今年は連休が終わっても強い寒気が南下して寒いです。昨日も雪が舞い、冬さながらの景色となっています。
天気・気温
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
ゴールデンウィーク後半も、前半に引き続き天候に恵まれ、多くのお客様が雪山を楽しみました。日に日に暖かい日が増えていくと同時に雪もだんだんと融けて行きます。残雪期を楽しみたい方はぜひこの季節にご来訪下さい。
しかし、今年は連休が終わっても強い寒気が南下して寒いです。-5℃を下回ることも珍しくなく、標高2,000m付近より上では、なかなか雪が融けず、残雪の量がかなり多め。冬さながらの景色となっています。
例年に比べると、アイゼン・ピッケル等の雪に対する装備が必要な期間が長くなると予想されます。また、急激に気温が上昇した場合は、雪崩にも十分注意しなければなりません。
朝晩はまだ氷点下まで冷え込む日がほとんどです。雪面の変化には十分注意してください。
一方、稜線から見下ろすと、山の麓は木々の緑が鮮やかになりつつあります。
山荘前から見ることが出来ていた朝日は明神岳の山頂付近から出るようになっています。現在、日の出の時間には明るくなり朝焼けがとても綺麗ですが、実際に太陽が見えるのはそれより40分ぐらい後になります。
登山道の状況
今シーズンは、例年と比べて東側斜面の積雪量が多くなっています。雪崩の発生しやすい沢筋や、傾斜の大きい場所には入り込まないようにしましょう。
冬期の登山道は、雪崩の発生しにくい場所を選んで目印を付けてありますので、なるべくそこから外れて歩かないようにしてください。
●ロープウェイ~山荘間
・ロープウェイ側登山道上のルートは全体的に踏み固められており、特に急登部分は滑りやすく危険な箇所もあります。アイゼンはお持ちください。
降雪が増えると一晩で一気に状況が変化し、トレースが消えることもあります。逆に気温が高い日は柔らかくなり、下が空洞になっていると踏み抜くこともあります。
この季節はどんな状況にも対応できるようにアイゼンとワカン(またはスノーシュー)を両方用意しましょう。
・登山道は冬ルートを通ります。ルート上には赤い布のついた竹の棒が目印として設置されていますが、今後も状況に応じてより安全なルートに変更する可能性があります。目印を確認の上、登山道を大幅に外れることのないよう注意して歩きましょう。
また、所々立ち木や小枝がルート上に出ている場所もありますので、グループで歩く時は枝の跳ね返りに注意してください。
●上高地側ルート
この時期の上高地側の入下山者は多くはないです。トレースも確実に付いているとは言えません。積雪期は初心者の入下山は困難です。
●独標、山頂方面
・丸山までは岩の出ているところもありますが、凍っている場合がありますのでアイゼンは装着してください。ハイマツが露出している箇所では、アイゼンで踏みつけてハイマツの枝を傷つけることのないよう、注意して歩いてください。
・丸山より上部は風を遮るものがありません。樹林帯の中と比べると急に風が強まります。天気が良くても風や寒さに対する配慮が必要です。
・丸山から独標までのルートは独標手前までは尾根が広く、滑落の危険は少ないですが、天候が悪い場合はホワイトアウトの状態となることがあります。悪天候時に無理をして行動しないようにしてください。
夏道の土止めの木も出て来ています。できるだけアイゼンで痛めないように注意してください。
・稜線の雪が氷になっていたり固く締まっていたりと非常に滑りやすい時があります。一方、雪が融けた箇所も多く、アイゼンを装着したままでの岩場歩きとなる箇所もあります。
・稜線では雪庇上の危険な場所に踏み跡が付いているケースも見られます。トレースをあてにせず、自身で正しいルートを判断できるよう登山技術を磨くことが大切です。また時間的な余裕をもって行動することも重要です。
●独標~山頂、奥穂方面
・独標より先は冬の北アルプスに熟練した方しか登ることはできません。これからの時期は岩と雪と氷がミックスした状況になります。稜線上は雪庇の踏み抜きに注意してください。すでにある足跡が必ず安全とは限りません。
・西穂~奥穂間の縦走路は夏シーズンでも難しいといわれるルートの一つです。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
●焼岳方面
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは非常に分かりにくい状態です。明瞭な目印は無く入山する人はほとんどいません。
登山装備
・山荘までの樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
・山荘から下の樹林帯は、雪の状況によって使用する装備が異なります。雪面状態は毎日変わりますので、どのような状態にも対応できるよう準備しましょう。樹林帯ではピッケルではなくストックを使用します。
・山荘から上の稜線へ行く場合は、アイゼン・ピッケルが必携です。
・稜線に出ると風が強く、体感温度は実際の気温よりもかなり低くなります。冬用の帽子や手袋、暖かい衣類など、防寒防風対策が必要です。長時間行動する場合は、目出し帽等で顔を凍傷から守ることも必要です。
・天気の良い日はゴーグルやサングラスなどで紫外線から目を守ることも重要です。
・天候によって気温差があります。晴れれば日中の最高気温はプラスになることもありますが、最低気温はマイナス10℃以下に下がることもあります。特に朝晩は気温が下がるのでフリースやダウン等の防寒着が必要です。
注意点
これからの季節は、暖かい日が増えてくると思いますが、ひとたび寒気が入れば5月になっても吹雪となる日もあります。登山日の前後の天気をよく確認し、どんな状況にも対応できる余裕を持った計画を立ててください。
天気が崩れると雪だけでなく雨に変わったりします。気温が氷点下近い状態での雨も考えられますので、低体温症などに注意してください。
雪のある山は美しい景色を堪能できる反面、常に危険と隣り合わせであることも忘れてはなりません。入山前に十分な準備をされて、楽しく安全な登山が出来るようにしましょう。
・天気予報は岐阜県飛騨地方を参考にして下さい。
・車でお越しの場合は、積雪や路面凍結等、雪による道路状況への影響についても注意が必要です。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
お知らせ
・飲料水はペットボトルの水を販売しています(500mlペットボトルが300円です)。
●個室予約について
・今シーズンの個室予約受付中。
・個室予約は松本事務所(電話0263-36-7052)のみで受付(オフシーズンは土日祭日を除く 09:30~16:00営業)。
・部屋数には限りがあり、7月下旬~10月上旬にかけての週末は、個室をご用意できない日もございますのでご容赦ください。
●携帯電話の通話状況 ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がります。稜線でも大抵の場所で繋がります。AUは山荘付近、稜線ともに繋がります。ソフトバンクは山荘西面で繋がります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所