爆弾低気圧により強風と降雪で南沢のトレース消え、地蔵尾根や硫黄岳方面も消えた個所あり。現在の阿弥陀岳一般ルートは、冬山上級者向け。
天気・気温
山と周辺の状況
昨日、新雪が20~30cm降り、小屋周辺の積雪は150cmほどあります。
先週末は気温が上昇し、朝+3℃、日中+8℃まで上がり、その後大寒波が押し寄せ、-5℃まで下がりました。
3月に入り、町は春の様相ですが、山の上はまだ冬山。
先月よりも寒暖の差が著しくなり、南岸低気圧の影響で湿雪が降り積もりやすくなるという八ヶ岳特有の気象状況があります。
登山道の状況
・過日、阿弥陀岳でまたもや滑落事故がありました。
現在の阿弥陀岳への一般ルート状況は、冬山上級者向けです。
基本的なアイゼン・ピッケルワークが出来ないと登頂することも下山することもかなり困難です。
・先月、硫黄岳へ登った際にもストック・アイゼン無しという常識では考えられない装備で登頂している登山者がいましたが、装備は必携です。
・この雪と強風で南沢のトレースは消えました。地蔵尾根や硫黄岳方面のトレースも雪と強風で消えた個所があると思われます。
・山岳ガイドの方から情報提供をいただいた3月8日現在の「ジョウゴ沢」の様子です。
F1 雪に埋まっていて登攀不可能。
F2 下部の氷は薄く、氷の表面に雪が付いていて状況が悪いです。
乙女の滝 つらら状になっていて、難易度が高いです。初中級者にはオススメしません。
ナイアガラ 下部は雪に埋まっていますが、4m弱は出ているので登攀可能です。
・美濃戸口~赤岳山荘
林道状況は、所々高さ3cm弱のわだちがあり、気温上昇のため雪が緩み、滑りやすくなっていましたが、今はそれが凸凹の状態で凍結していると思われます。
引き続き4WD、スタッドレスタイヤ、金属チェーンが必須な状況です。
登山装備
・防寒着、帽子、手袋などしっかりしたものをお忘れなく。ヘッドランプ、地図も必携です。
・鉱泉までなら6本爪とストックで大丈夫ですが、さらに上を目指す方は前爪のあるアイゼンとピッケル必携。
・車でお越しの方は、4WD×スタッドレスタイヤ×タイヤチェーンは必須です。
・アイスクライミングをされる方は、事前に装備が必要です。
注意点
・ニュースで報道されているように、8日(日)~9日(月)にかけて、阿弥陀岳で滑落事故がありました。
赤岳鉱泉の柳沢氏も長野県警察山岳救助隊と諏訪遭対協の救助捜索活動に同行しました。
滑落現場は立場沢側に切れ落ちた200m超の断崖絶壁で、9日(月)早朝は15m超の強風が吹き荒れる吹雪という過酷な状況でした。
現在の阿弥陀岳への一般ルート状況は、冬山上級者向けです。
基本的なアイゼン・ピッケルワークが出来ないと登頂することも下山することもかなり困難です。
先月、硫黄岳へ登った際にもストック・アイゼン無しという常識では考えられない装備で登頂している登山者の方がいらっしゃいました。阿弥陀岳では、先月に同じ立場沢側で死亡事故が起きたばかりだったので、奇跡的に生きていて無事に救助され、本当に良かったと思います。
・現在の阿弥陀岳への一般ルート状況は、冬山上級者向け。基本的なアイゼン・ピッケルワークが出来ないと登頂することも下山することもかなり困難です。
・良識のある冬山装備、自分の技量に合ったコース選択、行動計画を個々の登山者が考えましょう。救助捜索活動をしている方々も当たり前ですが、命がけです。遊びだからこそ、もっと慎重に安全に。「家に帰るまでが登山」です!
お知らせ
・行者小屋は3月までの週末のみ行者小屋を営業しています!
ご予約の際は、行者小屋の営業中090-4740-3808(行者小屋直通電話)、営業日以外090-4824-9986(赤岳鉱泉直通電話)
までお願いいたします!
自炊スペースが赤岳鉱泉より広いので、素泊まりの方には特におすすめです。
・アイスキャンディのイベントは終了しましたが、アイスキャンディは3月いっぱい利用は可能です。
赤岳鉱泉周辺の過去の様子
赤岳鉱泉
- 現地連絡先:
- 0266-62-8100
- 電話番号:
- 090-4824-9986
- 連絡先住所:
- 長野県諏訪郡富士見町落合桜ヶ丘10716