西穂高岳 | 西穂山荘

周辺は気温も次第に上昇し、山はすっかり春めいてきました。稜線は信州側へ雪庇が発達し注意

まだ積雪の多い西穂周辺 (2011.04.25 西穂山荘 )
まだ積雪の多い西穂周辺 (2011.04.25 西穂山荘 )
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天気・気温

04/04(月) 快晴、最低気温-10.9℃、最高+4.3℃ 日の出5:44頃。日の入18:12頃。
松本市の天気予報
明日
27℃
3℃
明後日
28℃
9℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 4:00発表
高山市の天気予報
明日
26℃
2℃
明後日
晴のち曇
26℃
6℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 4:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

本日は高気圧にスッポリと覆われ素晴らしいお天気となりました。日中の風も心地よい程度でした。周辺は気温も次第に上昇し、山はすっかり春めいてきました。まだ残雪もたっぷりとあり、春山を楽しむには一番良い気候かもしれません。

ただし、ここ数日は非常に寒暖の差が激しくなっています。気温の高い日は、アイゼンの裏に雪が付着して団子状になり歩きにくい時があります。一方、気温が低下すると今度は固い雪面を作り、特に風あたりの強い場所では氷状になることもあるため注意が必要です。
4月は気象状況の差が大きいため、変化に対応した装備が求められます。寒気が入った時はまだ凍傷の危険も伴います。晴れた日は気温が10度近くまで上昇することもあるため、衣類の選択が全く異なります。また、雪面からの照り返しから目を守ることも必要になります。

ところで、3月の中旬から下旬にかけ岐阜県側の奥飛騨温泉郷付近で地震が何度か発生しました。震度は3以下でそれほど大きいものはありませんが、経過を注視しています。今のところ西穂山荘付近では直接的な影響は出ていませんが、小規模ではあっても複数回の揺れがありました。日頃はあまり見られないような場所にクラックが入る等、注意を要する状況ではあります。独標より先へ行かれる方は、より慎重に行動していただくようお願い致します。

なお、北アルプスで一連の地震の影響があるのかどうかは計り兼ねます。西穂に限らず、これからゴールデンウィークにかけて登山やスキーをされる方は、雪崩や落石の起きる可能性のある場所に立ち入る際は、これまでにも増して注意深く行動し、安全な登山を心がけましょう。

山荘周辺ではウサギやキツネ、テンなどの動物の足跡がよく見られます。冬の真っ白な雷鳥も時折姿を見せてくれます。運が良ければ厳しい自然に生きる動物たちに会えるかもしれません。

山荘前のテラスから見えていた朝日も少しずつ樹林帯の中から出てくるようになりました。もう暫くすると明神岳の後ろから昇るようになります。

登山道の状況

ロープウェイ~山荘間はトレースを付けるようにしていますが、多量の降雪があると一晩で消えてしまうこともあります。降雪後の歩行にはワカンまたはスノーシューが必要です。今日現在は、明瞭なトレースがあります。
また、人がたくさん歩いた後は、登山道上は踏み固められ雪面は硬くなり、アイゼンが必要です。雪の状態によって使い分けが必要ですので両方ご用意ください。

山荘から稜線に向かうと、風当たりの強い所まで登るとアイゼンがしっかり効くようになります。山荘付近はちょうど森林限界で、山荘より上は雪が風で吹き飛ばされて積雪量は少なく雪面が固くなります。アイゼン・ピッケルは必携で、防寒・防風対策も重要です。丸山付近はなだらかな地形ですが、トレースを外れると、非常に硬い氷の面が多くなっています。アイゼン無しで歩行した場合、丸山でも滑落の危険性があります。

丸山から独標へ向かうルートの多く場所では雪のコンディションが良く、気温の上昇がなければアイゼンをしっかり効かせながら快適に歩けます。

独標、山頂方面へ向かう際は、信州側へ雪庇が発達し落差も大きくなっていて上から踏み込むと危険です。丸山付近も雪面が上高地側に大きくせり出していますが、山荘から丸山道標付近までルート上に竹で目印を付けてあります。今の時期は雪面が広くトレースも複数付いていることがあり、先週は雪庇の先端に近い部分にトレースが付いていました。特にガスが発生している時は雪庇の境目が見えにくくなりますのでルートの確認をしっかりと行ってください。

ピラミッドピークの手前(山荘側)は毎年出来る雪壁となっています。朝方の低温時にはコンディションは良く登りやすいですが、気温が上昇したお昼頃の下りは雪面が緩くなっている事がありますので注意が必要です。

登山装備

4月は気象状況の差が大きいため、変化に対応した装備が求められます。強い寒気が入った時はまだ凍傷の危険も伴います。晴れた日は気温が10度近くまで上昇することもあるため、衣類の選択が全く異なります。また、雪面からの照り返しから目を守ることも必要になります。

降雪後の歩行にはワカン、スノーシュー、アイゼンを雪の状態によって使い分けが必要ですので、両方ご用意ください。
山荘から上の稜線ではアイゼン・ピッケルは必携です。

注意点

マイカーでお越しのお客様は、新穂高温泉付近の道路状況をよく御確認ください。雪のシーズンになるとスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンが必要となってきます。

冬になると、上空に寒気があり地上で西高東低の気圧配置になった場合、太平洋側ではよく晴れていても北アルプスは雪となります。

お知らせ

宿泊予約の受付は松本事務所で行っておりますので、予約は電話番号0263-36-7052までお願い致します。現地の電話は、直前の予約・キャンセルのみお受けしております(個室及び団体予約は、現地電話で受け付けておりません)。
4月~6月分の個室の予約の受付を開始しています。

昨年の今頃の様子は?

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

西穂山荘

電話番号:
連絡先住所:
長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所

地図で見る
http://www.nishiho.com/

施設の詳細を見る

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 穂高連峰の南端にあり、さらに南へ続く稜線は焼岳に至る。東側は上高地の谷を隔てて霞沢岳と向かい合い、西側は蒲田川の新穂高温泉を挟んで笠ヶ岳がすばらしい。  標高は3000mを切っているが、岩稜、お花畑、ハイマツと、高山帯の要素がそろっているので、北アルプスの入門コースとして人気がある。  この山から奥穂高岳への岩稜は北アルプスでも最も難しいコースで、初縦走は大正元年(1912)、鵜殿正雄が行っている。同じ年、辻村伊助は『スウイス日記』の中で「神河内ならぬ上高地は不快な所である」とその俗化を嘆いている。とはいえ昭和45年(1970)に新穂高温泉から千石尾根にロープウェイが架かり、登山が容易になった現在の山の賑わいと比べようもあるまい。  昭和42年(1967)には西穂高岳・独標で松本深志高校の生徒11人が落雷遭難を起こしている。低くても登りやすくても、アルプスは危険と紙一重の山なのである。  千石尾根が主稜線に突き上げた森林限界に西穂山荘が建っている。  登山道は上高地から所要6時間30分。新穂高温泉からは、ロープウェイ終点から歩いて西穂山荘、独標経由所要3時間30分。

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