谷川岳山頂付近は5cm前後の積雪。氷点下の気温にも対応した装備と無理のない計画で入山を
天気・気温
山と周辺の状況
谷川岳の紅葉は終盤の終盤となり、落ち葉の絨毯が登山道を鮮やかに染めています。昨日の朝方には山頂付近で今シーズン初の降雪となり、いよいよ“辛く楽しい冬が来るぞ”と、山の便りが届きました。現在、山頂付近では5cm前後の積雪が確認されています。
そうなってくると、今後はやれアイゼンだ、やれピッケルだ、と、眠らせていた雪山装備の出番となります。軽アイゼンくらいならともかく、ピッケルなどは少々気が早い気もしますが、今月1日には稜線上での天気の急変によりそれに対応できる装備を携行していなかったため、低体温と疲労により行動不能になる遭難事故が発生しています。当日朝方、現場付近の気温は-4℃となっていました。昨日4日の下山届では、降雪により途中下山というものが数件見受けられました。
食欲の秋も終盤ということで最近また熊をよく見かけます。気を付けましょう。
谷川岳ロープウェイおよび観光リフトは11月18日(月)〜22日(金)までの5日間、点検作業のため運休となります。期間中は6階の駐車場のみ利用可能で、レストランや売店も休みになります。登山を計画の方は注意してください。
登山道の状況
台風19号の影響で登山道内に倒木等はありましたが、崩落や通行不可能などの情報は現在までにありません。天神尾根、西黒尾根は問題なく通行できます。新道、旧道も通行に問題はありませんが増水時は渡渉不可能となります。
[天神尾根]
天神尾根の登山道に異常はありません。
天気の良い週末は渋滞が起きることが予想されます。下山にはロープウェイまで2時間以上かかる可能性もあります(ロープウェイの最終は17時)。
熊穴沢避難小屋上部の鎖場は天神尾根で一番、事故の多い場所です。事故のほとんどは下りで発生しています。慌てず焦らずゆっくりと下山しましょう。
[西黒尾根]
急登で健脚者向けのコースです。高度感のある鎖場、ガレ場などがあり、下山には不向きです。特に、天神尾根から登った初心者がコースを知らず下山に使ってしまい、滑落や疲労等で遭難するケースが多くあります。
[巖剛新道]
一部崩壊箇所はありますが慎重に通過可能です。
[その他]
清水峠周辺などは送電線巡視路も多く、登山道と間違えやすくなっているので注意が必要です。
登山装備
この時期の谷川岳は1500m以上ともなると急にサクッと雪が降り、前日が雨の場合などは早い時間帯の登山道では木道や地面が凍結していることがあります。これらのことを踏まえ、滑り止めの携行やマイナスの気温にも対応した装備と無理のない計画で入山してください。
日帰りの登山であっても雨具、ヘッドランプ、防寒具等は必須です。しっかりとした計画、装備をして入山しましょう。朝晩や悪天候時の気温が低くなりはじめており、夏装備のまま入山すると危険です。日照時間も短くなり、朝は5時頃から明るくなりはじめ、夕方16時には暗くなりはじめます。樹林帯の中は17時には暗闇になります。下山遅れでライトがなく行動不能での救助要請も発生しています。防寒対策も必要です。薄手のダウン、手袋、カイロなどがあるとよいでしょう。
光沢の残る鎖場の鎖は濡れていると滑りやすく危険です。ホームセンターなどに売っているグリップのいい薄手の手袋などがあると便利です。
転倒、滑落による捻挫、打撲に備え、テーピング、湿布、ストックがあると便利です。
注意点
登山指導センターから一ノ倉沢までの道はマイカー規制中です。一般車の進入はできません。
ロープウェイ駅から一ノ倉沢出合間の電気バスの運行は11月17日(日)までの予定ですが、積雪などの状況により今期運行終了の日程が変動する場合があります。お越しの際は事前にお問い合わせされることをおすすめします。
お知らせ
ここ最近、雨の日が増えたことにより、センター前の湧き水が復活しました。休憩舎のトイレもご利用いただけます。水は無駄遣いせず大切に使いましょう。
登山される方はロープウェイ駐車場をご利用ください。
■小屋の情報
肩ノ小屋は11月3日で今シーズン営業終了となりました。
蓬ヒュッテは10月27日で今シーズン営業終了となりました。冬の間は冬期避難小屋として利用可能です。
昨年の今頃の様子は?
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谷川岳登山指導センター周辺の過去の様子
谷川岳登山指導センター
- 電話番号:
- 0278-72-3688
- 連絡先住所:
- 〒379-1728 群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽