降雪が続き信州側の斜面の積雪が増えました。今年は東側斜面の残雪が多く雪崩に注意。
天気・気温
日の出05:21頃 日の入18:25頃。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
今日は朝から雲に覆われる時間帯が多かったですが、時折晴れ間もみられ、日中は視界もそれほど悪くない1日でした。
先週は水曜日以降3日連続で雪となり、先週から積雪は増えていますが、場所によって積雪の量にばらつきがあります。稜線は風で飛ばされやすく、多少増えた程度ですが、樹林帯の中や信州側の斜面では、大幅に増えている所があります。
気温も日中を含め氷点下の日が多く、季節が冬に逆戻りしてした印象です。4月に入ってから穏やかで暖かい日も徐々に増えてきましたが、今後も寒暖を繰り返しながら、少しずつ季節は進んでいきます。
今シーズンは、例年と比べて東側斜面の積雪量が多くなっています。雪崩の発生しやすい沢筋や、傾斜の大きい場所には入り込まないようにしましょう。冬期の登山道は、雪崩の発生しにくい場所を選んで目印を付けてありますので、なるべくそこから外れて歩かないようにしてください。
稜線の雪が氷になっていたり固く締まっていたりと非常に滑りやすい時があります。また、岩稜帯は雪が融けた箇所も多く、アイゼンを装着したままでの岩場歩きとなる所もあります。
日の出は、山荘前から見ることができていますが、今は明神岳に隠れるようになりました。これからの時期は日の出の時間には明るくなってきますが、実際に太陽が見えるのはそれより後になります。
登山道の状況
●ロープウェイ~山荘間の登山道は樹林帯の中を歩きます。
・登山道は冬ルートを通ります。ルート上には赤い布のついた竹の棒が目印として設置されていますが、今後も状況に応じてより安全なルートに変更する可能性がありますので、目印を確認の上、登山道を大幅に外れることのないよう注意して歩きましょう。また、所々立ち木や小枝がルート上に出ている場所もありますので、グループで歩く時は枝の跳ね返りに注意してください。
・登山道上の一部では踏み固められたことにより、非常に固く滑りやすい箇所があります。しかし吹雪などで降雪が増えると一晩で一気に状況が変化し、トレースが消えることもあります。逆に気温が高い日は柔らかくなり、下が空洞になっていると踏み抜くこともあります
もう、厳冬期のように一日で多量の降雪がありラッセルとなる可能性は低くなりましたが、気温の変化により、雪が柔らかくなり足が潜る場合は、ワカンやスノーシューを使用する時もあります。人が大勢歩いたり、冷え込んだ朝晩は、一転して雪面は硬くなりますので、アイゼンが必要となります。この季節はどんな状況にも対応できるようにアイゼンとワカン(またはスノーシュー)を両方用意しておくのが良いでしょう。
●上高地側ルートの入下山者は無いようですので、トレースは期待できません。積雪期は初心者の入下山は困難です。
●丸山までは岩の出ているところもありますが、凍っている場合がありますのでアイゼンは装着してください。ハイマツが露出している箇所では、アイゼンで踏みつけてハイマツの枝を傷つけることのないよう、注意して歩いてください。
●丸山から独標へ向かう広い尾根は、天気の良いときは非常に快適に登ることができますが、吹雪になると状況が一変します。ホワイトアウトの状態となり、ルートが分からなくなることもありますので、天気の悪い時は決して無理をしないようにしてください。地面が出ている箇所も増えてきました。ここでもアイゼンでハイマツを痛めないようにお願いいたします。
・稜線の雪庇は信州側へ大きく張り出している箇所も見られました。また、雪と岩の境目には氷となっている部分もあります。雪庇上の危険な場所に踏み跡が付いているケースも見られます。トレースをあてにせず、自身で正しいルートを判断できるよう登山技術を磨くことが大切です。時間的な余裕も持って、安全に登山を行ってください。
●独標より先は冬の北アルプスに熟練した方しか登ることはできません。これからの時期は岩と雪と氷がミックスした状況になります。稜線上は雪庇の踏み抜きに注意してください。既にある足跡が必ず安全とは限りません。
●西穂山荘から焼岳小屋までのルートは非常に分かりにくい状態です。明瞭な目印は無く入山する人はほとんどいません。
●西穂~奥穂間の縦走路は夏シーズンでも難しいといわれるルートの一つです。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
登山装備
・山荘までの樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
・山荘から下の樹林帯は、雪の状況によって使用する装備が異なります。新雪が降ったばかりならワカンかスノーシュー、降雪後でトレースが硬ければアイゼンが必要です。雪面状態は毎日変わりますので、どのような状態にも対応できるようご準備ください。また、樹林帯ではピッケルではなくストックを使用します。
・山荘から上の稜線へ行く場合は、アイゼン・ピッケルが必携です。
丸山より上部は風を遮るものがありません。天気が良くても風や寒さに対する配慮が必要です。
樹林帯の中と比べると急に風が強まり、体感温度は実際の気温よりもかなり低く感じます。冬用の帽子や手袋、暖かい衣類等、防寒・防風対策が必要です。長時間行動する場合は、目出し帽等で顔を凍傷から守ることも必要です。
・天気の良い日はゴーグルやサングラス等で紫外線から目を守ることも重要です。
・天候によって気温差があります。晴れれば日中の最高気温はプラスになることもありますが、最低気温はマイナス10℃以下に下がることもあります。特に朝晩は気温が下がりますのでフリースやダウン等の防寒着が必要です。
注意点
・冬山登山は終盤となってきましたが、北アルプスでは5月になっても吹雪となる日もあります。入山時に好天に恵まれても、下山時に荒れた天候となり停滞せざるを得ない状況になることもあります。登山日の前後の天気をよく確認し、どんな状況にも対応できる余裕を持った計画を立ててください
・降雪に日没が重なると視界は一気に悪くなり、ルートの判断が困難になります。降雪時は通常よりも早めに行動を終了するよう、時間に余裕を持った行動計画の下に登山を行ってください。
・冬山から春山に移行していくこれからの季節は、天気が崩れると雪だけでなく雨に変わったりします。気温が氷点下近い状態での雨も考えられますので、低体温症などに注意してください。気象予報を確認の上、雨具や防寒着をしっかりとご用意してください。
・雪の状況は天気や気温次第で大きく変わります。同じ日においても、気温の低い朝方と、太陽にさらされた日中では雪面の状態はかなり異なりますので、状況に応じて足元の装備も使い分ける必要があります。
・冬山は美しい景色を堪能できる反面、常に危険と隣り合わせであることも忘れてはなりません。入山前に十分な準備をされて、楽しく安全な登山が出来るようにしましょう。
・天気予報は岐阜県飛騨地方を参考にして下さい。
・車でお越しの場合は、積雪や路面凍結等、雪による道路状況への影響についても注意が必要です。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
お知らせ
●西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・現地電話(0263-95-2506)は、外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
・宿泊予約は。松本事務所へお願いします。電話0263-36-7052(オフシーズンは土日祭日を除く 09:30~16:00営業)。現地の電話は、直前の予約やキャンセルのみお受けしておりますので、なるべく松本事務所へお願い致します。
・飲料水はペットボトルの水を販売しています(500mlペットボトルが300円です)。
・レストハウスの食事メニュー(お酒やおつまみ類を除く)の注文は、15:00頃までとなっております。
●個室予約について
・今シーズンの個室予約を受け付けております。部屋数に限りはございますが、ご希望のお客様はどうぞご利用ください。
・7月下旬から10月上旬にかけての週末は、個室をご用意できない日もございますのでご容赦ください。
・個室予約は松本事務所のみで承ります。現地の電話ではお受けできませんので御注意下さい。松本事務所 電話0263-36-7052(オフシーズンは土日祭日を除く09:30~16:00営業)
●携帯電話の通話状況 ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がります。稜線でも大抵の場所で繋がります。AUは山荘付近、稜線ともに繋がります。ソフトバンクは山荘西面で繋がります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所