積雪230cm。 本日快晴ですが稜線は雪煙が舞う強風で体感温度は最低気温-13.6℃を下回ってます。
天気・気温
日の出06:50頃、日の入17:20頃。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
先日は全国的に気温が非常に高く、西穂高でも春のような暖かい陽気となりました。風もほとんどなく、稜線の雪はしっかりとアイゼンが効く状態でしたので、訪れた方々にとっては最高の登山日和となったのではないでしょうか。今日も日中はすっきりと晴れ、綺麗な青空が広がっていました。ただ稜線は雪煙が激しく舞うほど風が強く、気温以上に寒く感じられました。
この時期は様々な動物の足跡が雪面に残っていますが、独標より先の険しい稜線においてもそれらを見ることが出来ます。人間にとっては非常に危険な場所でも、平然と歩く野生動物たちの身体能力の高さに、改めて感心させられます。
天候が良い時は、青空に真っ白な雪景色がとても綺麗です。山荘周辺や稜線上では大きく成長したエビのシッポやシュカブラ等、この時期ならではの独創的な雪の造形が楽しめます。
山荘前の斜面を利用して雪上訓練をされる方が多いです。熟練された方から初心者の方へと雪山の技術を伝える姿を見ていると改めて厳しい冬山へ挑むための技術習得の重要性、そして心構えも大切な部分であることを教えられます。
登山道の状況
雪の状況は天気や気温次第で大きく変わります。同じ日においても、気温の低い朝方と、太陽にさらされた日中では雪面の状態はかなり異なりますので、状況に応じて足元の装備も使い分ける必要があります。
・新穂高ロープウェイ側の登山道(山荘~ロープウェイ間)は樹林帯の中を歩きます。一日で1mも新雪が積もることもあり、降雪後はワカンやスノーシューが必要です。人が大勢歩いたり、好天が続いたりすると、一転して雪面は硬くなりますので、アイゼンが必要となります。
ルートは冬ルートに変わっています。ルート上には赤い布のついた竹の棒が目印として設置されています。所々立ち木や小枝がルート上に出ている場所もありますので、グループで歩く時は枝の跳ね返りに注意してください。初心者コースとあなどることなく慎重に歩きましょう。
・上高地側は降雪後の入下山者は無いようですので、トレースは期待できません。積雪期は初心者の入下山は困難です。経験者の方でも、かなりハードなラッセルとなることがあります。
・丸山までは岩の出ているところもありますが、凍っている場合がありますのでアイゼンは装着してください。ハイマツが露出している箇所では、アイゼンで踏みつけてハイマツの枝を傷つけることのないよう、注意して歩いてください。
山荘から上部はハイマツ帯となり、風を遮るものがありません。雪面も硬いことが多く、アイゼンやピッケルは必携です。凍傷や低体温症にならないよう、いくら天気が良くても防寒防風対策は怠らず、安全な登山をお楽しみください。好天時は雪面からの照り返しが強くサングラスがあるとよいでしょう。
・丸山から独標までのルートは独標手前までは尾根が広く、滑落の危険は少ないのですが、天候が悪い場合はホワイトアウトの状態となることがあり、道迷いが発生しやすくなります。悪天候時に無理をして行動しないようにしてください。
稜線の雪庇は信州側へ大きく張り出している所も見られました。また、雪と岩の境目には氷となっている部分もあります。雪庇上の危険な場所に踏み跡が付いているケースも見られます。トレースをあてにせず、自身で正しいルートを判断できるよう登山技術を磨くことが大切です。時間的な余裕も持って、安全に登山を行ってください。
・独標より先は冬の北アルプスに熟練した方しか登ることはできません。これからの時期は岩と雪と氷がミックスした状況になります。稜線上は雪庇の踏み抜きに注意してください。既にある足跡が必ず安全とは限りません。
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは非常に分かりにくい状態でラッセルが大変です。明瞭な目印は無くこれからの時期に入山する人はほとんどいません。
・西穂~奥穂間の縦走路は夏シーズンでも難しいといわれるルートの一つです。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
登山装備
・山荘から下の樹林帯は、雪の状況によって使用する装備が異なります。新雪が降ったばかりならワカンかスノーシュー、降雪後でトレースが硬ければアイゼンが必要です。雪面状態は毎日変わりますので、どのような状態にも対応できるようご準備ください。また、樹林帯ではピッケルではなくストックを使用します。
・山荘から上の稜線へ行く場合は、アイゼンピッケルが必携です。
・稜線に出ると風が強く、体感温度は実際の気温よりもかなり低くなります。冬用の帽子や手袋、暖かい衣類等、防寒・防風対策が必要です。長時間行動する場合は、目出し帽等で顔を凍傷から守ることも必要です。
・天気の良い日はゴーグルやサングラス等で紫外線から目を守ることも重要です。
・天候によって気温差があります。晴れれば日中の最高気温はプラスになることもありますが、最低気温は-20℃近くまで下がることもあります。
・山荘までの樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
・山荘内は布団や毛布は完備してあります。寒気が入ると冷え込むこともありますが、基本的には暖かくしてあります。それでも朝晩は気温が下がりますのでフリースやダウン等の防寒着が必要です。
注意点
天気予報を見る場合、このあたりの気象状況に比較的近いのは、岐阜県飛騨地方のものです。
入山時に好天に恵まれても、下山時に荒れた天候となり停滞せざるを得ない状況になることもあります。登山日の前後の天気をよく確認し、どんな状況にも対応できる余裕を持った計画を立ててください。
冬山は美しい景色を堪能できる反面、常に危険と隣り合わせであることも忘れてはなりません。入山前に十分な準備をされて、楽しく安全な登山が出来るようにしましょう。吹雪になると丸山でも方向を失ってしまう可能性がありますので、十分注意してください。雪庇は信州側に伸びています、視界が悪い時は特に注意が必要となります。
お知らせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。現地電話(0263-95-2506)は、外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
宿泊の御予約は松本事務所(電話0263-36-7052 営業は日祭日除く10:00~16:00)で受付ています。個室予約の受付を行っております。部屋数に限りはありますが、ご希望のお客様はどうぞご利用ください。個室の予約は現地では受け付けていません。
冬期間はタンクの水が凍るため、ご宿泊のお客様にも水の提供ができなくなり、ペットボトルの水をお買い求めいただくようになります(500mlペットボトルが300円です)。
レストハウスの食事メニュー(お酒やおつまみ類を除く)の注文は、15:00頃までとなっております。
携帯電話の通話状況 ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がります。稜線でも大抵の場所で繋がります。AUは山荘付近、稜線ともに繋がります。ソフトバンクも山荘西面なら繋がります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所