西穂高岳 | 西穂山荘

朝から重い雪が絶え間なく降っており、1時間もしないうちに山荘の前には10cm以上の雪が積もっていました。

変わった形の雪の塊。中に何か入ってるのでしょうか。(2014.04.01 西穂山荘 )
変わった形の雪の塊。中に何か入ってるのでしょうか。(2014.04.01 西穂山荘 )
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天気・気温

03/05(水) 雪、最低気温-4℃、最高気温-0.5℃。
松本市の天気予報
明日
22℃
14℃
明後日
曇一時雨
23℃
15℃
日本気象協会提供 2024年5月5日 6:00発表
高山市の天気予報
明日
曇のち雨
21℃
13℃
明後日
雨のち曇
21℃
13℃
日本気象協会提供 2024年5月5日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

朝から重い雪が絶え間なく降っています。
前線通過後は強い冬型となる予報なので、今降っている湿った雪は冷える前に除雪してしまいました。
しかし、1時間もしないうちに山荘の前には10cm以上の雪が積もっていました。
雪の状態を観察していると気温の変化が解る時があります。
今日の様に気温が高いと雪は軽く握っただけでも固まります。
その後サラサラと乾いたような雪に変化してきたので、寒暖計を覗いてみると-3.5℃と気温は低くなってきていました。
山荘近辺の積雪210cm程。

日の出06:30頃/日の入17:40頃。

今年は稜線の雪が少ないため、降雪直後は全体的に白くなった西穂高を望めるものの、好天になるとあっという間に雪が融け、黒々とした岩稜部分が目立ってきます。
建物の付近は気温が上がると屋根からの落雪があります。山荘南側の外トイレへ行く場合などは、特にご注意ください

登山道の状況

●ロープウェイ~山荘間
・春のような陽気の日もあった事に加え、週末に登山客の皆様が大勢登ってこられたため、氷のように固いステップができている所があります。その上に新雪が積もると起伏が分かりづらく、バランスを崩しやすいので注意が必要です。特に山荘から新穂高ロープウウェイ方面に下山される際の急斜面は注意してください。
・山荘周辺には赤い目印のついた竹が付けてあります。雪の下にハイマツなどが無い部分を選んで刺してあります。積雪量が増えてきましたが、場所によっては簡単に雪の下の植物を踏みつけてしまいますので、目印から大きく外れないように注意願います。早朝は日陰になるところや風の吹きつける場所で凍結している可能性がありますので、お気をつけください。
・冬用のルートに移行しています。新雪がどんどん降り積もっていく時期ですので、積雪状況に応じて、竹の棒や小枝に赤いリボンを付け直してルートを整備しています。ただし、雪がたくさん降った直後は、目印の移動設置が間に合わないことがありますので、そのつもりでお越しください。

●山荘~独標(11峰)
・お花畑~独標間はルートが狭くなり岩場が続きますので、転倒や滑落に十分注意して歩いてください。またこのあたりからは信州側に雪庇が発達しています。安易にトレースを信じず、ルートを良く確認して行動してください。特に悪天候の際は、下山時にルートを間違えると大きな事故につながる可能性があります。
・丸山から独標へ向かう広い尾根は、多少日が射して視界が開けることもあれば、地吹雪で30mくらい先しか見えないこともあり、一般の登山者方が登ることはお勧めできる状況ではありませんでした。ただ、雪面の状態は非常に良く、アイゼンの爪が程よく効いて歩きやすいコンディションでした。
・山荘~丸山までは森林限界を超えるため、急に強い風が吹き始めます。防寒・暴風対策が必要です。丸山~お花畑までは尾根の幅が広く、滑落するような場所ではないため、アイゼンワークの練習をするには向いています。しかし、天気が悪く視界がきかないときは方向が分からなくなり、迷いやすくなりますので、悪天候時は決して無理をしないようにお願いします。

●独標(11峰)~山頂(1峰)までのルート状況(2/25現在)
・雪庇は長野県側に張り出す事を念頭に置き、踏み抜きに注意してやや岐阜県寄りを歩きます。
・第4峰へ登っていく斜面では、ルート上は雪のあるところが多いのですが、岩の出ているところが目立ちました。
・山頂直下は、今日現在ルンゼに明瞭な踏み跡があり、非常に登りやすい状態になっていました。しかし、今日のように楽に上り下りできるときは稀で、通常は最も緊張を強いられる場所です。今後の天候の変化により、また厳しい状況に戻ると思われます。
※厳冬期は独標まで登る場合も、冬山の十分な経験が必要です。降雪により雪や氷となっている場所がありますので、アイゼンやピッケルが必要で、それを使いこなせる技術が必要です。
独標から先は更に厳しい場所ですので、冬山の上級者のみのコースとなります。

●山頂~奥穂方面
・西穂~奥穂間の縦走路は無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つで、冬期間に縦走する人はほとんどいません。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。

●焼岳方面
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは、積雪期は不明瞭で迷いやすくなります。ある程度雪がなくなるまで、通る人はほとんどいません。また、割谷山の飛騨側斜面を通過する際は、滑りやすいため注意が必要です。焼岳小屋から上高地間のルート上の梯子は冬期期間撤去してあります。

登山装備

完全冬山装備。目だし帽(バラクラバ)、オーバー手袋、ワカンまたはスノーシュー、12本爪アイゼン(山荘までも8本以上が良いでしょう)、ピッケル(丸山までならストック)。
・日中でも-10℃になります。吹雪となる日も少なくありません。完全な冬山装備が必要です。
・稜線に立つと、身体のバランスを保つのに気を遣うくらいの風が吹くことがあり、体感温度は実際の気温よりも大変低くなります。防寒・防風対策が必要です。

注意点

・冬季は一晩降り続けると1m近く積もることもあります。入山時には楽に登れても、山荘で一泊して、翌日帰る時に登山道の状況が一変しているといった事も珍しくはありません。どんな状況でも行動できるよう、ワカンやスノーシュー等、ラッセルへの備えもお忘れなく。
・冬の西穂高では、しばしば道に迷う人が発生します。ホワイトアウトになった場合は特に注意必要。
・天気が良くても油断は禁物。日射が強く気温が上がれば、雪崩の起きやすい場所では午後になると湿雪表層雪崩発生の可能性も出てきます。冬山は他のシーズンにも増して、緊張感を保ち続けることが大切です。
・厳冬期の北アルプスは想像を超える厳しさとなる時もあります。低体温症や凍傷等には十分注意してください。
・登山予定日の天候をよく確認して、無理をしないようにしましょう。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
・雪山初心者は山荘まででも、冬山経験者と同行しましょう。まして小屋から先へは行くのは、難しいと思われます。
・西穂高一帯は国立公園に指定されているため、所定のテント場以外の場所にテントを張ることはできません。

● 新穂高ビジターセンター 「神宝乃湯」 臨時休業のお知らせ
新穂高ビジターセンター 神宝乃湯は、源泉パイプが雪崩により破損し源泉の供給がストップしており当分の間休業しています。

●新穂高ロープウェイ 運行状況、料金などはこちら http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html

お知らせ

・山の状況や装備のご質問などは山荘にお問い合わせください。松本事務所TEL0263-36-7052(冬期は土・日・祭日を除く9:30~16:00)
・冬の間は水源が無くなるため、水はミネラルウォーターのペットボトル販売(500mlで300円)のみとなります。
・携帯電話、スマートフォンの充電対応は山荘自家発電時のみとなります。20分間で100円。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。

昨年の今頃の様子は?

新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

西穂山荘

電話番号:
連絡先住所:
長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所

地図で見る
http://www.nishiho.com/

施設の詳細を見る

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 穂高連峰の南端にあり、さらに南へ続く稜線は焼岳に至る。東側は上高地の谷を隔てて霞沢岳と向かい合い、西側は蒲田川の新穂高温泉を挟んで笠ヶ岳がすばらしい。  標高は3000mを切っているが、岩稜、お花畑、ハイマツと、高山帯の要素がそろっているので、北アルプスの入門コースとして人気がある。  この山から奥穂高岳への岩稜は北アルプスでも最も難しいコースで、初縦走は大正元年(1912)、鵜殿正雄が行っている。同じ年、辻村伊助は『スウイス日記』の中で「神河内ならぬ上高地は不快な所である」とその俗化を嘆いている。とはいえ昭和45年(1970)に新穂高温泉から千石尾根にロープウェイが架かり、登山が容易になった現在の山の賑わいと比べようもあるまい。  昭和42年(1967)には西穂高岳・独標で松本深志高校の生徒11人が落雷遭難を起こしている。低くても登りやすくても、アルプスは危険と紙一重の山なのである。  千石尾根が主稜線に突き上げた森林限界に西穂山荘が建っている。  登山道は上高地から所要6時間30分。新穂高温泉からは、ロープウェイ終点から歩いて西穂山荘、独標経由所要3時間30分。

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