八ヶ岳・赤岳 | 赤岳鉱泉

予想以上の大雪でトレースは消失。今週末は一般登山道の斜面や沢筋で大規模表層雪崩に要注意。慎重で安全な冬山登山を心掛けて。

阿弥陀岳(2018.03.28 赤岳鉱泉)
阿弥陀岳(2018.03.28 赤岳鉱泉)
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天気・気温

03/01(木) 10:00 吹雪(降雪と強風) ガス 視界不良 のち 吹雪時々曇
最低気温-3℃ 最高気温-1℃ 積雪170~200㎝
松本市の天気予報
明日
晴時々曇
29℃
11℃
明後日
21℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月4日 6:00発表
甲府市の天気予報
明日
30℃
14℃
明後日
曇時々晴
23℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月4日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

昨晩9時頃から降雪し、今日も降り続いています。
朝方一瞬晴れましたが、10時半頃は吹雪とガスで視界不良の状況。
予想以上の降雪があり、鉱泉前で新雪が30~50cmとなりました(降雪前の積雪140cm)。

南八ヶ岳では爆弾低気圧通過により、堰堤広場から上が3月らしい大雪となりました。

●赤岳鉱泉の天候 気温 積雪
2/27 晴れ。最低気温-12℃ 最高気温-1℃ 積雪140㎝
3/1 吹雪時々曇り。最低気温-3℃ 最高気温-1℃ 積雪170~200㎝

●人工氷壁「アイスキャンディー」営業中
2/27現在 南八ヶ岳ではまだ2月だというのに、例年より気温の高い日が続いています。
日中のアイスキャンディ南側は陽当たりが良いので、氷の強度が緩みつつあります。
本日スタッフが危険な氷を落とす作業を行いました。
氷結状況を考えると週末にかけて、もう少し冷え込んでほしいですね。

登山道の状況

南八ヶ岳では爆弾低気圧通過により、堰堤広場から上が3月らしい大雪となりました。

昨夜から降り続いた湿った新雪は、下記のように増えました。
●堰堤広場~赤岳鉱泉
新雪30㎝~50㎝
膝下のラッセルでした。
10時に赤岳鉱泉から下山して、トレース(足跡)はつけましたが、風と地吹雪が凄かったです。

●赤岳鉱泉
新雪30㎝~60㎝ 積雪170~200㎝

●赤岳鉱泉から上の登山道
新雪50㎝~100㎝
朝から山岳ガイドさんが一般ルートで硫黄岳と赤岳に向かいましたが、雪深いラッセルと吹雪の為に途中で敗退下山してきました。
たった一晩で湿った新雪が急激に積もったので、一般登山道の斜面や沢筋は大規模な表層雪崩発生の危険性がかなり高まっている状況です。
冬山初心者向けの一般ルートである硫黄岳登頂ですが、その途中にある赤岩の頭頂上直下斜面は過去に多くの雪崩が発生しているために雪崩発生の要注意箇所です。
また、ご存じの方も多いと思いますが、この冬は硫黄岳山頂に続く一般ルートに通常の冬道とは違ったデタラメなトレースが付いていました。
この降雪により今までついていたトレースが全て消えてしまいました。

今週末は、
・雪の状況を見て雪崩発生有無の判断が出来る方
・既存のトレースが消えてしまったので正しいルートファインディングが出来る方でないと、硫黄岳登頂ですら冬山初心者には推奨出来ない状況になってしまいました。

●美濃戸林道状況。
・美濃戸口~赤岳山荘
積雪0㎝~10㎝ 凍結箇所有り、わだち有り
林道の7割が砂利とみぞれのミックス3割が氷と雪のミックス
となっています。

※赤岳山荘まで車で入られる方は下記装備が必須です。
・4輪駆動車
・スタッドレスタイヤ装着
・最2本の金属タイヤチェーン装着(好ましいのは4本装着)

わだちの上には氷が解けて水が流れ出して、川が出来ています。
3割の雪と氷のミックスになっている一部箇所では、
・4輪駆動車
・スタッドレスタイヤ
・金属タイヤチェーン4本
上記装備を全て装着しても、タイヤがわだちにはまって車両が踊って、カウンターステアをきらなければならない状況になることもあるので、注意が必要です。

美濃戸林道を歩く方は、チェーンアイゼンの装着を推奨します。

● もし雪崩に巻き込まれたら埋没から探しだしてもらえるように、アバランチビーコンの携帯もお忘れなく!
明日からの天気は晴れ予報となっていますが、林道と雪の現状を見て最良の判断をすることが難しくなっています。
ぜひとも慎重で安全な冬山登山を心掛けていただきますよう、よろしくお願いいたします。

登山装備

厳冬期雪山装備が必要
・赤岳鉱泉より上は厳冬期冬山登山に準ずる装備が必要です。
冬期の一般ルートでもアイゼンは12本爪で前歯のあるアイゼンをオススメします。最低でも10本爪は必要です。加えてピッケルは必須です。ヘルメットの装着もお願いします。

※鉱泉~硫黄岳でも安全登山の見地からはピッケルの携行を推奨します。

天候に関係なく、赤岳鉱泉と行者小屋から上に登る際には、ヘルメットの着用を推奨しています。
山岳ヘルメットのレンタルを1日500円で実施。
帽子、手袋なども含めて防寒対策をしっかりと行ってください。

今週は雪崩の対応としてアバランチビーコンの携帯もお忘れなく!

※冬用登山靴やミゾーのピッケルの「北辰」などのレンタルがあります。小屋にお問い合わせ下さい。

注意点

天候をよく確認し、登山はご自分の判断のもと安全登山を心がけて下さい。
「登れること」と「安全登山」は別の話です。

●今冬は冬山初心者と思われる方が増えています。
冬の南八ヶ岳は、首都圏や東海圏からのアクセスが良く、通年営業している山小屋があり、山頂へのアプローチもそれほど長くなく、冬山入門にはオススメの山域となっています。
そして、冬山は素晴らしい経験を味わせてくれて、普段の生活では見ることのできない壮観な景色を見せてくれます。
しかしながら、寒さは本州一といっても過言ではありません。
美濃戸口から一歩足を踏み入れれば、冬の南八ヶ岳特有の厳しい登山道状況や気象状況が待ち受けています。
そんな中、
◎赤岳鉱泉又は行者小屋まで、夏靴やスニーカーを履いてお越しなる
◎ヘルメット着用無し、ピッケル携帯無し、軽アイゼン着用の軽装備で厳冬期の硫黄岳や赤岳を登ろうとしている
◎小屋番のアドバイスを聞き入れずに上記の軽装備で登り始めて、下山してきた登山者に注意されて登山を断念する
冬山の危険性を全く理解していない一部の遭難予備軍がいらっしゃいます。
言葉は悪いですが、冬山をなめてると痛い目に遭うどころか死に至る可能性が高いです。
登山は修業ではなく遊びです。
遊びだからこそ、安全第一に。
良識のある装備や行動で、冬の八ヶ岳登山を満喫していただきたいです!

●赤岳天望荘が冬季の営業を終了しています。
稜線でのエスケープ箇所がありません。
街は春の訪れが近づいていますが、山はまだまだ寒さの厳しい冬です。
ご自身の技術と経験に見合った、余裕のある冬山登山計画をよろしくお願いいたします。

お知らせ

●赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ
http://userweb.alles.or.jp/akadake/
Facebookはこちら  http://blog.livedoor.jp/akadakekousen/

※赤岳鉱泉のお風呂は冬季休業中。入浴営業再開は5月上旬(ゴールデンウィーク)の予定。

・行者小屋の営業は以下の通り
1月~3月週末(土)泊、営業
連休の場合は(土)(日)泊の2日間
※行者小屋の冬季宿泊予約(1月~3月までの毎週末(土)泊、連休の場合は(土)、(日)泊の2日間)は、赤岳鉱泉直通電話090-4824-9986へ電話、またはHPのネット予約からよろしくお願いします。

・赤岳鉱泉・行者小屋のInstagram
アカウントは、
akadakekosen_gyojagoya
フォローよろしくお願いいたします♪

●【赤岳鉱泉・行者小屋にお越しになる方へ大切なお知らせ】
「持ち物の盗難に注意して下さい」
昨冬、お客様所有または赤岳鉱泉所有の登山用品や日用品の紛失、盗難、間違いが発生しました。消灯後から朝にかけて小屋内やテント場で起きました。
そのため小屋の玄関上に「お願い」を掲示しました。間違い防止の為には、下駄箱横に荷札を用意しましたのでご活用ください。貴重品は肌身離さずお持ちください。山小屋という性質上、完全な防犯は難しいですが 、小屋として積極的に注意喚起を行っていきます!

赤岳鉱泉周辺の過去の様子

  • アイスキャンディが撤去されてテント場は広がりました
  • 北沢登山道上部の様子
  • 鉱泉前からの八ヶ岳連峰
  • 前日に降雪があり、岩稜帯も雪化粧しました
  • 赤岳山荘から堰堤広場までの林道の様子
  • 林道の様子(赤岳鉱泉Facebookより)
  • 赤岳鉱泉手前の積雪状況(赤岳鉱泉Facebookより)
  • 赤岳鉱泉Facebookより
  • 赤岳鉱泉Facebookより
  • アイスキャンディの様子

赤岳鉱泉

現地連絡先:
0266-62-8100
電話番号:
090-4824-9986
連絡先住所:
長野県諏訪郡富士見町落合桜ヶ丘10716

地図で見る
http://userweb.alles.or.jp/akadake/

施設の詳細を見る

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 南八ヶ岳の最北端に位置し、北面は夏沢峠へ深く落ち込んでいる。長野県茅野市と同南佐久郡南牧村の境にあって、北面に火山活動のなごりの巨大な火口壁を残している。南面は緩斜面の岩礫帯で、大ダルミの鞍部にかけてはキバナシャクナゲの自生地として有名で、コマクサ、ウルップソウなどの高嶺の花々が見られる。  眺望は中央・北アルプス、北八ヶ岳の山々、浅間山、奥秩父連峰、富士山、阿弥陀岳、赤岳、横岳など、多くの山々に恵まれている。  山名は火口から硫黄を産したことによるが、佐久地方では箕をかぶせたような山容から箕冠岳(みかぶりだけ)と呼んだ時代もあった。  本沢温泉から夏沢峠を経て2時間強、横岳から1時間、赤岳鉱泉から赤岩ノ頭経由で1時間30分、桜平からオーレン小屋を経て4時間強の行程である。

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横岳は長野県茅野市と同南佐久郡南牧村との境にあって、南北800mほどにおよぶ岩稜の連なりからなる山である。諏訪側、とりわけ柳川北沢上部からの眺めは、小同心、大同心の怪しい岩峰を擁した大岩壁の威容であり、佐久側からの峨々とした山容は赤岳の翼角のようにも見える。横岳は多くの峰塔で形成されており、最高点の奥ノ院、2829mが主峰である。そのほか、石尊大権現を祭る石尊峰、鉾岳、日の神を祭る日ノ岳、二十三夜峰など山岳宗教時代のなごりをとどめるものが連続し、三叉峰(さんじやほう)からは杣添尾根(そまぞえおね)が海ノ口高原へと下っている。最南端の二十三夜峰の南には地蔵尊の石の座像があって、地蔵尾根が行者小屋方向へと下っている。 眺望は赤岳とさして変わらないが、主峰、赤岳北面の雄姿は、八ヶ岳の代名詞ともいえよう。 コマクサ、タカネツメクサ、タカネシオガマ、イワオウギ、イブキジャコウソウ、トウヤクリンドウ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマナデシコなど、稜線上に咲く高山植物は、比較的豊富である。 赤岳天望荘(旧赤岳石室)から横岳主峰までは1時間、硫黄岳から1時間30分、野辺山駅から杣添尾根を経て三叉峰までは7時間の行程である。 2019年1月、標高の改定により1m高くなり2830mとなった。具体的には、「奥の院」と呼ばれる場所が最高地点2830mとなり、これまで山頂とされてきた箇所は2826mとなっている。

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 赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰で、長野県茅野市、南佐久郡南牧村、山梨北巨摩郡大泉村(現・北杜市)との境に位置している。山頂は赤岳頂上山荘のある北峰と、一等三角点がある南峰とに、わずかな距離をおいて分かれている。北峰からは県界尾根が、南峰の南にある竜頭峰からは真教寺尾根が、ともに山梨県側へ延び、縦走路は南方はキレットを経て権現岳へ、北方は横岳へと連続し、西方は中岳を経て阿弥陀岳へのルートも通じている。  その山容は南麓の長坂方面から仰ぐと、ヨーロッパ・アルプスのアイガーに似て、勇壮そのものである。  近代登山の始まりについては別項で触れたが、それ以前の記録としては、明治26年(1893)に陸地測量部の館潔彦が一等三角点を赤岳に選点し、同28年には山崎直方が火山調査のために赤岳に登り、その成果は震災予防調査会報告として発表されている。  赤岳という山名は、酸化鉄による赤い岩肌からきたもので、早朝や夕映えの輝きはひときわ美しいものがある。  山梨側は山頂直下まで緑のハイマツ帯が迫り、諏訪側はイワツバメが舞う、赤岳西壁と呼ばれる岩場となっている。また、南峰から竜頭峰にかけては、鎖場のある鋭い岩稜が続く。  ひとたびその山頂に立てば展望は360度、本邦中央部の山岳をほとんど手中にできる。権現岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、天狗岳、蓼科山などの近景をはじめ、南・中央・北の各アルプスから上信越の山々、浅間山、奥秩父、富士山と、大パノラマが展開する。  赤岳は、かつて赤岳大神とも呼ばれて人々の信仰を集めていた。柳川南沢の源頭にあたる行者小屋は、昔、赤岳神社の社務所だった所で、夏期には行者が居住していたという。祭神は大山祗命(おおやまずみのみこと)とその娘、岩長姫命(いわながひめのみこと)である。  一般的な登路としては、諏訪側の美濃戸口から柳川南沢を登り行者小屋から地蔵尾根ルート5時間、同じく行者小屋から中岳経由5時間、清里から県界尾根ルート6時間30分、同真教寺尾根ルート6時間弱、縦走路は権現岳からキレットを経て2時間30分、硫黄岳から横岳を経て3時間強の行程である。また、中岳を経て阿弥陀岳への所要時間は1時間強である。美ノ森山との標高差は1356m、幕営指定地のある行者小屋とは550m、キレットとは440mの標高差がある。

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