今週は融雪があまり進まず、まだまだ冬山の状況です。雷鳥が活発に活動しています。
天気・気温
山と周辺の状況
昨晩から朝にあけてあられ状の雪が降り、今朝はあたり一面真っ白です。
ゴールデンウィークが終わってから天候は安定せず、強い風が吹いたり、気温が下がったりしています。春が近づく5月も半ばというよりも、まだまだ冬山のゴールデンウィークと同じ状況です。
思ったより気温は上がらず、天候は不安定です。そのため融雪もすすまず例年より多くの残雪があります。ここ一週間で小屋廻りの雪が減った感じはしません。
稜線部、登山口から稜線への中間部でも、雪庇のように残っているところがあります。
小屋付近で雷鳥をよく見かけます。羽の色はまだ真っ白ですが、今年はカップリングが早いのか、いつもより早く「つがい」で見かけます。
天気が悪いとあまり活動しないので姿は見えませんが、鳴き声はよく聞こえます。
登山道の状況
登山道の状況は、融雪が進まないためゴールデンウィークとほとんど変わらない状況です。しばらくは、アイゼン、ピッケル必須の冬山経験者のコンディションです。
残雪はザラメ状となり、潜りやすく歩きにくいです。またその下には厚い氷の層があり、非常に滑りやすくなっています。とくに下りでは注意が必要です。
日中、太陽が出ると雪質がザクザクになり、足が潜ります。朝晩は凍結してガチガチになります。日中でも日陰は固く凍結しています。稜線では岩の出た所と雪の箇所を渡る時には十分に注意が必要です。
八方尾根ルートは、下の黒菱あたりでも雪がかなり残っています。強い風が吹くこともあります。
風が出ると第三ケルンあたりでも注意が必要です。ルートは必ず尾根伝いに通ってきてください。夏道ではありません。特に南側にルートを取らないように注意が必要です。山荘まではすべて雪道を通るものと考えてください。
現在、八方尾根ルートにはベンガラなどのマークはありません。融雪と強風のため目印が流されたり、飛ばされたりしてしまうためつけられない状況です。5/19(土)頃には間違いやすい丸山ケルンのあたりにベンガラな目印などをつけることができると思います。丸山を通過したあたりからは、急激に風が強くなりますので、しっかりと風対策を行ってください。
なお、八方尾根のゴンドラは5/18(金)まで運行を休止しています。
五竜方面へは、牛首の南斜面では雪が融けてきています。岩の出た所と雪になる所のつなぎ目が特に危険です。踏み抜きには十分注意して下さい。
稜線の雪庇は信州側に発達し、不安定な状態です。尾根沿いを歩く場合は、あまり信州側に行かないようにしてください。
大黒岳の唐松側から五竜側に雪田を横切る箇所はルートファインティングを慎重に。
信州側には雪庇のようになっているところもあり、そちらに寄らないように注意して下さい。
唐松方面から行くと白岳の手前30分くらいの場所から、黒部側の餓鬼谷へ伸びる尾根に入り込んでしまった事例がありました。残雪多く、ルート見失わなよう慎重な見極めが必要です。
不帰方面は、7月初旬までは雪の状況が非常に不安定で、ザイルによる確保および、適切なルートファインディング能力がなければ通過できません。6月中旬までは、行かない方が良いでしょう。
登山装備
完全冬山装備、10本爪以上のアイゼンおよびピッケルが必携です。
注意点
今の時期はピッケルを必ず用意してください。ストックでは滑落を止められません。
朝夕は雪面がツルツルになって滑りやすくなります。10本爪以上のアイゼンでないと朝晩は歯が立ちません。
水分は多めに持ってきて、行動中はしっかり補給してください。寒さを感じる前に防寒し、体力体温保持に努めて下さい。
お知らせ
八方尾根スキー場は営業を終了しています。
5/16(水)からトレッキングシーズンしてゴンドラの営業は再開します。
五竜山荘は6/15(金)まで休業中です。
昨年の今頃の様子は?
2023年のGWは4/27~5/6迄営業(要予約)。前爪のあるアイゼン、ピッケルなど雪山登山装備が必要2023.04.27
2023年の夏山営業は7/1~10/21。利用には予約が必要。予約は6月中旬から受付予定2023.05.11
2023年の夏季営業は6/24(土)泊~(テントは7/1~)。利用には予約が必要。予約は一ヶ月前から受付2023.05.24
唐松岳頂上山荘周辺の過去の様子
唐松岳頂上山荘
- 電話番号:
- 090-5204-7876
- 連絡先住所:
- 長野県北安曇郡白馬村北城6336