上高地側から入下山する人は稀なので、ゴールデンウィークが近付いてからの方が良いでしょう
天気・気温
山と周辺の状況
現在、山荘周辺で約300cmの積雪量があります。里では桜が終わったところもあり暖かい日が多くなってきましたが、山の上ではまだまだ雪が降ることがあります。
この日の西穂高岳は素晴らしい好天に恵まれ、この時期としては多くの登山客の皆さんで賑わいました。西穂山荘周辺を囲む、霞沢岳・乗鞍岳・焼岳そして笠ヶ岳と、山荘前からも望めるダイナミックな山容が見事です。稜線から山荘へ戻られたお客様は、独標・山頂までの様子を楽しげに話しておられました。
今の時期は、晴れた日の夜には素晴らしい星空が広がります。
登山道の状況
先週から寒暖の差が激しく、ロープウェイ側登山道および西穂山頂までの稜線では、雪面状態が日々大きく変化しています。
西穂山荘~ロープウェイ間の登山道はトレースがあるものの、非常に柔らかな雪で膝下位まで踏み沈むところもありました。現在は冬期ルートとなっており、赤布や看板等の目印が付いています。
樹林帯の中は岩場はないものの雪面の硬いところが多く、今のところアイゼンを装着した方が安全です。今日現在、非常に硬い層の上に昨日までの降雪により、10~30cmの新雪が乗っています。
山荘より上の稜線は、岩の露出がやや多くなってきました。雪に覆われた斜面では、アイゼンの効きやすいやや硬い雪面の部分と、アイゼンの爪が効かないくらい硬く氷状となっている部分とがあります。独標より上へ登られる方は、より一層の注意が必要です。
上高地側から入下山する人は稀で、ルートも分かりにくいため、冬山の経験が少ない方者はゴールデンウィークが近付いて登山者の数が多くなってからの方が良いでしょう。
先週、上高地側から中尾根付近まで入ってみましたが、凍っているところがありアイゼンを装着して歩きました。上高地登山口から歩いて30分位まではかなり雪が融けています、地面の出ているところも多くなりました。それより上は雪と氷の状態でした。
焼岳方面はまだ積雪が多く行く人はありません。
■ゴールデンウィーク中の登山について
ゴールデンウィークの西穂高は例年それほど混雑しません。ここ数年のゴールデンウィークは、のんびりムードで山を楽しめます。
なお、ゴールデンウィークの積雪は年によって異なります。とくに丸山より上部の稜線は、残雪が少ない年は独標くらいまでならルート上の雪はほとんど融け、夏の道がすっかり出ている事もあります。残雪が多い年では独標までの斜面は雪に覆われて、冬に近い状態となります。今年はどうでしょうか?
山荘から下の樹林帯には例年2メートル以上の積雪があるため、ロープウェイから登る場合も、上高地から登る場合も、スパッツ・ストック・軽アイゼン等の雪に対する装備が必要となります。
ゴールデンウィーク前後は一気に融雪が進むため、雪の状況の変化が最も大きな時期となります。一日ごとに山の様子は変わっていきますので、山行の前に状況をよく確認したうえでお越し下さい。
登山装備
北アルプスではゴールデンウィークくらいまでは雪が降る可能性がありますので、まだまだ冬の装備が必要です。天候の良い日でも稜線に出ると飛騨側から冷たい風が吹いています。防風対策もお忘れなく。
また、日差しがだいぶ強くなってきました。雪からの照り返しから目を守ることも必要です。サングラスをお持ちください。
注意点
週末は混雑状況次第で喫茶・売店営業時間を変更する場合があります。詳しくは山荘現地にてお問い合わせ下さい。
登山者の皆様は直前の気象情報をよく御確認の上、安全に十分配慮して行動してください。天気予報を見る場合は、岐阜県飛騨地方や富山県、長野県北部の予報などを参考にするとよいでしょう。
また、車でお越しの方は雪対策をお忘れなく、お願いします。
お知らせ
西穂山荘は北アルプスの稜線で唯一通年営業している山小屋です。
作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております(現地TEL0263-95-2506)。なお、冬期間は水の確保が困難なため、飲料水はペットボトルで有料販売となります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所