鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

朝夕晴れ、日中からガスの典型的な夏のお天気です。午後は雷雨に注意。夏の花は盛況、秋の花も咲き始めました。

台風通過後  朝方の絶好の天候回復(2015.08.26 冷池山荘 )
台風通過後  朝方の絶好の天候回復(2015.08.26 冷池山荘 )
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天気・気温

富山市の天気予報
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日本気象協会提供 2024年4月29日 6:00発表
松本市の天気予報
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曇一時雨
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日本気象協会提供 2024年4月29日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

好天続きの鹿島槍ヶ岳周辺です。朝夕は晴れ渡り、日中は信州側から沸き立つガスにおおわれやすいといった典型的な夏のお天気です。
一昨日は新越山荘周辺で夕立があっただけで、ここ数日来そうで来なかった雷雨ですが、今日は午後1時ごろから3時ごろまで、雷を伴った強烈な雷雨に見舞われました。
新越方面は、少し降ヒョウがあった程度だったようですが、爺ヶ岳から鹿島槍にかけては、50ミリ近いまとまった雷雨になりました。幸いどの山荘も、ご予約のお客様は到着されたようで、一安心です。

●花
・昨年はまったく咲かなかった コバイケイソウ コバイケイソウ はたくさん咲いてくれましたが、盛りは過ぎようとしています。
・主稜線では チングルマ チングルマ コマクサ コマクサ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲ シナノキンバイ シナノキンバイソウ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ などの夏をいろどるお花たちが、盛りをむかえようとしています。また盛夏を彩る ハクサンフウロ ハクサンフウロ ウサギギク ウサギギク クルマユリ クルマユリ なども咲きだしています。ほかにも息の長い初秋の花ミヤマ アキノキリンソウ アキノキリンソウ やミヤマ トリカブト ヤマトリカブト トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ などもどんどん咲きだしています。

登山道の状況

●柏原新道では、例年遅くまで残るガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石にも注意して慎重かつサッと通過してください。

●鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。残雪の心配もありません。

●鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、お客さま情報では特に支障はないようです。また鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

●針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。針ノ木小屋直下の急登は雪融けすすみ、すでに夏道 を通行できるようになっています。大沢小屋から夏道を30分ほど登ったあたりから針ノ木小屋方面の約1キロ間は、まだほとんど雪の上を歩きますので、不安な方は軽アイゼン、ピッケル等お持ちになってください。針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時には、慣れない方は軽アイゼンを使って下りたほうが安心安全です。中間帯の「ノド」付近は、やや勾配がありますので気をつけてください。8月中は、徐々に距離が短くなっていきますが、雪渓が残ります。

●アプローチ
・大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。

登山装備

3000m級の夏山登山装備が基本です。

注意点

●鹿島槍ヶ岳周辺もこのところ午後は、連日のように積乱雲が沸き立ち、遠くから雷の音が聞こえてくる日が多くなってきていますので、ご自信の五感と気象情報をはたらかせて、備えていただきたいと思います。
とにかく早出早着を大前提に、ご自身の目と耳でしっかりとチェックしていただきたく思います。

●インターネット等に発表される個人の山行記録には、早走りや、早歩き、強引な日帰りを自慢したり誇張したものが多々あります。 またそういったものに悪い意味で触発されて、強引なコース設定の方が目立つ昨今です。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

●近年、種池山荘から午後4時過ぎに小さな子供を連れて下山する日帰りグループが見受けられます。子供は疲れきっていて、途中からはぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。これは子供連れパーティに限ったことでありません。一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶な日程、コースの日帰りの人が多いことです。

●過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

●夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。

●とっても大切なお知らせ「駐車スペースについて」
2015~2016年の2シーズンにわたり、柏原新道登山口にある扇沢鉄橋の前後の駐車スペースが、扇沢橋の下部にある砂防ダムの補強工事のための資材置き場等に使用されるため、今年のゴールデンウィーク以降、使用できません。駐車車輌は昨年秋に拡張して利用できるようになった、登山口から200mほど扇沢駅寄りの大町市営扇沢第二駐車場および、扇沢駅の各種駐車場、それに扇沢橋より200mほど大町寄りに戻った、洞門と洞門のあいだの駐車スペースをご利用ください。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。なお登山口周辺をはじめ、路上駐車、道路へのはみだし駐車等は絶対にしないようお願いいたします。

以下を参考にして下さい。
扇沢登山口周辺案内図(柏原新道登山口の周辺図)
http://www.kasimayari.jp/ougisawa%202015%20parakinng%20pg.jpg

●いろいろな交通機関を利用できる便利なアプローチ
http://www.kasimayari.jp/bus.zikokuhyou.htm

・扇沢駅~長野駅間の直通特急バス
※長野新幹線と併せて利用すれば帰路が便利になります。 
特急バス運行お問い合わせ アルピコ交通(代)026-254-6000
運行期間 4月16日~11月30日
運賃  片道2600円 往復4200円(7日間有効)絶対お得!
のりば 扇沢駅 長野駅東口(25番乗り場) 

・毎日アルペン号など 登山バス

・JR信濃大町駅~扇沢駅 路線バス
※柏原新道登山口は、扇沢駅から徒歩15分ほど大町側へ徒歩で戻ります。
運行期間 4月16日~11月30日
運賃 片道1360円 往復2500円
(扇沢線バス案内)北アルプス交通(電話0261-22-0799 07:00~18:30) アルピコ交通(電話0261-72-3155 06:30~20:00)

お知らせ

冷池山荘と種池山荘 営業中
入山の際には、必ず当小屋HPなどで状況を確認ください。
小屋の混雑状況も確認できます。
冷池山荘HP http://www.kasimayari.jp/index.htm

●系列営業予定
・新越山荘 7/1~9月下旬
・種池山荘 6/11~10月中旬
・冷池山荘 6/11~10月中旬

●お盆の期間中(8/10~16)は三つの山荘(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)とも、それほど混みあいません。
現在の予約状況でも冷池山荘の8/10と種池山荘の8/13の60人様が最高です。30年以上前には猛烈に混みあったお盆シリーズも、近年はまったく混みあいません。ただ来年からの「山の日」実施のあかつきには、昔のように、お盆がまた混み合うようになるかもしれません。お盆に関しては今年が最後の穴場かもしれません。

・冷池山荘はお盆前の8/9ごろまでは、やや込み合うぐらいで、ゆるやかな入り込みが続きます。その中では、唯一混み合うであろう8/8(土)は定員近くまでいくかもしれません。
・種池山荘は、平均的な入り込みでさほど混まないものと思われます。その中では8/8(土)がやや混み合いそうな感じです。
・新越山荘は、8/8(土)の週末を含めて、現状ではご予約は少ないです。ごゆっくりできますので、ぜひお出かけ下さい。
・夏休み後の、種池山荘中学校登山は8/25(火)と8/26(水)に110名様ほどの宿泊があります。

※申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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