唐松岳 | 唐松岳頂上山荘

初雪です。厳しい冷え込みとなっています。防水性と保温性のある手袋や帽子は必携。保温に努めましょう。

錦繍の衣を纏う八方尾根と白馬山麓(2014.09.29 唐松岳頂上山荘 )
錦繍の衣を纏う八方尾根と白馬山麓(2014.09.29 唐松岳頂上山荘 )
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天気・気温

09/18(木) 午前中初雪。夕方快晴。
富山市の天気予報
明日
雨のち晴
16℃
9℃
明後日
25℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 0:00発表
松本市の天気予報
明日
雨のち晴
16℃
6℃
明後日
27℃
3℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

9月18日午前中、初雪が舞いました。積雪とはならず、夕方には快晴となりました 
初雪は05:00頃チラチラと舞い、一時止んだもの10:00頃に再び一時的に雪となりました。雪が止んでも冷え込みは厳しく、稜線の水はすべて凍結しています。

●紅葉
紅葉はきれいに発色してます。
八方尾根で今見応えがある所は、標高の低い下の樺、八方池周辺です。
逆にまだこれから色づくのが中間部の丸山から下の部分です。
標高の低い八方池が、標高の高い丸山の下の部分より先に色づくのは不思議に感じられるかもしれませんが、冷たい風の通り道にあたるためだと思われます。まだまだ楽しめる八方尾根の紅葉です。

●厳しい冷え込み
この時期の雨は、着氷、氷雨などと表現され雨っぽいけれど物に付着したとたんに、たちまち氷のフィルムになります。
加えて稜線で風が吹くと、急激に体温を奪われるので注意が必要です。

今日は、八方尾根をボッカに出た時、試しに雨合羽の下は薄手のシャツ一枚で過ごしてみました。
ボッカ中の外気温は低いのですが、動くとやはり汗を掻きます。これが休憩に入ったとたんに冷え始め、みるみる体温を奪ってゆくのを体験しました。
衣類はもう夏用では対応できません。アンダーシャツも汗を吸ったあと放熱するような夏用の機能のものは、もう着用する時期ではないということです。ミドルレイヤーも暖かい衣類を着用する必要があるでしょう。その上に風を防ぐシェルや雨具を着ることが一番良いと感じました。
雨具の下にTシャツ一枚という状態では、低体温症を避けられません。低体温症に陥ると、正常な判断力が失われ、暖かい衣類を持っていても、それを着るという判断ができなくなり、重大な危機に陥ることがあります。
手や耳、頭といった末端部分からの放熱も相当なものです。手袋や帽子、マフラーで保温につとめましょう。特に手指が冷たくなると鎖を握ることができなくなり危険です。手袋は防寒だけでなく防水もしっかりしていれば尚良いです。

●クマ目撃情報
八方尾根でもクマ除けベル、鈴、音などで熊との遭遇を避けて下さい。
早朝~08:30と夕方の時間帯は、特にご注意ください。
9/12 八方尾根に親子熊が現れました。ご注意ください。食品・果物の皮・生ゴミを登山道周辺に捨てないようお願い致します。
9/16 08:00頃 下の樺上部と扇の雪渓下の中間地点で親子熊が木イチゴを食べていました。

●今見られる高山植物
・唐松岳頂上山荘周辺  トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ 、オヤマリンドウ、カライトソウ、タカネヤハズハハコ、ハハコヨモギ、ミヤマ アキノキリンソウ アキノキリンソウ チングルマ チングルマ の果穂、 ハクサンフウロ ハクサンフウロ 、タテヤマアザミ、タカネヨモギ、ミヤマコゴメグサ、ミヤマホツヅジが咲いています。
・八方尾根 タカネニガナ、クロトウヒレン、カライトソウ、ミヤマコゴメグサ、ワレモコウ、 ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ 、ハクサンシャジン、 マツムシソウ マツムシソウ 、タテヤマアザミ、アカバナ シモツケソウ シモツケソウ 、タテヤマ ウツボグサ ウツボグサ ウメバチソウ ウメバチソウ 、ミヤマホツツジ、 クガイソウ クガイソウ 、タカネイブキボウフウ、ミヤマトウキ、ミヤマ シシウド シシウド 、マルバダケブキ、ヤマ ホタルブクロ ホタルブクロ

登山道の状況

主な登山道に、通行の支障があるという連絡はありません。
初雪となりましたが、まだ根雪にはならないと思います。
しかし降雪中にうっすらと雪が積もると、登山道を見失いがちになります。
赤いペンキのマークや指導標、指導ロープなどをしっかり見つけて下さい。足跡と違った印があれば、印が正しいルートです。
万一ルートを見失った時には、元の場所へ戻ることです。無理は禁物です。
八方尾根のように、普段なら大変明瞭なルートでも、降雪中でうっすらと雪が積もった状態の時が、一番道を見失うケースです。唐松~五竜のルートではさらに正しいルートをしっかりと見極める必要があります。

●八方尾根 
すべて夏道です。登山道に支障はありません。蛇紋岩の部分は濡れているとすべりやすいので注意。、
※八方尾根ゴンドラリフトについてはこちら http://www.happo-one.jp/

●山荘~唐松岳山頂 支障ありません。

●五竜方面
鎖場があります。注意して登山しましょう。
降雪中は特にルートを見失いがちです。赤ペンキ、印など見落とさないようにルートファイティングをして下さい。
五竜山荘、唐松山荘両サイドで最新情報を得て入ることをオススメします。
五竜山荘についてはこちら http://www.hakuba-sanso.co.jp/goryusanso/
遠見尾根のテレキャビンについてはこちら http://www.

●不帰方面
山荘受付にて必ず登山道の最新情報確認をお願い致します。
不帰キレットは降雪して着氷した後、北斜面では融けずに長く残ってツルツルになっていることがあります。くれぐれも足元に注意して下さい。
※天狗山荘の営業は9/23までの予定です。詳しくはこちら http://vill.hakuba.nagano.jp/green/tozan_trekking/yamagoya.html

●富山県黒部側 祖母谷、欅平方面
ルート整備は入っていますが、非常に長いルートで、タイムアウトする方もあります。このルートに入る前には、必ず山荘受付にて登山道状況のご確認をお願い致します。
9/10の状況はこちらにあります。http://karamatsu.jp/photos2013_4.html#唐松→祖母谷線ルート

登山装備

3000m級山岳で雪やみぞれを想定した装備が必要です。
まだ根雪にはならないと思います。アイゼンよりも、今は防寒の必要性が大きいです(アイゼンが全く不要ということではありません)。
・充分な装備、雨対策も含めた防寒対策で登山をお願い致します。
・気温低下しており、保温性と防水性のある手袋や暖かい帽子は必携です。特に手がかじかんで鎖が握れなくなります。
・行動中にも、重ね着用の衣類などで調整しましょう。
・テルモスに温かい飲み物を用意しておきましょう。
・晴れれば日焼け止めやサングラスも必要です。

注意点

●「汗冷え」について
この時期、行動中の身体は「汗冷え」の状態になります。
休憩直後に急激に身体を冷やすことのないよう、早めの防寒をお願い致します。
・「汗冷え」を軽減するために行動中は温かい飲み物で冷え対策をしましょう。保温水筒(テルモス)に温かいお茶をご用意下さい。冷たい水よりもずっと身体の負担が軽いです。

●この時期の注意
・天候の急変に充分注意しましょう。山では早出早着が基本です。
・充分な装備・雨対策も含めた防寒対策で登山をお願い致します。行動中にも、重ね着用の衣類などで調整しましょう。
休憩直後に急激に身体を冷やすことのないよう、早めの防寒をお願い致します。
・雨の時や、寒い的でも、運動量に対する飲む量が少なければ、脱水になります。運動量に応じこまめな水分補給を心がけましょう。気温が低下とともに、摂取水分不足による体調不良を見かけます。
・宿泊予定はもちろん、周辺の山小屋の営業最終日は必ず確認しましょう。
※天狗山荘は9/23まで、五竜山荘は10/18までの営業予定です。

●テント場の融雪水が取れません。
唐松岳南斜面の残雪は解けて小さくなりました。テント場では融雪水が取れません。水は山荘にてご購入下さい。

●天候と気温
・稜線に建つ唐松岳頂上山荘の所在は、富山県黒部市です。天気予報は、富山県黒部市周辺の天候も参考になります。
・唐松岳頂上山荘周辺、稜線のおよその気温は、富山県黒部市周辺平地の気温から16℃を引いた気温とだいたい同じです。
・インターネット、テレビなど複数のメディアで異なる予報が出ている時には、天候が変わりやすい装備です。どの天候でも対応できる装備をすると安心です。

●八方池までの林道やリフトなどアプローチの情報
・黒菱林道 舗装工事は9/9に終了しました。通行に支障ありません。
・黒菱第3ペアリフトは運行中。http://www.happo-one.jp/green/trekking/kurobishi.html

●白馬八方温泉情報
http://www.shinshuu-hakuba.com/onsen/
・第一の湯(八方バスターミナル前)閉館中。
12月に新しくオープン予定。工事期間中の公共浴場は第二郷の湯、みみずくの湯、おびなたの湯、北尾根の湯をご利用ください。
・「北尾根の湯」
白馬八方尾根スキー場の中腹、北尾根エリアに新たにできた八方温泉絶景露天風呂です。
http://www.happo-one.jp/news/2014/08/post-93.html

お知らせ

2014年の営業期間は、4月26日(土)~10月19日(日)です。
ご予約・お問合せ等の電話は18:00~20:00までの間が比較的繋がりやすい時間帯です。

※山荘直通のお電話が繋がらずに皆様に大変ご迷惑をお掛け致しております。 誠に申し訳御座いません。
終日多くのお電話を頂戴致しておりまして、お電話の集中するお時間帯には、回線が不通状態となっております。唐松岳頂上山荘では、ご予約を頂かなくてもご来山当日にお泊まりいただけます。

・喫茶「メレーズ」
山荘2階にある喫茶「メレーズ」。立山剱を真正面にお飲み物などをお楽しみ下さい。わき上がる雲海を肴に飲む生ビールは格別です。9月23日頃まで営業予定です(状況により営業できないこともあります)。

昨年の今頃の様子は?

2023年のGWは4/27~5/6迄営業(要予約)。前爪のあるアイゼン、ピッケルなど雪山登山装備が必要2023.04.27

2023年の夏山営業は7/1~10/21。利用には予約が必要。予約は6月中旬から受付予定2023.05.11

2023年の夏季営業は6/24(土)泊~(テントは7/1~)。利用には予約が必要。予約は一ヶ月前から受付2023.05.24

営業は6/24(土)泊~(テントは7/1~)。7/11以降の予約は6/11からWEBほかで受付。7/10まではHP参照2023.06.08

唐松岳頂上山荘周辺の過去の様子

  • (みんなの登山記録 akira さんの投稿から)
  • 山荘裏山より剣岳、立山連峰の眺望
  • 氷点下の寒い朝。快晴の稜線は真っ白な雪に覆われています。
積雪は少なく吹溜りで20㎝ほど。信州側は雲海、雲が切れて時折山麓が見えます
  • 朝の静かな稜線です。遥か遠くに富士山のシルエットが見えました。八ヶ岳の連山と富士山の遠望です
  • 立山連峰と剱岳。稜線のタカネナナカマドは落葉し、枝先に残る赤い葉もわずかとなりました
  • 快晴 唐松岳山頂より山荘方面 
  • 気温1℃と寒い朝を迎えました。 霜柱がたち氷がはっています。
  • ウラシマツツジの草紅葉と唐松岳
  • 牛首登山道より ウラシマツツジと山荘
  • 秋色の稜線と唐松岳
  • 山荘周辺に生息するライチョウ 春はまれたヒナたちがそろそろ親離れの時期を迎えています
  • 雲海と日の出

唐松岳頂上山荘

電話番号:
090-5204-7876
連絡先住所:
長野県北安曇郡白馬村北城6336

地図で見る
http://karamatsu.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

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唐松岳 標高 2,696m

 後立山連峰のほぼ中央に位置するが、地味な存在である。ピラミッド型をしたこの山が大きく美しく見えるのは、主稜線の大黒岳付近からである。  主稜線を振り分けに、長野・富山両県からそれぞれ1本ずつの登山道が通じている。東からの八方尾根は、山岳スキー場として知られるが、途中の八方池は不帰ノ嶮を間近に仰ぐ憩いの場である(八方集落よりリフトなど利用して所要4時間)。西からの南越(なんこし)の道は、黒部渓谷からのもので、難路であったが、昭和61年、大黒鉱山跡まで尾根上をたどる新道に切り替えられた(祖母谷温泉より所要9時間)。  唐松岳北方の主稜線は、両側面からの浸食によって険しいやせ尾根となって、不帰ノ嶮と呼ばれている。ここは白馬岳からの縦走では、電気回路における抵抗のような存在となっているのである。南方への稜線はすぐに牛首岳を起こすが、ここも険路である。  八方尾根と主稜線とのジャンクションをなす小突起の西側に、抱かれるようにして唐松岳頂上山荘が建っている。間に深い黒部の谷を挟んで望む、ここからの剱岳の眺めは、後立山八景の1つに数えられよう。

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 後立山連峰北部にあり、白馬三山の一峰。白馬岳または唐松岳方面から主稜線を縦走する際に踏まれることが多く、頂は広いザクに覆われ、眺望はすこぶるよい。  頂から信州側に、南・北2つの大きな岩稜を相似形に派生させ、それがこの山の姿を形造っている。  登山道は、東山麓の猿倉から鑓温泉を経るものが鑓ヶ岳の南鞍部に通じている(猿倉より所要7時間30分)。この登路になる東山腹は、登山最盛期近くまで大雪田を残し、融雪後は一面のザクとなる氷河地形を残す大斜面で、圏谷底にあたる大出原(おいでつばら)は、シナノキンバイなどの群落に彩られている。西面の中背尾根の道は廃道になって久しく、越中側からの登路はない。南へ主稜線をたどると天狗池で、池畔には天狗山荘が建つ。構造土の広がる天狗山稜を漫歩すれば、天狗ノ大下りを経て不帰(かえらず)キレットに達する。  なお、この山の東山腹、大出原の下部にある鑓温泉は標高2100mもの高さにある、わが国でも最高所にある温泉の1つ。鑓温泉小屋の背後の岩間から大量の湯が湧き出しており、泉質は含食塩土類硫化水素泉。慢性関節炎、糖尿病、神経痛、皮膚病などに効能があるという。

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 後立山連峰の中央部にあり、雄大な山容をもち、鹿島槍ヶ岳とともにこの連峰の重鎮的存在である。この山の景観が優れているのは、東麓からの唯一の登路である遠見(とおみ)尾根からのものである(神城駅からテレキャビンを利用して所要6時間)。尾根の名称の起こりである、いくつものタワミ(遠見)の上下を繰り返す、きついアルバイトを打ち消して余りあるのが、五竜岳東面と鹿島槍ヶ岳北壁の豪壮な眺めである。五竜岳東面は、いくつものバリエーション・ルートをもっているが、その1つ、G2稜の上部に顕著な武田菱に似た岩が見られ、この山の名の由来となっている。この地を支配していた武田の紋所「武田の御菱(ごりよう)」からきたもので、菱(ひし)は岩の方言でもある。また「後立(ごりゆう)山」の音読みから「五竜」となったという説もある。  五竜岳北隣の白岳(しらたけ)は、初雪のころ真っ白な姿を見せるのでこう呼ばれたが、その南側には主稜と遠見尾根に挟まれた、白岳沢のカールが広がっている。五竜岳から鹿島槍ヶ岳にかけての主稜線は、八峰(はちみね)の稜線と呼ばれる鋸歯状の突起を連ね、東面足下のカクネ里や、黒部峡谷を距てた剱岳の眺めとともに、縦走の醍醐味が味わえる所でもある。

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