西穂高岳 | 西穂山荘

徐々に雪庇も張り出してきているので、稜線を歩く際は、細心の注意が必要です。日中雪はザクザクで、朝晩表面が硬くなります。

積雪の様子(2014.04.21 西穂山荘 )
積雪の様子(2014.04.21 西穂山荘 )
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天気・気温

04/09(水) 晴れ。最低気温-2℃、最高気温+6℃。
松本市の天気予報
明日
曇のち雨
21℃
14℃
明後日
雨のち曇
23℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月5日 12:00発表
高山市の天気予報
明日
曇のち雨
20℃
13℃
明後日
雨のち曇
22℃
13℃
日本気象協会提供 2024年5月5日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

日曜日から降った雪で、月曜日の山は久しぶりに綺麗な雪化粧をまといました。
7日月曜日の朝方は-10℃を下回り、山荘周辺ではかなりの勢いで風が吹き強風のため引き返してくる登山者がいたほどでした。
日中は、太陽が顔を覗かせると気温も上がり、気持ちよく登山を楽しめる日も次第に増えてきました。
気温が上がると日中は、雪が腐ってザクザクの状態になり歩きにくいこともあります。
朝晩にまた冷えて雪面が硬くなります。登山道上の雪の状態が変化しやすい時期になってきました。

山荘周辺の積雪320cm
日の出05:30頃/日の入18:20頃

登山道の状況

徐々に雪庇も張り出してきているので、稜線を歩く際は、細心の注意が必要です。
まだこの時期は一晩に50~60cmの降雪があることもあります。
入山時には楽に登れても、山荘で一泊して、翌日帰る時に登山道の状況が一変しているといった事も珍しくはありません。どんな状況でも行動できるよう、ワカンやスノーシュー等、ラッセルへの備えもお忘れなく。

●ロープウェイ~山荘間
・ロープウェイからの登山道は、雪面が固く10本爪くらいのアイゼンがあったほうが登りやすそうです。気温が上がると雪面が融けて滑りやすくなります。下りでは特に注意しましょう。下山時にソリ遊びやシリセードで下山をされている方がいらっしゃいますが、そのあとは大変歩きにくくなります。立ち木や入山してくる登山者に接触する危険性もあります。ご注意ください。

●山荘~独標
・お花畑~独標間はルートが狭くなり岩場が続きますので、転倒や滑落に十分注意して歩いてください。またこのあたりからは信州側に雪庇が発達しています。安易にトレースを信じず、ルートを良く確認して行動してください。特に悪天候の際は、下山時にルートを間違えると大きな事故につながる可能性があります。
・丸山から独標へ向かう広い尾根は、多少日が射して視界が開けることもあれば、地吹雪で30mくらい先しか見えないこともあり、一般の登山者方が登ることはお勧めできる状況ではありません。
・山荘~丸山までは森林限界を超えるため、急に強い風が吹き始めます。防寒・暴風対策が必要です。丸山~お花畑までは尾根の幅が広く、滑落するような場所ではないため、アイゼンワークの練習をするには向いています。しかし、天気が悪く視界がきかないときは方向が分からなくなり、迷いやすくなりますので、悪天候時は決して無理をしないようにお願いします。

●独標~西穂山頂 
・西穂高岳山頂は、支稜線を覆う雪の量がこの一週間で明らかに増加しています。
・雪庇は長野県側に張り出す事を念頭に置き、踏み抜きに注意してやや岐阜県寄りを歩きます。
・冬期は独標まで登る場合も、冬山の十分な経験が必要です。降雪により雪や氷となっている場所がありますので、アイゼンやピッケルが必要で、それを使いこなせる技術が必要です。
・独標から先は更に厳しい場所ですので、冬山の上級者のみのコースとなります。

●山頂~奥穂方面
・西穂~奥穂間の縦走路は無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つで、冬期間に縦走する人はほとんどいません。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。

●焼岳方面
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは、積雪期は不明瞭で迷いやすくなります。ある程度雪がなくなるまで、通る人はほとんどいません。また、割谷山の飛騨側斜面を通過する際は、滑りやすいため注意が必要です。焼岳小屋から上高地間のルート上の梯子は冬期期間撤去してあります。

登山装備

・まだまだここは冬山です。冬山装備でお越しください。目だし帽(バラクラバ)、オーバー手袋、ワカンまたはスノーシュー、12本爪アイゼン(山荘までも8本以上が良いでしょう)、ピッケル(丸山までならストック)。
・日によって寒暖の差が激しいです。
・稜線に立つと、身体のバランスを保つのに気を遣うくらいの風が吹くことがあり、体感温度は実際の気温よりも大変低くなります。防寒・防風対策が必要です。

注意点

・4月に入ると、北極付近に溜まっていた寒気が南下し、今週の後半から週末あたりにかけて更に冷え込むことが予想されます。標高の高い場所では、気温の下がり方次第では凍結したところが青氷のようになり、アイゼンが効かなくなることもあります。昨年・一昨年と積雪量は4月に入ってからも増加していますので、まだまだ油断は禁物です。
・桜の開花もニュースで流れていますが、ここはまだ冬山です。寒気が来ると一気に真冬に逆戻りします。
・天気が良くても油断は禁物。日射が強く気温が上がれば、雪崩の起きやすい場所では午後になると湿雪表層雪崩発生の可能性も出てきます。冬山は他のシーズンにも増して、緊張感を保ち続けることが大切です。
・登山予定日の天候をよく確認して、無理をしないようにしましょう。
・新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
・雪山初心者は山荘まででも、冬山経験者と同行しましょう。まして小屋から先へは行くのは、難しいと思われます。
・西穂高一帯は国立公園に指定されているため、所定のテント場以外の場所にテントを張ることはできません。

● 新穂高ビジターセンター 「神宝乃湯」 臨時休業のお知らせ
新穂高ビジターセンター 神宝乃湯は、源泉パイプが雪崩により破損し源泉の供給がストップしており当分の間休業しています。

●新穂高ロープウェイ 運行状況、料金などはこちら http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html

お知らせ

・冬の西穂高岳を舞台に山の自然や気象・山荘の様子・信州大学の雪の研究等を取り上げた番組が、下記の日程で放送されます。
『 知るしん。』4月11日(金)19:30~19:55(NHK総合・長野)
・粟澤支配人が講師のイベントです。
・ICI石井スポーツイベント『山のお天気講座』
日時と場所:4月19日 (土) 松本店内、4月20日(日) 長野店内
時間:10:30~14:30、参加費:1,500円、募集人員:20名
申込み:ICI石井スポーツ松本店(0263-36-3039)
    ICI石井スポーツ長野店(0263-229-7739)
・座学版『やさしい山のお天気教室 』
5月下旬 ランドネ山大学(東京)<中級編>
6月7日(土)名古屋会場 <初級編>
6月14日(土)東京会場 <初級編>
6月15日(日)東京会場 <中級編>
・お越しになる前日に、山の状況や装備のご質問などを山荘にお問い合わせください。松本事務所 TEL0263-36-7052( オフシーズンは土・日・祭日を除く 9:30~16:00に営業 )
・冬の間は水源が無くなるため、水はミネラルウォーターのペットボトル販売(500mlで300円)のみとなります。
・携帯電話、スマートフォンの充電対応は山荘自家発電時のみとなります。20分間で100円。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。

昨年の今頃の様子は?

新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

西穂山荘

電話番号:
連絡先住所:
長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所

地図で見る
http://www.nishiho.com/

施設の詳細を見る

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 穂高連峰の南端にあり、さらに南へ続く稜線は焼岳に至る。東側は上高地の谷を隔てて霞沢岳と向かい合い、西側は蒲田川の新穂高温泉を挟んで笠ヶ岳がすばらしい。  標高は3000mを切っているが、岩稜、お花畑、ハイマツと、高山帯の要素がそろっているので、北アルプスの入門コースとして人気がある。  この山から奥穂高岳への岩稜は北アルプスでも最も難しいコースで、初縦走は大正元年(1912)、鵜殿正雄が行っている。同じ年、辻村伊助は『スウイス日記』の中で「神河内ならぬ上高地は不快な所である」とその俗化を嘆いている。とはいえ昭和45年(1970)に新穂高温泉から千石尾根にロープウェイが架かり、登山が容易になった現在の山の賑わいと比べようもあるまい。  昭和42年(1967)には西穂高岳・独標で松本深志高校の生徒11人が落雷遭難を起こしている。低くても登りやすくても、アルプスは危険と紙一重の山なのである。  千石尾根が主稜線に突き上げた森林限界に西穂山荘が建っている。  登山道は上高地から所要6時間30分。新穂高温泉からは、ロープウェイ終点から歩いて西穂山荘、独標経由所要3時間30分。

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