寒暖の差が激しい季節、雪質の変化が激しく歩きにくい時間帯もあります。注意して歩いてください

天気・気温

山と周辺の状況

ここ数日は非常に寒暖の差が激しくなっています。気温の高い日は柔らかく湿った雪質となるため、アイゼンの裏に雪が付着して団子状になり歩きにくい時があります。この湿った雪は気温が低下すると今度は固い雪面を作り、特に風あたりの強い場所では氷状になることもあるため注意が必要です。

このところ岐阜県側の奥飛騨温泉郷付近で地震が何度か発生しています。震度は3以下で、それほど大きいものはありませんが、経過を注視しています。
今のところ西穂山荘付近では直接的な影響は出ていません。しかし、小規模ではあっても複数回の揺れがありましたので、日頃はあまり見られないような場所にクラックが入る等、注意を要する状況ではあります。独標より先へ行かれる方は、より慎重に行動していただくようお願い致します。

北アルプスで一連の地震の影響があるのかどうかは計り兼ねます。西穂に限らず、これからゴールデンウィークにかけて登山やスキーをされる方は、雪崩や落石の起きる可能性のある場所に立ち入る際は、これまでにも増して注意深く行動し、安全な登山を心がけましょう。


丸山周辺のエビの尻尾は一旦落ちた後、再び成長してきました。先週は気温が高く氷のエビの尻尾（岩氷と呼ぶ場合もあるようです）でした。

山荘周辺ではウサギやキツネ、テンなどの動物の足跡がよく見られます。冬の真っ白な雷鳥も時折姿を見せてくれます。運が良ければ厳しい自然に生きる動物たちに会えるかもしれません。

山荘前のテラスから見えていた朝日も少しずつ樹林帯の中から出てくるようになりました。もう暫くすると明神岳の後ろから昇るようになります。

登山道の状況

最近は雪面のコンディションは良く、独標へ向かうパーティーもアイゼンを効かせて快適に登れているようです。ただ、トレースを外れると一部にアイスバーンとなっている箇所もありますので、トレースを外れて写真の撮影などを行われる場合は十分に注意をしてください。

ロープウェイ側の登山道は、できるだけトレース（踏み跡）を付けるようにしていますが、多量の降雪があると一晩で消えてしまうこともあります。降雪後の歩行にはワカンまたはスノーシューが必要です。
また、人がたくさん歩いた後は、登山道上は踏み固められるので、その場合はアイゼンを装着することになります。雪の状態によって使い分けが必要ですので、両方ご用意ください。

山荘から稜線に向かうと、風当たりの強い所まで登ると雪も固く締まっていてアイゼンがしっかり効くようになります。山荘付近はちょうど森林限界に相当し、これより上は遮るものがないために雪が風で吹き飛ばされてしまい、樹林帯に比べると積雪量は少なく雪面が固くなります。そのためアイゼン・ピッケルは必携で、防寒・防風対策も重要となってきます。

丸山から独標へ向かうルートの多く場所では雪のコンディションが良く、気温の上昇がなければアイゼンをしっかり効かせながら快適に歩けます。

独標、山頂方面へ向かう際、信州側へ雪庇が発達し落差も大きくなっていますので、上から踏み込むと危険です。丸山付近も雪面が上高地側に大きくせり出していますが、山荘から丸山道標付近までルート上に竹で目印を付けてあります。今の時期は雪面が広くトレースも複数付いていることがあります。特にガスが発生している時は雪庇の境目が見えにくくなりますのでルートの確認をしっかりと行ってください。

登山装備

３月は気象状況の差が大きいため、変化に対応した装備が求められます。強い寒気が入った時はまだ凍傷の危険も伴います。晴れた日は気温が１０度近くまで上昇することもあるため、衣類の選択が全く異なります。また、雪面からの照り返しから目を守ることも必要になります。

降雪後の歩行にはワカン、スノーシュー、アイゼンを雪の状態によって使い分けが必要ですので、両方ご用意ください。
山荘から上の稜線ではアイゼン・ピッケルは必携です。

注意点

マイカーでお越しのお客様は、新穂高温泉付近の道路状況をよく御確認ください。雪のシーズンになるとスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンが必要となってきます。

冬になると、上空に寒気があり地上で西高東低の気圧配置になった場合、太平洋側ではよく晴れていても北アルプスは雪となります。

お知らせ

宿泊予約の受付は松本事務所で行っておりますので、予約は電話番号0263-36-7052までお願い致します。現地の電話は、直前の予約・キャンセルのみお受けしております（個室及び団体予約は、現地電話で受け付けておりません）。
４月～６月分の個室の予約の受付を開始しています。

2011/3/31まで、高速道路無料化社会実験の一環で安房トンネルの通行料金が無料化されています。

ビッグコミックオリジナルに連載中の漫画 『岳-ガク-』 が映画化され、いよいよ５月７日よりロードショーが始まります。西穂高ロケで撮影された映像もたくさん出てきますので、西穂をよく知る皆様は随所に見慣れた景色が現れ、違った角度からもを映画の中で楽しむことができます。ぜひ、ご覧になってください。

昨年の今頃の様子は？

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

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