甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

小屋から山頂は8~9合目間が核心。確実なアイゼンワークが必要。予約にて営業中

黄砂でかすむ富士山(2021.03.30 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
黄砂でかすむ富士山(2021.03.30 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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天気・気温

03/26(金) 07:00 晴れ 0.9℃

山と周辺の状況

■天候
3/26朝7時の気温は+0.9℃。
今日は良いお天気なのですが、時折強い北西の風が吹き付ける七丈小屋です

3/25朝5時半の気温0.9℃。暖かい朝でした

■自然
3/25 登山口では大きなカモシカに会えました。
このカモシカは、この辺りに居着いているようで、他のスタッフも良く見かけます。
おっとりしているので、近くで急に大きな声を出したり、脅かすような動きをしなければ大丈夫そうです。

3/25 小屋からご来光を拝みました。
春分が過ぎて日の出の位置が移動し、だんだん小屋からも見えにくくなってきました。
ご来光は5時40分ごろです。

登山道の状況

■黒戸尾根 
3/25日に小屋まで上がりましたので、小屋までの登山道の状況をお伝え致します。

笹の平分岐周辺は、すっかり雪が無くなりました。
現状では路面の凍結もありません。

八丁坂は凍結していて、滑り止めが必要な状況です。
気温によっては固い氷のナメ滝状になるので、チェーンアイゼンよりも、しっかりしたアイゼンを使った方が安心な時もありそうです。
下山時は、特にお気を付け下さい。

刃渡りはだいぶ雪が減りました。
所々にザラメ状の雪が貼り付いていますので、足を滑らせないようお気を付け下さい。

厳しい冬を乗り越えた イワカガミ イワカガミ の株が、雪の下から現れ出しました。
葉の色もだんだんと活き活きとして来ました。
梅雨頃には、可憐な花を咲かせてくれるでしょう。

黒戸山のトラバースは、よく締まった雪でとても歩き易い状況です。

五合目の長いハシゴは、かなり雪が無くなりました。
例年ですとこの時期は積雪量が多く、ハシゴ等は埋もれてしまうのですが、今年は積雪量が少なく、雪解けも早くてこのまま春になってしまいそうな雰囲気です。

五合目から上は、急斜面の凍結箇所が多数あります。
前爪付きのアイゼンを使った方が安心です。

小屋周りの雪も、かなり少なくなりました。
今年の雪の無くなる速さは、ちょっと異常な感じです。

■3/25 日曜日の雨の様子が気がかりで、山頂まで登ってきました。
テント場から樹林帯の急登となります。
今日のところは踏み跡もしっかりと残っていました。下山が遅くなると、このあたりは踏み抜き地獄になりそうです。

春らしい霞が出ていましたが、展望は申し分ありませんでした。
雲ひとつない快晴です。

八合目と九合目の間は冬道です。
すでに岩の露出もあり、氷化している箇所もあります。ここでのミスは絶対に許されないので慎重にお願いします。
核心部はかなり斜度があります。下降時は特に気をつけてください。
ただ今年はかなり雪が少なく、いつものような露出感がほとんどありません。
それでも氷が出ている部分はあります。ここはしっかりと蹴り込まなければならない場所がありました。

九合目と山頂の中間点にある岩が露出している部分は隠れた危険箇所でもあります。特に下降時は慎重に!

山頂までの一本道は快適な雪上歩行です。

本社のお社が少しづつ融雪して出てきました。
ここでの拝礼のお作法は、二礼四拍手一礼です。穏やかな山頂でした。

全体的に非常に良いコンディションです。

今日は6時に小屋を出て8時前には小屋に戻りました。
お昼頃に鋸岳方面から下山してきた方々のお話だと、その時でもまだ踏み抜きはほとんどなかったようです。
午前中はコンディションが保たれていそうです。

一番気がかりなのは、やはり八合目から九合目にかけての核心部です。
部分的に氷化しているところがあり、アイゼンを「置く」だけでは不十分です。
しっかりと蹴り込んで、アイゼンの爪を効かせてください。
危ない部分はわずかです。その瞬間はしっかりと集中すれば、落ち着いて行動ができると思います。

残雪期の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根を、存分に楽しんで下さい

※以下 ヤマケイオンライン付加情報
小屋ウエブに詳細があります 参照下さい
小屋主 花谷様ツイッターには動画もあります。
https://twitter.com/hana1976

登山装備

3000m級山岳の厳冬期雪山登山装備が基本です。
前爪のあるアイゼンやピッケル必携など必要。

テント泊はシャベル必要

お知らせ

■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/

ご予約とお問い合わせ 090-3226-2967

■冬期営業のご案内 ただいま冬期営業中です!
以下のページよりご確認ください。(必ずご一読下さい)
https://www.kaikoma.info/winter
12月1日より5月31日(予定)まで。
・小屋泊 予約が必要です。食事は夕食のみ
・テント泊 予約不要
・売店 小屋泊とテント泊の方のみ利用可。日帰りの方は利用できません

■ご注意ください!
山のコンディションや装備のお問い合わせが多い時期ですが、お問い合わせをいただいてもお客様の登山技術や経験までは把握できませんので、現在の状況のみお伝えいたします。
小屋ホームページのブログにてできるだけ細やかに情報発信を行いますので、そちらの情報を参考にしていただきたいと思います。

昨年の今頃の様子は?

ミックス部分あり、アイゼン底付き箇所あり慎重に。12本爪アイゼン+ピッケル必要。万全の装備で2024.12.12

昨夜降雪。小屋まではチェーンアイゼンで。小屋から山頂は前爪アイゼン+冬山装備必要2024.12.19

今朝曇天に小雪。昨日山頂へは一部膝ラッセル。小屋~上は前爪アイゼン+冬山装備必要(防寒油断禁物)2024.12.26

厳しい寒さ防寒油断なく。小屋~上は前爪アイゼン+ピッケル必要。営業日注意(2/17~4/17金土日)2025.01.09

昨日降雪後強風でトレース消失、吹溜りあり。小屋~上は前爪アイゼン+ピッケル必要。営業日注意(2/17~4/17)2025.01.16

冬山装備と体調を整え冬の黒戸尾根を楽しまれてください。営業日注意(2/17~4/17は金土日のみ宿泊可)2025.01.23

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 朝日浴びる小屋前の様子。
  • 山頂への途上で
  • 小屋~山頂 九合目下のルンゼ部も雪が適度に着いて歩きやすそうです(撮影 登山者様)
  • 小屋~山頂 一部夏道をたどる箇所では、少し緊張するトラバースもありますので十分お気をつけください(撮影 登山者様)
  • 山頂方面の様子
  • いよいよ黒戸尾根にも本格的な冬が来たなと実感
  • 風も強めで地吹雪発生
  • 刃渡り以降は足首前後の積雪量
  • フカフカの新雪で、アイゼンの効きも悪く、なかなか難しいコンディション
  • 刃渡りの上でクマの足跡
  • 11/21の小屋前の様子  11/18夜降雪し翌朝マイナス8.8℃。
  • 昨日は一日中快晴でしたが、気温がとても低く先日降った雪はほとんど溶けずに残りました

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

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