甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

小屋前より残雪あり、山頂へは10本爪以上のアイゼン+ピッケルが必要。判断が難しい時期です

本日の山頂はガス。このガスがハイマツや岩に貼り付いて、芸術的な霧氷やエビの尻尾を創り出してくれる事でしょう。(2020.10.29 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
本日の山頂はガス。このガスがハイマツや岩に貼り付いて、芸術的な霧氷やエビの尻尾を創り出してくれる事でしょう。(2020.10.29 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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天気・気温

10/21(水) 14:30 晴れ 4.8℃

山と周辺の状況

■概況
先週末は、想像以上の積雪量になってしまった甲斐駒ヶ岳です。
本日スタッフが入山したので、小屋までの登山道状況と、本日山頂まで登られたお客様より伺った積雪状況をお伝え致します。

一気に冬の装いとなりました
朝7時頃の登山口の気温は6℃。尾白川渓谷はまだ紅葉していません。
登山道下部はまだ秋の里山の感じです。ノコンギクや、アキチョウジが登山道脇に咲いています。
笹の平分岐付近まで紅葉は下りて来ましたが、まだまだ緑が目立ちます。
登るにつれて黄色や赤の割合が増えてきます。
五合目付近には雪はありません。

小屋周りには雪が残りますが、しばらくすれば溶けそうです。
小屋までは雪を踏まずに登れました。ただし、今後のお天気次第で状況は変わりそうです。

小屋からは、雪化粧した鳳凰山がきれいにみられました。
小屋から上には行っていないのですが、山頂方面に登られたお客様のお話をまとめると、
七丈小屋〜八合御来迎場上まで深い所は、膝上までの積雪。
八合目上〜九合目辺りまでは、日当たりの良い場所の雪は溶けて岩が露出。
九合目上の北斜面は雪が残って、気温の低い朝夕は凍結の恐れのあるコンディション。
小屋より上のに行かれる場合は、10本爪以上のアイゼン、ピッケルの冬山装備が必要な状況です。
雪のしっかりついた時よりも、難しい判断が問われる時期です。

決して無理はしないように楽しんで頂きたいと思います。
これから天気が下り坂の予報です。また状況が変わります。
頂上を目指す方はしっかり備えて来てください。
備えが足りなければ、無理せず引き返しましょう。

■11月の営業について
予約受け付け中
11月末日までも小屋の宿泊定員は12名、テント泊も30名または20張を上限とさせていただきます。
こちらのご予約&混雑状況のページをご覧の上、ご予約をお願いいたします。
https://www.kaikoma.info/reservation-calendar

よっぽど大きな寒波が来ない限りは、11月いっぱいは小屋に水が導けます。
ただしこの頃になると小屋付近でも氷点下となります。
少し厚めのシュラフや防寒着を持ってきてください。

標高差のある黒戸尾根では、紅葉シーズンが頂上付近で10月上旬頃から始まり、麓に降りてくる11月中旬頃まで楽しめます。
これまでの雪の傾向ですが、10月中下旬に初雪となりますが、根雪にはならず11月上旬頃には一旦ほとんど消えることが多いです。しかし登山をされる皆さまには、チェーンスパイクの携行を強くおすすめしております

※七丈小屋でのご宿泊は、政府のGotoトラベルキャンペーンの対象になりません。

■昨年秋~初冬の甲斐駒ヶ岳
昨年11月15日 山頂付近に雪がついていますが、このときはまだアイゼンが役に立たないぐらい少ない積雪量です。チェーンスパークのほうが有効でしょう。五合目から小屋までも、チェーンスパイクの出番があるときがあります。
この頃になると紅葉シーズンが終わり、山は本当に静かになります。
静かな登山をされたい方にはおすすめです。

昨年の11月29日は、もう頂上付近は完全な雪山の世界でした。
雪山の装備でお出かけください。

登山道の状況

■黒戸尾根 
小屋より上のに行かれる場合は、10本爪以上のアイゼン、ピッケルの冬山装備が必要な状況です。
雪のしっかりついた時よりも、難しい判断が問われる時期です。

■ご注意ください!
北沢峠からのバスは長野側、山梨側ともに今年は運休です。
北沢峠からバスでの下山はできません

広河原へのバスやタクシーは運休
登山道の利用禁止、北岳方面の山小屋の休業。
甲斐駒ヶ岳から鳳凰三山方面への縦走はできますが、広河原へのエスケープができないことを念頭に計画を立ててください。

また南アルプス全体で多くの山小屋の営業がない状況です。ご注意ください。​

・長野県側伊那市 2020年(令和2年)南アルプス林道バス【全面運休】
http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_jikokuhyo.html

・山梨県側南アルプス市 令和2年度南アルプス市営バス事業休止について
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/mycar_bus_taxi_tozan.html

・伊那市より登山の自粛要請
https://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_tozan/mountainlovers.html

・伊那市の山小屋営業ありません。
https://www.ina-city-kankou.co.jp/yamagoya/

・北岳方面の山小屋休業
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/8193.html

登山装備

3000m級山岳の晩秋~初冬の登山装備が基本です。
防寒具雨具は必携です。
小屋より上のに行かれる場合は、10本爪以上のアイゼン、ピッケルの冬山装備が必要

注意点

山小屋内は、ストーブをつけさせていただいておりますが、コロナ対策で同時に換気もさせていただいております。
小屋内でも快適にお過ごしいただくために、着替えや、防寒着の準備をしっかりとしてお越しいただきたいと思います。

日も短くなってきました。小屋には16:00頃までにはご到着いただけるよう、早めの出発、余裕を持った行動をお願い致します。

お知らせ

■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
感染症対策の上、テント、小屋泊ともに完全予約制にて営業中
ホームページトップに、小屋の利用の注意(必読)、予約状況のリンクがあります。

七丈小屋からのお願いも御覧ください
https://www.kaikoma.info/post/%E3%80%90%E6%9B%B4%E6%96%B0%E3%80%91%E4%B8%83%E4%B8%88%E5%B0%8F%E5%B1%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84

・予約と問い合わせ 090-3226-2967 
※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。今季はテントも予約必要です。

■今シーズンは七丈小屋の売店営業はありません。
今シーズンは水場とトイレのみ利用が可能です。
(例年のように日帰りの皆様を中心に売店でドリンクや軽食を補充される方が多いですが今季はできません)
最後のドリンク入手可能ポイントは、駐車場脇の売店「おじろ」の自動販売機となります。ご注意ください。

■12月以降も営業予定
現在のところ営業継続することを前提に準備を進めております。
営業規模や内容はこれまでと大きく変わる点は出てくると思いますが、雪の甲斐駒ヶ岳を登山される方のサポートが少しでもできればと思っております。

■小屋のオンラインショップ
https://kaikoma.theshop.jp/

昨年の今頃の様子は?

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10

今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19

まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25

雨により地盤が緩んでいるので注意。小屋から上の残雪も少なくなりアイゼンなど不要2023.06.02

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 樹林帯の状況
  • 山頂付近の様子
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • テント場の様子。雪が半分残っている状態。第1+第2テント場あわせて10張りほど地面の上に設営できそう(小型テントであれば)。
  • 小屋から上の残雪はまだまだ豊富
  • 八合目と九合目の間にあるルンゼは、一部氷化した雪の急斜面となっており、滑落の危険あり。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
  • 眼下には雲海。寒暖差によって登山道のコンディションはとても難しいくなる時期。万全の装備で
  • 小屋の前の雪も少しずつ溶けていますが、固く滑りやすくなっています。
  • 小屋付近の様子
  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

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