積雪が多く山荘付近で約320cm。先週末から気温上昇し雪崩れに注意。雪質は日中は春雪、朝は凍結に注意。
天気・気温
山と周辺の状況
先週末は、暖かく春の様な気温で雪面は緩みグズグズになりました。朝方冷えて凍ると大変滑りやすくなり注意が必要になってきています。
昨日は、晴れ時々雪の天候。山荘付近は320cmほどの積雪があります。気温は最低気温が+1℃、最高気温+6℃と高く、晴れ間もあったためとても暖かい一日でした。しかし朝から風は強くじっとしていると寒さを感じました。
今日も気温が高く、早朝から気温が+1℃とプラスになるほどの暖かさです。
軽い雪なら除雪機で遠くに飛ばせるのですが、今日の雪はシャーベット状で重く、除雪機で飛ばしてもいつもの半分ほどしか飛びませんでした。
今回のように日本海を低気圧が進む場合、南から暖かい空気が流入して、今日のように気温が急上昇することがしばしば見られます。
しかし、低気圧から伸びる寒冷前線が通過した後は、今度は寒気が流れ込んで急激に寒くなります。この気温と天候の変化が、これまでにも多くの気象遭難事故をもたらしていますので、今回のような低気圧は注意しなければなりません。
●この時期の自然
今の時期は山荘前からご来光が拝めます。
日照 日の出06時31頃 日の入17時42頃
登山道の状況
●概況
・この冬はこれまでのところ積雪量が多めになっていますので、これまで大丈夫だったからと過信するのではなく、その時の気象状況や雪の状況を慎重に判断し、雪崩のリスクを回避するよう心掛けていただきたいと思います。
・急激な気温上昇は雪庇の崩壊に伴うブロック雪崩や全層雪崩を引き起こすことがあります。
・登山道のトレース(踏み跡)は、一晩雪が降り続けば消えてしまいます。ロープウェイから山荘までのルートは、竹の棒に赤布をつけた目印を付けてありますので、明瞭になっていますが、降雪直後はワカンまたはスノーシューが必要となります。また雪面が硬いときはアイゼンを装着することになりますので、雪の状況に適した装備を使用することが求められます。
・多量の降雪直後や、日中の気温が上がったときは雪崩にも警戒が必要です。山荘で管理しているルート上ではまずないと思われますが、自然が相手ですので絶対はありません。人為的に発生させてしまう場合もありますので、不用意にルートを外れて歩かないようにしてください。
●ポイント
・ロープウェイ側登山道は冬用のルートに移行しています。竹で目印をつけていますが、多量の降雪があると分かりにくくなる箇所もあるかもしれません。
雪崩を誘発する可能性も無いとは言えないので、不用意にルートを外れて歩かないでください。降雪後は大変なラッセルになることがありますので、ワカンやスノーシューもお持ちください。
・上高地側登山道は、積雪が多くなると登山道が不明瞭になります。今の時期はほとんど登山者がいないので、トレースは期待できません。また焼岳小屋~上高地のルートは、現在梯子が撤去されているため来春まで通る事が出来ません。
・山荘~丸山までは特に危険な個所はありませんが、森林限界を超えるため非常に風が強くなります。防風・防寒対策をしっかりとしましょう。
・丸山~お花畑までは、広い尾根の登りが続きます。吹雪でホワイトアウトになるとルートを見失いやすく危険です。悪天候時には無理をせず、慎重に行動していただくようにお願い致します。
・お花畑~独標間はルートが狭くなり岩場が続きますので、転倒や滑落に注意して歩いてください。また信州側に雪庇も発達してきますので、ルートは慎重に選んでください。
・独標~西穂山頂まではやせ尾根が続く上級者向けのコースです。厳冬期はさらに難しく、相応の経験・技術・体力が必要になります。安易に立ち入らないようにしましょう。
・西穂~奥穂間の縦走路は無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つです。厳冬期に行く登山者はまずいません。
登山装備
厳冬期雪山装備が必携です。アイゼンピッケルはもちろん必携。
・稜線に出ると風が強く、体感温度は実際の気温よりもかなり低くなります。防寒・防風対策が必要です。手袋や帽子等の防寒具をお持ちください。
注意点
●新穂高ロープウェイ
第1ロープウェイでゴンドラが損傷するトラブルが発生し、全面運休しておりましたが、1/31(土)より、第2ロープウェイのみ運転再開。
詳細は新穂高ロープウェイのホームページ等でご確認ください。
http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html
・新穂高ロープウェイ 電話0578-89-2252
・第1ロープウェイは暫く運休が続く見込みですので、第1ロープウェイ・新穂高温泉駅からしらかば平駅(鍋平駐車場)までは代替輸送バスが運行されます。自家用車でもスタッドレスタイヤかタイヤチェーンを装着している方は鍋平駐車場まで乗り入れが可能ですが、こちらも詳細はロープウェイにお問い合わせください。
※新穂高ロープウェイは、風速15m以上の風が吹くと運転を見合わせることがあります。冬型の気圧配置になるとその可能性も高まってきます。運行情報にはご注意ください。
●【お知らせ】
・登山届の提出が義務化されました。
「岐阜県北アルプス地区における山岳遭難の防止に関する条例」が制定され、平成26年12月1日より登山届の提出が義務化されました。
山岳遭難防止条例 http://www.pref.gifu.lg.jp/bosai-bohan/sangaku/jourei.html
●登山の注意
・この時期は日が落ちるのがかなり早くなっています。早め早めの行動を意識し、山荘にもあまり遅くならないように到着してください。
・これからの時期は気象状況によっては気温の上がる日もありますが、基本的には北アルプスはまだまだ冬という認識でお越しください。
●【携帯電話情報】
・ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がるようになりました。稜線でも大抵の場所で繋がります。
・auは山荘付近・稜線ともに繋がります。
・ソフトバンクは昨年より山荘西面なら繋がるようになりました。
お知らせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
http://www.nishiho.com/
・寝具は布団・毛布・枕を御用意していますので、シュラフは不要です。
・山荘に御宿泊のお客様も飲料水はペットボトルの販売のみとなります。
・消灯は21時です。
・お風呂はありません。
・別館レストハウスではお土産品のほか、お食事やお飲み物を販売致しております。
・高山ラーメンの生麺を使用した名物の西穂ラーメンは大好評です。 ぜひ、ご賞味ください!
・信州の地酒の他、限定の地酒も各種ご用意しております。飲み比べてみてください。
●山荘現地へのお問い合わせ
現地の電話は暫く不通となっておりましたが、携帯電話の回線が新たに開設いたしました。山荘現地へのお問い合わせは 080-6996-2455 へおかけ下さい。
なお、ご予約は松本事務所 電話0263-36-7052 へお願い致します。
●個室予約
・3月までの個室予約は、現在受付を行っております
・4月以降は下記の日程で受け付けを開始致します。
部屋数に限りはございますが、ご希望のお客様はどうぞご利用ください。
(1)4月~6月の個室予約 3/2(月)より
(2)7月以降の個室予約 4/1(水)より
※個室のご予約は松本事務所のみで承ります。現地の電話ではお受けできませんので御注意下さい。松本事務所 TEL0263-36-7052 (オフシーズンは土・日・祭日を除く9:30~16:00営業 )
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所