラ

開催概要

■「萩原編集長の山塾」実践机上セミナー [第2回]大雪山(旭岳)~トムラウシ縦走

日時:6月18日(水)19時~20時30分(受付18時30分〜)
会場:インプレスグループ セミナールーム(東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング23階)[Google Mapで見る
受講料:

  • 会場受講+アーカイブ視聴:3,500円(税込)
  • オンライン受講+アーカイブ視聴:2,000円(税込)

アーカイブ配信:講演終了後、2週間アーカイブ映像を視聴可能
申し込み方法:下記(ツイキャス)より申し込む
https://twitcasting.tv/c:yamakei1930/shopcart/369660

「萩原編集長の山塾」実践机上セミナー [第2回]大雪山(旭岳)~トムラウシ縦走

■受講者特典
第2回の会場受講者特典として、もれなく『山と溪谷』最新号(2025年7月号)をプレゼント!

『山と溪谷』2025年7月号

■講師紹介
萩原浩司(はぎわら・ひろし)
1960年栃木県生まれ。小学生のころより父親とともに日光・那須の山々に親しみ、高校・大学時代は山岳部に所属。卒業後は山と溪谷社に入社し、『山と溪谷』『ROCK&SNOW』編集長を歴任する。現在は山と溪谷社取締役として山岳関連の雑誌・書籍部門を担当。2013年よりNHKの登山番組「にっぽん百名山」シリーズに出演。同2013年には母校・青山学院大学山岳部のヒマラヤ遠征に隊長として参加し、アウトライアー(7090m)東峰の初登頂を果たす。著書に『萩原編集長の山塾 実践! 登山入門』、『萩原編集長の山塾2 登山力』、ヤマケイ新書『萩原編集長 危機一髪!』、共著に『教えて編集長! 釈由美子の山の常識110の疑問』(いずれも山と溪谷社刊)などがある。日本山岳会会員。全国山の日協議会山の日アンバサダー。

萩原浩司(はぎわら・ひろし)

問合せ先

山と溪谷社
info@yamakei.co.jp

この記事に登場する山

北海道 / 石狩山地

大雪山・旭岳 標高 2,291m

 大雪山の盟主として、また北海道の最高峰として、誰もが一度は登りたい、また登らねばならない山が旭岳である。「ヌタプカムウシュペ」というのはこの山塊全体の呼称で、個々のピークにアイヌは名をつけなかったようだ。旭岳という名称は、忠別川の源頭にあるところからきており、アイヌ語でチュプ・ベツ「日の川」を旭としたもの。旭川市や忠別岳の名も同じ由来である。  古くから登山道は開かれていたようで、明治36年(1903)、上川文武館生徒21名が集団登山した記録があるが、往復に3日を要している。この頃、旭岳は「於武建志計(オプタテシケ)山」と呼ばれていたという。明治の文学者・大町桂月の登山はずっと後で、大正10年(1921)、黒岳沢から無名峰(現在の桂月岳)に達し、北鎮岳を経て旭岳に登り、松山温泉(天人峡)に下っている。冬の登頂は翌大正11年(1922)1月、北海道大学の板倉勝宣、加納一郎らが最初である。  いま夏の登頂は全く容易になった。ふもとの旭岳温泉(旧名 勇駒別温泉)から、2本のロープウェイを乗り継いで一気に1600mの姿見駅へ。お花畑の中の道をたどって、旭岳の姿を映す「姿見ノ池」のほとりから、火山礫の登山道を、白く煙を上げる火口を見下ろしながら登ること2時間ほど。ついに頂上に立てるのだ。道内最高地点だけに展望は広大で、国立公園内の山々はもとより、天塩岳、暑寒別岳(しよかんべつだけ)、芦別岳(あしべつだけ)なども見え、さらに快晴の日には遠く利尻山までも望むことができる。  黒岳からの縦走はもっとすばらしい。黒岳石室を早朝に出発し、第2の高峰北鎮岳(ほくちんだけ)にも登って旭岳に至るコースは、約5時間の行程だ。旭岳の北東面には遅くまで雪渓が残り、夏スキーを楽しむ人々も多い。雪渓の下が指定のキャンプ地になっていて、最盛期には色とりどりのテントが花と咲く。頂上に登らず、途中の中岳から旭岳の山腹を巻き、山中に湧く無人の中岳温泉を経て姿見駅に出ることもできる。駅付近には姿見ノ池のほかにもいくつかの沼が点在し、それらを散策するのもよい。  頂上付近は草も木もないから、どこへでも行ける。なかには道を踏み外してどんどん下ってゆき、帰ってこられなくなった例もある。姿見駅の付近でさえ、ガスがかかると分かりにくくなる。ロープウェイは冬には多くのスキーヤーを運び上げるが、軽装で頂上を目指したまま行方不明となる人が時々出るのも、目標物に乏しい頂上付近の地形に惑わされるからであろう。充分、注意したい。

北海道 / 石狩山地

トムラウシ山 標高 2,141m

 大雪山国立公園のほぼ中央にどっしりと構えた雄大な山だ。沼ノ原、五色ガ原辺りから眺めた、うずくまるスフィンクスのような姿は、強く印象に残る。  その頂上に近づけば、日本庭園、トムラウシ庭園、黄金ヶ原などと呼ばれるお花畑と沼がみごとに配置されて、訪れる人の目を充分に楽しませてくれる。上部は巨岩が積み重なった複雑な地形で、赤ペンキの標識に導かれて立った頂上から眺める360度の山岳展望は、この山ならではのものだ。  トムラウシの意味はアイヌ語の「花の美しい所」とする説もあるが、他の山と同じくここに発する川の名に由来するとすれば、「水垢の多い所」と解釈されることになる。アイヌ語のデリケートな発音に適当にカナを当てはめたために生じた混乱である。  どちらから登るとしても人里から遠いが、ストレートに登れるのは南方のトムラウシ温泉からの道だ。新得町から車で1時間あまり入ったこの温泉から、頂上まで6時間以上。日帰りは可能だがかなりの長丁場だ。それに、この山を単独で登ってくるだけでは、宝の山に入りながら手ブラで帰るようなものだ。トムラウシには、やはり何日かの縦走のあとに到達するのが望ましい。  一番人気のあるのは、北の表大雪方面から登ってくるコース。健脚者なら途中1泊でも可能だが、花を眺めながら、のんびりと2泊はしたい。3泊目はトムラウシと化雲岳(1954m)のコル東方のヒサゴ沼避難小屋泊まりとすれば、約2時間30分で頂上だ。この小屋は夏山シーズン中は満員で入れないこともしばしばあり、テント持参の方が望ましい。  また、南の十勝岳方面からの道もある。オプタテシケ山からの長い下りがこのコースのポイントで、やはり最低でも3泊は必要だろう。遠く石狩岳から縦走して登ってくるのは最良のコースだが、最低でも3泊はしたい。ただし、石狩岳―沼ノ原東側鞍部間の通称「根曲り廊下」は、ササが伸びて廃道に近い状態になっている。  大正9年に登った大島亮吉の名文で知られるクワウンナイ川は途中1泊だが、沢登りの経験者でなければお勧めできないのが残念である。  下山は化雲岳から天人峡への道が一般的。登るとすれば、ヒサゴ沼まで8時間の長い道だが、それでもトムラウシ温泉に次ぐ短いコースでもあり、登山口の交通の便もよい。  この山の初の積雪期登頂は大正15(1926)年5月、北大山岳部により達成された。十勝岳から短い夏用スキーを駆っての縦走行であった。

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