高気圧と低気圧が交互に訪れ、天候がめまぐるしく変化し、今日は日中プラスになりましたが、寒気が入ると真冬に戻ります。
天気・気温
山と周辺の状況
高気圧と低気圧が交互に訪れ、天候がめまぐるしく変化しています。高気圧に覆われるときはまっ白な山に真っ青な空を満喫できる時期になってきました。
しかし、寒気が入ればまだまだ真冬並みに冷え込むこともあり、4月くらいまでは冬山装備が必要です。
昨日18日は9:00頃から雪が降り出し夜まで降雪は続きました。
昼前までは湿り気のある雪でしたが、その後アラレ状の雪に変わっています。
一昨日17日の昨日の好天で融けた雪面が冷えて硬くなっていますので、風の強いところでは降った雪が飛ばされ、まったく積もっていません。
吹き溜まる場所ではアラレ状の雪が30cmほど積もりました。
昨日の朝の時点で、新穂高ロープウェイの1,500mくらいから下は雨になっていました。
山荘周辺の積雪240cm
日の出06:00頃/日の入18:00頃
登山道の状況
●ロープウェイ~山荘間
・ロープウェイ側登山道上は、樹林帯になり比較的トレースを期待できますが、風の通る場所では短時間の降雪でも消えてしまう箇所があります。竹の棒や小枝に赤いリボンを付け直してルートを整備しています。雪がたくさん降った直後は、目印の移動設置が間に合わないことがありますので、そのつもりでお越しください。下山時にソリ遊びやシリセードで下山をされている方もいらっしゃいます。立ち木や入山してくる登山者に接触する危険性がありますので、細心の注意をお願い致します。
●山荘~独標
・お花畑~独標間はルートが狭くなり岩場が続きますので、転倒や滑落に十分注意して歩いてください。またこのあたりからは信州側に雪庇が発達しています。安易にトレースを信じず、ルートを良く確認して行動してください。特に悪天候の際は、下山時にルートを間違えると大きな事故につながる可能性があります。
・丸山から独標へ向かう広い尾根は、多少日が射して視界が開けることもあれば、地吹雪で30mくらい先しか見えないこともあり、一般の登山者方が登ることはお勧めできる状況ではありません。
・山荘~丸山までは森林限界を超えるため、急に強い風が吹き始めます。防寒・暴風対策が必要です。丸山~お花畑までは尾根の幅が広く、滑落するような場所ではないため、アイゼンワークの練習をするには向いています。しかし、天気が悪く視界がきかないときは方向が分からなくなり、迷いやすくなりますので、悪天候時は決して無理をしないようにお願いします。
●独標~西穂山頂
・雪庇は長野県側に張り出す事を念頭に置き、踏み抜きに注意してやや岐阜県寄りを歩きます。
・厳冬期は独標まで登る場合も、冬山の十分な経験が必要です。降雪により雪や氷となっている場所がありますので、アイゼンやピッケルが必要で、それを使いこなせる技術が必要です。
独標から先は更に厳しい場所ですので、冬山の上級者のみのコースとなります。
●山頂~奥穂方面
・西穂~奥穂間の縦走路は無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つで、冬期間に縦走する人はほとんどいません。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
●焼岳方面
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは、積雪期は不明瞭で迷いやすくなります。ある程度雪がなくなるまで、通る人はほとんどいません。また、割谷山の飛騨側斜面を通過する際は、滑りやすいため注意が必要です。焼岳小屋から上高地間のルート上の梯子は冬期期間撤去してあります。
登山装備
完全冬山装備。目だし帽(バラクラバ)、オーバー手袋、ワカンまたはスノーシュー、12本爪アイゼン(山荘までも8本以上が良いでしょう)、ピッケル(丸山までならストック)。
・日によって寒暖の差が激しく、寒気が入ると日中でも-10℃になります。吹雪となる日も少なくありません。完全な冬山装備が必要です。
・稜線に立つと、身体のバランスを保つのに気を遣うくらいの風が吹くことがあり、体感温度は実際の気温よりも大変低くなります。防寒・防風対策が必要です。
注意点
・例年3月は天候の良い日が増えるとご説明していますが、天候によっては一晩降り続けると1m近く積もることもあります。入山時には楽に登れても、山荘で一泊して、翌日帰る時に登山道の状況が一変しているといった事も珍しくはありません。どんな状況でも行動できるよう、ワカンやスノーシュー等、ラッセルへの備えもお忘れなく。
・冬の西穂高では、しばしば道に迷う人が発生します。ホワイトアウトになった場合は特に注意必要。
・天気が良くても油断は禁物。日射が強く気温が上がれば、雪崩の起きやすい場所では午後になると湿雪表層雪崩発生の可能性も出てきます。冬山は他のシーズンにも増して、緊張感を保ち続けることが大切です。
・厳冬期の北アルプスは想像を超える厳しさとなる時もあります。低体温症や凍傷等には十分注意してください。
・登山予定日の天候をよく確認して、無理をしないようにしましょう。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
・雪山初心者は山荘まででも、冬山経験者と同行しましょう。まして小屋から先へは行くのは、難しいと思われます。
・西穂高一帯は国立公園に指定されているため、所定のテント場以外の場所にテントを張ることはできません。
● 新穂高ビジターセンター 「神宝乃湯」 臨時休業のお知らせ
新穂高ビジターセンター 神宝乃湯は、源泉パイプが雪崩により破損し源泉の供給がストップしており当分の間休業しています。
●新穂高ロープウェイ 運行状況、料金などはこちら http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html
お知らせ
・4月~6月の個室予約は、3月3日(月)より、7月以降の個室予約は4月1日(火)より、松本事務所のみで承ります。現地の電話ではお受けできませんので御注意下さい。
・山の状況や装備のご質問なども山荘にお問い合わせください。松本事務所 TEL0263-36-7052( オフシーズンは土・日・祭日を除く 9:30~16:00に営業 )
・冬の間は水源が無くなるため、水はミネラルウォーターのペットボトル販売(500mlで300円)のみとなります。
・携帯電話、スマートフォンの充電対応は山荘自家発電時のみとなります。20分間で100円。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所