1週間で積雪80cm増、雪庇張り出し稜線細心の注意必要。天気の場合は気温プラスになってきましたが、寒気入ると真冬に逆戻り!
天気・気温
山と周辺の状況
山荘前の積雪は、一週間前と比べて一気に80cmほど増えています。
最近降った雪は、水を含んで重たく風に飛ばされにくい為、稜線も積雪が増えています。
日中は、太陽が顔を覗かせると気温も上がり、気持ちよく登山を楽しめる日も次第に増えてきました。
あまり気温が上がると、雪面が融けてアイゼンダンゴができ、歩きにくいこともあります。
またこのような日の翌朝に冷え込むと、今度は雪面が非常に硬くなります。
登山道上の雪の状態が変化しやすい時期になってきました。
山荘周辺の積雪320cm
日の出06:08頃/日の入18:05頃
登山道の状況
稜線も積雪が増えています。徐々に雪庇も張り出してきているので、稜線を歩く際は、細心の注意が必要です。
●ロープウェイ~山荘間
・ロープウェイ側登山道上は、樹林帯になり比較的トレースを期待できますが、風の通る場所では短時間の降雪でも消えてしまう箇所があります。竹の棒や小枝に赤いリボンを付け直してルートを整備しています。雪がたくさん降った直後は、目印の移動設置が間に合わないことがありますので、そのつもりでお越しください。下山時にソリ遊びやシリセードで下山をされている方もいらっしゃいます。立ち木や入山してくる登山者に接触する危険性がありますので、細心の注意をお願い致します。
●山荘~独標
・お花畑~独標間はルートが狭くなり岩場が続きますので、転倒や滑落に十分注意して歩いてください。またこのあたりからは信州側に雪庇が発達しています。安易にトレースを信じず、ルートを良く確認して行動してください。特に悪天候の際は、下山時にルートを間違えると大きな事故につながる可能性があります。
・丸山から独標へ向かう広い尾根は、多少日が射して視界が開けることもあれば、地吹雪で30mくらい先しか見えないこともあり、一般の登山者方が登ることはお勧めできる状況ではありません。
・山荘~丸山までは森林限界を超えるため、急に強い風が吹き始めます。防寒・暴風対策が必要です。丸山~お花畑までは尾根の幅が広く、滑落するような場所ではないため、アイゼンワークの練習をするには向いています。しかし、天気が悪く視界がきかないときは方向が分からなくなり、迷いやすくなりますので、悪天候時は決して無理をしないようにお願いします。
●独標~西穂山頂
・西穂高岳山頂は、支稜線を覆う雪の量がこの一週間で明らかに増加しています。
・雪庇は長野県側に張り出す事を念頭に置き、踏み抜きに注意してやや岐阜県寄りを歩きます。
・冬期は独標まで登る場合も、冬山の十分な経験が必要です。降雪により雪や氷となっている場所がありますので、アイゼンやピッケルが必要で、それを使いこなせる技術が必要です。
・独標から先は更に厳しい場所ですので、冬山の上級者のみのコースとなります。
●山頂~奥穂方面
・西穂~奥穂間の縦走路は無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つで、冬期間に縦走する人はほとんどいません。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
●焼岳方面
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは、積雪期は不明瞭で迷いやすくなります。ある程度雪がなくなるまで、通る人はほとんどいません。また、割谷山の飛騨側斜面を通過する際は、滑りやすいため注意が必要です。焼岳小屋から上高地間のルート上の梯子は冬期期間撤去してあります。
登山装備
・冬山装備。目だし帽(バラクラバ)、オーバー手袋、ワカンまたはスノーシュー、12本爪アイゼン(山荘までも8本以上が良いでしょう)、ピッケル(丸山までならストック)。
・日によって寒暖の差が激しく、寒気が入ると日中でも-10℃になります。吹雪となる日も少なくありません。完全な冬山装備が必要です。
・稜線に立つと、身体のバランスを保つのに気を遣うくらいの風が吹くことがあり、体感温度は実際の気温よりも大変低くなります。防寒・防風対策が必要です。
注意点
・桜の開花もニュースで流れていますが、ここはまだ冬山です。寒気が来ると一気に真冬に逆戻りします。
・例年春先は天候の良い日が増えますが、天候によっては一晩降り続けると1m近く積もることもあります。どんな状況でも行動できるよう、ワカンやスノーシュー等、ラッセルへの備えもお忘れなく。
・冬の西穂高では、しばしば道に迷う人が発生します。ホワイトアウトになった場合は特に注意必要。
・天気が良くても油断は禁物。日射が強く気温が上がれば、雪崩の起きやすい場所では午後になると湿雪表層雪崩発生の可能性も出てきます。冬山は他のシーズンにも増して、緊張感を保ち続けることが大切です。
・冬期の北アルプスは想像を超える厳しさとなる時もあります。低体温症や凍傷等には十分注意してください。
・登山予定日の天候をよく確認して、無理をしないようにしましょう。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
・雪山初心者は山荘まででも、冬山経験者と同行しましょう。まして小屋から先へは行くのは、難しいと思われます。
・西穂高一帯は国立公園に指定されているため、所定のテント場以外の場所にテントを張ることはできません。
● 新穂高ビジターセンター 「神宝乃湯」 臨時休業のお知らせ
新穂高ビジターセンター 神宝乃湯は、源泉パイプが雪崩により破損し源泉の供給がストップしており当分の間休業しています。
●新穂高ロープウェイ 運行状況、料金などはこちら http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html
お知らせ
・4月~6月の個室予約受付中。7月以降の個室予約は4月1日(火)より松本事務所のみで承ります。
・お越しになる前日に、山の状況や装備のご質問などを山荘にお問い合わせください。松本事務所 TEL0263-36-7052( オフシーズンは土・日・祭日を除く 9:30~16:00に営業 )
・冬の間は水源が無くなるため、水はミネラルウォーターのペットボトル販売(500mlで300円)のみとなります。
・携帯電話、スマートフォンの充電対応は山荘自家発電時のみとなります。20分間で100円。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所