積雪280cm。まだ雪山です。登山道の状況も条件により大きく変化する時期なので装備の油断は禁物です。
天気・気温
最低気温-3.5℃、最高気温+1.54℃。
日の出06:08頃、日の入17:49頃。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
先週は降雪があったものの量は少なく、好天で暖かな日が多かったので積雪量は減りました。稜線は岩の部分が多く露出し、山荘周辺の雪も全体的に沈みました。天気の良い日は春の陽気です。
3/25朝は飛騨側に雲海が出ていました。信州側は青空が見られましたが雲が低く朝日を見ることは出来ませんでした。日中は周辺の山々がはっきり見えたり、濃いガスに包まれ視界が悪い状態を繰り返していました。
季節が進むにつれて暖かい日が増えてくると思いますが、ひとたび寒気が入ればたちまち冬に逆戻りします。4月中旬までは「冬山」という認識でお越しください。
山荘前から見ることができていた朝日は明神岳に隠れるようになりました。これからの時期は日の出の時間には明るくなってきますが、実際に太陽が見えるのはそれより後になります。
登山道の状況
3/25雪面は朝の冷え込み時は凍りつき、滑りやすくなっていましたが、午前中には柔らかい状態へと変わってしまいました。
・新穂高ロープウェイ側の登山道は冬ルートを通ります。登山道上の一部では踏み固められたことにより、非常に固く滑りやすい箇所があります。ただ、吹雪等で降雪が増えると一晩で一気に状況が変化し、トレースが消えることもあります。逆に気温が高い日は柔らかくなり、下が空洞になっていると踏み抜くこともあります。この季節はどんな状況にも対応できるようにアイゼンとワカン(またはスノーシュー)を両方用意しておくのが良いでしょう。
・ルート上には赤い布のついた竹の棒が目印として設置されていますが、今後も状況に応じてより安全なルートに変更する可能性がありますので、目印を確認の上、登山道を大幅に外れることのないよう注意して歩きましょう。また、所々立ち木や小枝がルート上に出ている場所もありますので、グループで歩く時は枝の跳ね返りに注意してください。
・上高地側の入下山者は無いようですので、トレースは期待できません。積雪期は初心者の入下山は困難です。
・稜線の雪庇は信州側へ大きく張り出している箇所も見られました。視界が悪い時は特に注意が必要となります。また、雪と岩の境目には氷となっている部分もあります。雪庇上の危険な場所に踏み跡が付いているケースも見られます。トレースをあてにせず、自身で正しいルートを判断できるよう登山技術を磨くことが大切です。
・丸山までは岩の出ているところもありますが、凍っている場合がありますのでアイゼンは装着してください。ハイマツが露出している箇所では、アイゼンで踏みつけてハイマツの枝を傷つけることのないよう、注意して歩いてください。
・丸山より上部は風を遮るものがありませんので、樹林帯の中と比べると急に風が強まります。天気が良くても風や寒さに対する配慮が必要です。吹雪になると丸山でも方向を失ってしまう可能性がありますので、十分注意してください。雪庇は信州側に伸びています、
・丸山から独標までのルートは独標手前までは尾根が広く、滑落の危険は少ないのですが、天候が悪い場合はホワイトアウトの状態となることがあり、道迷いが発生しやすくなります。悪天候時に無理をして行動しないようにしてください。夏道の土止めの木も出て来ています。できるだけアイゼンで痛めないように注意してください。
・独標より先は冬の北アルプスに熟練した方しか登ることはできません。これからの時期は岩と雪と氷がミックスした状況になります。稜線上は雪庇の踏み抜きに注意してください。既にある足跡が必ず安全とは限りません。
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは非常に分かりにくい状態です。明瞭な目印は無く入山する人はほとんどいません。
・西穂~奥穂間の縦走路は夏シーズンでも難しいといわれるルートの一つです。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
登山装備
ロープウェイ~山荘間の登山道は樹林帯の中を歩きます。厳冬期のように一日で多量の降雪がありラッセルとなる可能性は低くなりましたが、新雪が降ったばかりの時や気温の上昇によって雪が柔らかくなり足が潜る場合は、ワカンやスノーシューを使用する時もあります。降雪後でトレースが硬い時や、人が大勢歩いたり、冷え込んだ朝晩は、一転して雪面は硬くなりますので、アイゼンが必要となります。雪面状態は毎日変わりますので、どのような状態にも対応できるようご準備ください。
・山荘までの樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
山荘までの樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
樹林帯ではピッケルではなくストックを使用します。山荘から上の稜線へ行く場合は、アイゼンとピッケルが必携です。
稜線に出ると風が強く、体感温度は実際の気温よりもかなり低くなります。冬用の帽子や手袋、暖かい衣類等、防寒防風対策が必要です。長時間行動する場合は、目出し帽などで顔を凍傷から守ることも必要です。
天気の良い日はゴーグルやサングラス等で紫外線から目を守ることも重要です。
注意点
・時間的な余裕も持って、安全に登山を行ってください。
・冬山登山は終盤となってきましたが、北アルプスでは5月になっても吹雪となる日もあります。入山時に好天に恵まれても、下山時に荒れた天候となり停滞せざるを得ない状況になることもあります。登山日の前後の天気をよく確認し、どんな状況にも対応できる余裕を持った計画を立ててください。
・天候によって気温差があります。晴れれば日中の最高気温はプラスになることもありますが、最低気温はマイナス20℃近くまで下がることもあります。
・雪の状況は天気や気温次第で大きく変わります。同じ日においても、気温の低い朝方と、太陽にさらされた日中では雪面の状態はかなり異なりますので、状況に応じて足元の装備も使い分ける必要があります。
・降雪に日没が重なると視界は一気に悪くなり、ルートの判断が困難になります。降雪時は通常よりも早めに行動を終了するよう、時間に余裕を持った行動計画の下に登山を行ってください。
・冬山は美しい景色を堪能できる反面、常に危険と隣り合わせであることも忘れてはなりません。入山前に十分な準備をされて、楽しく安全な登山が出来るようにしましょう。
・車でお越しの場合は、積雪や路面凍結など、雪による道路状況への影響についても注意が必要です。
・天気予報を見る場合は 気象状況に比較的近いのは、岐阜県飛騨地方のものです。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
お知らせ
●西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・現地電話(0263-95-2506)は、外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
・宿泊予約は。松本事務所へお願いします。電話0263-36-7052(オフシーズンは土日祭日を除く 09:30~16:00営業)。現地の電話は、直前の予約やキャンセルのみお受けしておりますので、なるべく松本事務所へお願い致します。
・飲料水はペットボトルの水を販売しています(500mlペットボトルが300円です)。
・レストハウスの食事メニュー(お酒やおつまみ類を除く)の注文は、15:00頃までとなっております。
●個室予約について
・4月~6月までの個室予約の受付を行っております。部屋数に限りはございますが、ご希望のお客様はどうぞご利用ください。
・7月以降の予約受け付けは4/1から受け付けます。
・個室予約は松本事務所のみで承ります。現地の電話ではお受けできませんので御注意下さい。松本事務所 電話0263-36-7052(オフシーズンは土日祭日を除く09:30~16:00営業)
●携帯電話の通話状況 ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がります。稜線でも大抵の場所で繋がります。AUは山荘付近、稜線ともに繋がります。ソフトバンクは山荘西面で繋がります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所