独標への最後の岩場はルートが凍っているため、例年のこの時期に比べると難易度が高くなっています
天気・気温
山と周辺の状況
昨日は前線が通過して、日中雨が降り夜は強い風が吹きました。今日は晴れましたが、黄砂によるものか視界はあまり良くはなく、霞沢岳や焼岳あたりの近い山でも霞んで見えます。
山荘付近は比較的穏やかでしたが、稜線へ出ると風は強めで、じっとしているとやや寒く感じるくらいです。このところ暖気が流入して雪が融けた後に強い寒気が入り、所々に氷の斜面ができています。周期的にやってくる強い寒気の影響で雪融けは大幅に遅れ、積雪量は例年より多い状態に変わっています。
日中は気温の上昇により柔らかくなりますが、山荘から上部へ登られる予定のない方もアイゼンを携行した方が良いでしょう。丸山から独標方面へ登られる方はアイゼン・ピッケル共に必携です。
山荘周辺ではウサギやキツネ、テンなどの動物の足跡がよく見られます。運が良ければ厳しい自然に生きる動物たちに会えるかもしれません。
山荘前のテラスから見えていた朝日は明神岳に隠れるようになりましたが、周辺の山々が朝日に焼ける景色が楽しめます。
登山道の状況
ロープウェイ~山荘間の登山道には赤布を付けた竹の棒を多く設置していて、ルートは明瞭になっています。連休中は人が大勢歩くため、雪の道が踏み固められます。特に下りの際は注意を要しますので、アイゼン又は軽アイゼンの着用をお勧めします。
上高地側は登山口付近から山荘まで積雪があります。明瞭なトレースはまだありません。道標やルート看板も多くないので、まだこの時期は経験豊富な方と行動した方が良いでしょう。
山荘から独標付近まではルート上に竹で目印を付けてあります。丸山から独標へ向かう斜面では一部で夏道が出てきており、岩の多い部分を歩く場所もあります。アイゼンを履いている場合にバランスを崩しやすいので注意してください。
独標手前のピーク付近は長野県側に雪庇が張り出しています。また、クラックが入っている箇所の上に雪が積もり不明瞭になっていますので、稜線の長野県側を歩くと非常に危険です。なるべく岐阜県側に寄ったコース取りをして、注意しながら通行してください。
独標への最後の岩場はルートが凍っているため、例年のこの時期に比べると難易度が高くなっています。経験や装備が十分でない方は無理をしないようにお願い致します。
山頂方面へ向かう稜線上では、信州側へ雪庇が発達し落差も大きくなっていますので、上から踏み込むと危険です。今の時期は雪面が広くトレースも複数付いていることがあります。雪庇の先端付近にトレースが付いている事もあり、特にガスが発生している時は雪庇の境目が見えにくくなりますのでルートの確認をしっかりと行ってください。
ピラミッドピークの手前(山荘側)は毎年出来る雪壁となっています。朝方の低温時にはコンディションは良く登りやすいですが、気温が上昇したお昼頃の下りは雪面が緩くなっている事がありますので注意が必要です。
登山装備
4月は気象状況の差が大きいため、変化に対応した装備が求められます。強い寒気が入った時はまだ凍傷の危険も伴います。晴れた日は気温が10度近くまで上昇することもあるため、衣類の選択が全く異なります。また、雪面からの照り返しから目を守ることも必要になります。
降雪後の歩行にはワカン、スノーシュー、アイゼンを雪の状態によって使い分けが必要ですので、両方ご用意ください。
山荘から上の稜線ではアイゼン・ピッケルは必携です。
注意点
マイカーでお越しのお客様は、新穂高温泉付近の道路状況をよく御確認ください。降雪直後はスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンが必要となる場合があります。
北アルプスで一連の地震の影響があるのかどうかは計り兼ねます。西穂に限らず、これからゴールデンウィークにかけて登山やスキーをされる方は、雪崩や落石の起きる可能性のある場所に立ち入る際は、これまでにも増して注意深く行動し、安全な登山を心がけましょう。
お知らせ
宿泊予約の受付は松本事務所で行っておりますので、予約は電話番号0263-36-7052までお願い致します。現地の電話は、直前の予約・キャンセルのみお受けしております(個室及び団体予約は、現地電話で受け付けておりません)。
4月~6月分の個室の予約の受付を開始しています。
昨年の今頃の様子は?
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所