先週末から新雪ほぼなし。美濃林道は凍結多い。堰堤広場~鉱泉は凍結あるも良好。技術と経験に応じた厳冬期登山を。赤岳天望荘お休み注意。
天気・気温
山と周辺の状況
南八ヶ岳では、今週の先週末から新雪はほとんど増えていません。
20日(火)で赤岳天望荘が小屋閉めをしたことにより、稜線でのエスケープ箇所が無くなりました。
街は春の訪れが近づいていますが、山はまだまだ寒さの厳しい冬です。
ご自身の技術と経験に見合った、余裕のある冬山登山計画をよろしくお願いいたします。
●赤岳鉱泉の天候 気温 積雪
2/23 晴 06:00 -15℃
(赤岳鉱泉)
2/22 晴 11:00の気温-10℃ 最低気温-17℃ 最高気温-11℃ 積雪140㎝
2/20 晴。最低気温-12℃ 最高気温-5℃ 積雪140㎝
2/18 晴。無風 最低気温-14℃ 最高気温-8℃ 積雪140㎝
2/17 吹雪と強風。
●人工氷壁「アイスキャンディー」営業中 氷結状況は良好です。
※飲酒後の利用はできません。
●美濃戸林道の状況。
林道全体では圧雪されて走りやすい道になっていますが、一部凍結している個所があります。
林道に車で入られる方は四駆車のスタッドレスタイヤにチェーンを携帯してお入りください。
●美濃戸林道の待避所は駐車禁止です。
美濃戸林道の待避所に車両を駐車する方が年々多くなっていて問題視をしています。
当たり前ですが、待避所は駐車場ではありません。
狭い林道でも車両が安全にすれ違えるように設けた場所です。
実際に、待避所に違法駐車をした車両が待避所を塞いでいて、その為に車両がすれ違えず、車両を落としてJAFを呼んだという事案が発生しています。
車両を駐車する場合は、
・八ヶ岳山荘
・やまのこ村
・赤岳山荘
の駐車場がある場所にちゃんと駐車をしましょう。
とても重要なことになりますので、皆さまの情報拡散をよろしくお願いいたします。
登山道の状況
まとまった降雪はなく、鉱泉への往来や鉱泉から硫黄岳や赤岳に登る登山者もコンスタントにある状況です。
先週からのトレースが概ね残っています。
踏まれて圧雪状態になっているところもあります。
【南八ヶ岳最新林道情報です】
◎美濃戸口~赤岳山荘
・積雪0㎝~5㎝
林道状況は悪いです。
積雪が減っている、又は積雪が無い箇所がありますが、凍結箇所が増えました。
スケートリンクに近い凍結状況です。
美濃戸口から赤岳山荘まで
車で入る方は、4輪駆動車にスタッドレスタイヤの装着が必須です。
美濃戸口の看板に掲示してありますが、金属製のタイヤチェーンを4本装着を推奨、最低でも2本を必ず装着してください。
歩く方は、チェーンアイゼンの装着を推奨します。
※タイヤチェーンを装着しないで赤岳山荘まで入っている車が登山者をひきそうになっている事案も発生
登山者の方は車の動向に十分注意してください!
スケートリンクに近い凍結状況です。
◎赤岳山荘~堰堤広場
・積雪15㎝~35㎝
林道状況は歩きやすいです。
しかしながら、山の神下がスケートリンクのように凍結しているので、歩く際に注意が必要です。一般車両は進入不可。
◎堰堤広場~赤岳鉱泉
・積雪40㎝~140㎝
登山道状況は良好で、歩きやすいです。
しかしながら、雪の少ない箇所があるので、アイゼンの引っかけや転倒に注意が必要です。
◎赤岳鉱泉
・積雪60㎝~140㎝
◎赤岳鉱泉より上は厳冬期冬山登山に準ずる装備が必要です。
雪崩が発生したという状況は現在入っていませんが、注意は必要です。
●アイスクライミング情報
・「南沢大滝」情報。「現在上級者向けコンディション」2/17山岳ガイドさんからの情報提供
氷結は良好ですが、足場の不安定な垂直箇所が続きます。階段状にはなっていません。
ラインを三本取れます。
真ん中のラインが一番難しいです。
一度溶けてから再凍結した感じで、氷表面の凹凸がリセットされて氷が乾燥しているために、氷表面が割れやすいです。
全体的に氷が硬くて脆いので、余裕のあるリード技術が要求される上級者向けのコンディションです。
・ジョウゴ沢・F2に関しての最新氷結情報 「現在上級者向けコンディション」山岳ガイドさんから情報提供
今週末に多くのアイスクライマーが登ることが予想されるルートです。
2/22午前中にジョウゴ沢・F2をリードしていて、アイスアックスを打ち込んだところ氷に亀裂が入ったそうです。
亀裂の大きさは、予想以上に幅が広く、深さに奥行きがあるそうです。
一度溶けてから再凍結したこと、氷が乾燥していることが原因で、氷の表面と内部が割れやすくなっています。
最悪の場合、一部の氷瀑が崩落する危険性があるそうです。
上記のようなことは、人工氷壁アイスキャンディでも起きうることです。
人工氷壁では、放水をすることによって、氷の亀裂を補修して、悪条件を改善して、氷の崩壊を未然に防ぐことが出来、
それにより安全な状況下でアイスクライミングの練習ができる環境を実現しています。
しかしながら、自然の氷瀑は状況の好転を自然に任せるしかありません。
そこが自然の氷瀑の醍醐味であり、危険なところでもあります。
全体的に氷が硬くて氷が脆いので、余裕のあるリード技術が要求される上級者向けのコンディションになっています。
ぜひとも慎重に氷の状況を見極めて、アイスクライミングを楽しんでいただきたいです。
登山装備
厳冬期雪山装備が必要
・赤岳鉱泉より上は厳冬期冬山登山に準ずる装備が必要です。
冬期の一般ルートでもアイゼンは12本爪で前歯のあるアイゼンをオススメします。最低でも10本爪は必要です。加えてピッケルは必須です。ヘルメットの装着もお願いします。
※鉱泉~硫黄岳でも安全登山の見地からはピッケルの携行を推奨します。
天候に関係なく、赤岳鉱泉と行者小屋から上に登る際には、ヘルメットの着用を推奨しています。
山岳ヘルメットのレンタルを1日500円で実施。
帽子、手袋なども含めて防寒対策をしっかりと行ってください。
※冬用登山靴やミゾーのピッケルの「北辰」などのレンタルがあります。小屋にお問い合わせ下さい。
注意点
天候をよく確認し、登山はご自分の判断のもと安全登山を心がけて下さい。
「登れること」と「安全登山」は別の話です。
●今冬は冬山初心者と思われる方が増えています。
冬の南八ヶ岳は、首都圏や東海圏からのアクセスが良く、通年営業している山小屋があり、山頂へのアプローチもそれほど長くなく、冬山入門にはオススメの山域となっています。
そして、冬山は素晴らしい経験を味わせてくれて、普段の生活では見ることのできない壮観な景色を見せてくれます。
しかしながら、寒さは本州一といっても過言ではありません。
美濃戸口から一歩足を踏み入れれば、冬の南八ヶ岳特有の厳しい登山道状況や気象状況が待ち受けています。
そんな中、
◎赤岳鉱泉又は行者小屋まで、夏靴やスニーカーを履いてお越しなる
◎ヘルメット着用無し、ピッケル携帯無し、軽アイゼン着用の軽装備で厳冬期の硫黄岳や赤岳を登ろうとしている
◎小屋番のアドバイスを聞き入れずに上記の軽装備で登り始めて、下山してきた登山者に注意されて登山を断念する
冬山の危険性を全く理解していない一部の遭難予備軍がいらっしゃいます。
言葉は悪いですが、冬山をなめてると痛い目に遭うどころか死に至る可能性が高いです。
登山は修業ではなく遊びです。
遊びだからこそ、安全第一に。
良識のある装備や行動で、冬の八ヶ岳登山を満喫していただきたいです!
お知らせ
●赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ
http://userweb.alles.or.jp/akadake/
Facebookはこちら http://blog.livedoor.jp/akadakekousen/
※赤岳鉱泉のお風呂は冬季休業中。入浴営業再開は5月上旬(ゴールデンウィーク)の予定。
・行者小屋の営業は以下の通り
1月~3月週末(土)泊、営業
連休の場合は(土)(日)泊の2日間
※行者小屋の冬季宿泊予約(1月~3月までの毎週末(土)泊、連休の場合は(土)、(日)泊の2日間)は、赤岳鉱泉直通電話090-4824-9986へ電話、またはHPのネット予約からよろしくお願いします。
・赤岳鉱泉・行者小屋のInstagram
アカウントは、
akadakekosen_gyojagoya
フォローよろしくお願いいたします♪
●【赤岳鉱泉・行者小屋にお越しになる方へ大切なお知らせ】
「持ち物の盗難に注意して下さい」
昨冬、お客様所有または赤岳鉱泉所有の登山用品や日用品の紛失、盗難、間違いが発生しました。消灯後から朝にかけて小屋内やテント場で起きました。
そのため小屋の玄関上に「お願い」を掲示しました。間違い防止の為には、下駄箱横に荷札を用意しましたのでご活用ください。貴重品は肌身離さずお持ちください。山小屋という性質上、完全な防犯は難しいですが 、小屋として積極的に注意喚起を行っていきます!
赤岳鉱泉周辺の過去の様子
赤岳鉱泉
- 現地連絡先:
- 0266-62-8100
- 電話番号:
- 090-4824-9986
- 連絡先住所:
- 長野県諏訪郡富士見町落合桜ヶ丘10716