予想以上の大雪でトレースは消失。今週末は一般登山道の斜面や沢筋で大規模表層雪崩に要注意。慎重で安全な冬山登山を心掛けて。
天気・気温
最低気温-3℃ 最高気温-1℃ 積雪170~200㎝
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
昨晩9時頃から降雪し、今日も降り続いています。
朝方一瞬晴れましたが、10時半頃は吹雪とガスで視界不良の状況。
予想以上の降雪があり、鉱泉前で新雪が30~50cmとなりました(降雪前の積雪140cm)。
南八ヶ岳では爆弾低気圧通過により、堰堤広場から上が3月らしい大雪となりました。
●赤岳鉱泉の天候 気温 積雪
2/27 晴れ。最低気温-12℃ 最高気温-1℃ 積雪140㎝
3/1 吹雪時々曇り。最低気温-3℃ 最高気温-1℃ 積雪170~200㎝
●人工氷壁「アイスキャンディー」営業中
2/27現在 南八ヶ岳ではまだ2月だというのに、例年より気温の高い日が続いています。
日中のアイスキャンディ南側は陽当たりが良いので、氷の強度が緩みつつあります。
本日スタッフが危険な氷を落とす作業を行いました。
氷結状況を考えると週末にかけて、もう少し冷え込んでほしいですね。
登山道の状況
南八ヶ岳では爆弾低気圧通過により、堰堤広場から上が3月らしい大雪となりました。
昨夜から降り続いた湿った新雪は、下記のように増えました。
●堰堤広場~赤岳鉱泉
新雪30㎝~50㎝
膝下のラッセルでした。
10時に赤岳鉱泉から下山して、トレース(足跡)はつけましたが、風と地吹雪が凄かったです。
●赤岳鉱泉
新雪30㎝~60㎝ 積雪170~200㎝
●赤岳鉱泉から上の登山道
新雪50㎝~100㎝
朝から山岳ガイドさんが一般ルートで硫黄岳と赤岳に向かいましたが、雪深いラッセルと吹雪の為に途中で敗退下山してきました。
たった一晩で湿った新雪が急激に積もったので、一般登山道の斜面や沢筋は大規模な表層雪崩発生の危険性がかなり高まっている状況です。
冬山初心者向けの一般ルートである硫黄岳登頂ですが、その途中にある赤岩の頭頂上直下斜面は過去に多くの雪崩が発生しているために雪崩発生の要注意箇所です。
また、ご存じの方も多いと思いますが、この冬は硫黄岳山頂に続く一般ルートに通常の冬道とは違ったデタラメなトレースが付いていました。
この降雪により今までついていたトレースが全て消えてしまいました。
今週末は、
・雪の状況を見て雪崩発生有無の判断が出来る方
・既存のトレースが消えてしまったので正しいルートファインディングが出来る方でないと、硫黄岳登頂ですら冬山初心者には推奨出来ない状況になってしまいました。
●美濃戸林道状況。
・美濃戸口~赤岳山荘
積雪0㎝~10㎝ 凍結箇所有り、わだち有り
林道の7割が砂利とみぞれのミックス3割が氷と雪のミックス
となっています。
※赤岳山荘まで車で入られる方は下記装備が必須です。
・4輪駆動車
・スタッドレスタイヤ装着
・最2本の金属タイヤチェーン装着(好ましいのは4本装着)
わだちの上には氷が解けて水が流れ出して、川が出来ています。
3割の雪と氷のミックスになっている一部箇所では、
・4輪駆動車
・スタッドレスタイヤ
・金属タイヤチェーン4本
上記装備を全て装着しても、タイヤがわだちにはまって車両が踊って、カウンターステアをきらなければならない状況になることもあるので、注意が必要です。
美濃戸林道を歩く方は、チェーンアイゼンの装着を推奨します。
● もし雪崩に巻き込まれたら埋没から探しだしてもらえるように、アバランチビーコンの携帯もお忘れなく!
明日からの天気は晴れ予報となっていますが、林道と雪の現状を見て最良の判断をすることが難しくなっています。
ぜひとも慎重で安全な冬山登山を心掛けていただきますよう、よろしくお願いいたします。
登山装備
厳冬期雪山装備が必要
・赤岳鉱泉より上は厳冬期冬山登山に準ずる装備が必要です。
冬期の一般ルートでもアイゼンは12本爪で前歯のあるアイゼンをオススメします。最低でも10本爪は必要です。加えてピッケルは必須です。ヘルメットの装着もお願いします。
※鉱泉~硫黄岳でも安全登山の見地からはピッケルの携行を推奨します。
天候に関係なく、赤岳鉱泉と行者小屋から上に登る際には、ヘルメットの着用を推奨しています。
山岳ヘルメットのレンタルを1日500円で実施。
帽子、手袋なども含めて防寒対策をしっかりと行ってください。
今週は雪崩の対応としてアバランチビーコンの携帯もお忘れなく!
※冬用登山靴やミゾーのピッケルの「北辰」などのレンタルがあります。小屋にお問い合わせ下さい。
注意点
天候をよく確認し、登山はご自分の判断のもと安全登山を心がけて下さい。
「登れること」と「安全登山」は別の話です。
●今冬は冬山初心者と思われる方が増えています。
冬の南八ヶ岳は、首都圏や東海圏からのアクセスが良く、通年営業している山小屋があり、山頂へのアプローチもそれほど長くなく、冬山入門にはオススメの山域となっています。
そして、冬山は素晴らしい経験を味わせてくれて、普段の生活では見ることのできない壮観な景色を見せてくれます。
しかしながら、寒さは本州一といっても過言ではありません。
美濃戸口から一歩足を踏み入れれば、冬の南八ヶ岳特有の厳しい登山道状況や気象状況が待ち受けています。
そんな中、
◎赤岳鉱泉又は行者小屋まで、夏靴やスニーカーを履いてお越しなる
◎ヘルメット着用無し、ピッケル携帯無し、軽アイゼン着用の軽装備で厳冬期の硫黄岳や赤岳を登ろうとしている
◎小屋番のアドバイスを聞き入れずに上記の軽装備で登り始めて、下山してきた登山者に注意されて登山を断念する
冬山の危険性を全く理解していない一部の遭難予備軍がいらっしゃいます。
言葉は悪いですが、冬山をなめてると痛い目に遭うどころか死に至る可能性が高いです。
登山は修業ではなく遊びです。
遊びだからこそ、安全第一に。
良識のある装備や行動で、冬の八ヶ岳登山を満喫していただきたいです!
●赤岳天望荘が冬季の営業を終了しています。
稜線でのエスケープ箇所がありません。
街は春の訪れが近づいていますが、山はまだまだ寒さの厳しい冬です。
ご自身の技術と経験に見合った、余裕のある冬山登山計画をよろしくお願いいたします。
お知らせ
●赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ
http://userweb.alles.or.jp/akadake/
Facebookはこちら http://blog.livedoor.jp/akadakekousen/
※赤岳鉱泉のお風呂は冬季休業中。入浴営業再開は5月上旬(ゴールデンウィーク)の予定。
・行者小屋の営業は以下の通り
1月~3月週末(土)泊、営業
連休の場合は(土)(日)泊の2日間
※行者小屋の冬季宿泊予約(1月~3月までの毎週末(土)泊、連休の場合は(土)、(日)泊の2日間)は、赤岳鉱泉直通電話090-4824-9986へ電話、またはHPのネット予約からよろしくお願いします。
・赤岳鉱泉・行者小屋のInstagram
アカウントは、
akadakekosen_gyojagoya
フォローよろしくお願いいたします♪
●【赤岳鉱泉・行者小屋にお越しになる方へ大切なお知らせ】
「持ち物の盗難に注意して下さい」
昨冬、お客様所有または赤岳鉱泉所有の登山用品や日用品の紛失、盗難、間違いが発生しました。消灯後から朝にかけて小屋内やテント場で起きました。
そのため小屋の玄関上に「お願い」を掲示しました。間違い防止の為には、下駄箱横に荷札を用意しましたのでご活用ください。貴重品は肌身離さずお持ちください。山小屋という性質上、完全な防犯は難しいですが 、小屋として積極的に注意喚起を行っていきます!
赤岳鉱泉周辺の過去の様子
赤岳鉱泉
- 現地連絡先:
- 0266-62-8100
- 電話番号:
- 090-4824-9986
- 連絡先住所:
- 長野県諏訪郡富士見町落合桜ヶ丘10716