甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

すっかり冬の装い。山頂へは露岩のルンゼやラッセルあり。前爪アイゼン+ピッケルの雪山装備万全で

山頂方面に向かうパーティー(2021.12.26 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
山頂方面に向かうパーティー(2021.12.26 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

天気・気温

12/02(木) 05:00 -10.8

山と周辺の状況

■天候や自然
12/2 朝は今年一番の冷え込みとなり、5時の気温は−10.8℃でした。
小屋周辺は夜からずっと強い風が吹き荒れていましたが、日の出のあとに山頂へ出発しました。

12/1 7時現在、七丈小屋の気温は0.1℃。
寒冷前線の通過で、10センチ弱の雪が降りました。いい雪が積もったとワクワクしていたら、朝には雨に変わり、水気を含んだ雪となりました。現在は晴れ間が見えています。
電波が悪くなるのも、屋根の雪が原因です。
朝一でずっしり重くなった屋根の雪おろし作業をしました。
今日は1日、腰を痛めてない程度に、小屋まわりの雪かき作業をしたいと思います。

11/30 6時現在の七丈小屋の気温は−3.9℃でした。昨日と同じ放射冷却現象で、気温は高めでした。
昨日、お泊りのお客様からクマの足跡を見たと報告をいただきました。小屋のすぐ下の鎖場付近で、私もすぐに確認に行きました。
積雪後の足跡なので、とても綺麗にトレースが残っていました。冬眠前に餌を蓄えているのでしょうか?
小屋付近での痕跡を見るのは、とても稀なことです。
暗い時間帯に入山される方や、テント泊の方、小屋泊で夜にトイレに行かれる方、どうぞ充分、お気をつけて!!

・記録 初冠雪 10/20

登山道の状況

■甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根 
(登山道の要所の画像が公式Instagram にあります ホームページからも参照できます)
登山道は完全に冬山です。
前爪有りのアイゼン、ピッケルの雪山装備万全でお越し下さい。

・12/2 日の出とともに小屋から山頂へ
7合5尺から8合目に出るまでが強風。耐風姿勢をとりながら、クラストした新雪をラッセルしていきました。雪の量は足首から膝下ぐらいですが、ズボズボと歩きにくかったです。
8合目からは風下となり、ほっと一安心。相変わらず、ラッセルは続きます。
8合半のルンゼもしっかり雪がつき、冬山らしくなってきました。
9合目からは再び向かい風となり、なかなか前へ進めません。スラブには雪がついて、風で叩かれた状態でしたが、岩もでており注意が必要です。
山頂は比較的風は穏やかでした。
下りもクラストした雪面に足をとられ、非常に歩きにくかったです。
8合目から下は再び強い風を受けながら、時間をかけて降りてきました。
すっかり冬の装いとなりました。
特に9合下から8合半のルンゼは露出している岩にも注意しながら慎重に下りてください。
平日は入山者も少ないので、しっかりとしたトレースはありません。
どうぞ気を引き締めて、冬山装備万全でお越しください。

登山装備

3000m級山岳の冬山登山装備が基本です
前爪有りのアイゼンとチェーンアイゼン両方のご用意を
防寒対策はしっかりと油断ないように。手袋や帽子も必要です。
防水性の高い靴、荷物の防水、着替えなども必要
日が短くなりヘッドライトもお忘れなく。

装備に関してお問い合わせいただいているお客様には、アイゼン、チェーンスパイク、ピッケル、ストックの持参をお願いしております。
状況に応じて装備を変えて、安全第一で登山をお楽しみください。

注意点

どんな状況にも対応出来るだけの装備を用意し、雪面の状況を見極めて道具を使い分ける判断力が必要な状況です。

■登山計画書につきまして(重要)
山梨県の条例により、令和元年より、甲斐駒ヶ岳をはじめとした南アルプスに冬期(12月1日〜3月31日)に登山をする際は、登山計画書の提出が義務化されました。必ず登山計画書を提出し、計画内容をご家族やご友人と共有の上、登山をお願いいたします。

お知らせ

■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
※必ずホームページを見て、利用下さい。
ご予約とお問い合わせ 090-3226-2967

■営業
夏山営業 6月1日から~11月30日(予定)
冬期営業 12月1日~翌年5月31日まで
※水場凍結により給水の制限があります。
小屋前の水場はもう春まで使えません。
小屋泊、テント泊のお客様には、2Lまで無料で水をお分け致します。
貴重なお水ですので、大切にご利用ください。

■ご宿泊予約について
11月1日以降はテント泊の予約は不要。
小屋泊のお客様のみご予約をお願いします。
予約の電話は13時~20時の間でご協力をお願いいたします。

■2021年〜22年冬期営業について
10月4日(月)より予約の受け付け中。
予約前に冬期営業のご案内をご確認ください
https://www.kaikoma.info/winter

■情報発信
登山道情報や小屋の情報など、日々の発信は公式Instagramに集約させますので、ぜひフォローをお願いします。
またこちらは公式Facebookとも連動しております。

公式Instagram
https://www.instagram.com/kaikoma.kuroto/

公式Facebook
https://www.facebook.com/kaikomagatake

■【2021-22冬季】甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根ツアー
https://first-ascent.co.jp/tours/kuroto-winter/

■登山家 花谷泰広写真展
山梨県甲斐市立竜王図書館にて
12月11日までの開催
詳しくはこちら
https://kai.library2.city.kai.yamanashi.jp/info_dspdetail_base2.html?dspcode=0001117112021

昨年の今頃の様子は?

ミックス部分あり、アイゼン底付き箇所あり慎重に。12本爪アイゼン+ピッケル必要。万全の装備で2024.12.12

昨夜降雪。小屋まではチェーンアイゼンで。小屋から山頂は前爪アイゼン+冬山装備必要2024.12.19

今朝曇天に小雪。昨日山頂へは一部膝ラッセル。小屋~上は前爪アイゼン+冬山装備必要(防寒油断禁物)2024.12.26

厳しい寒さ防寒油断なく。小屋~上は前爪アイゼン+ピッケル必要。営業日注意(2/17~4/17金土日)2025.01.09

昨日降雪後強風でトレース消失、吹溜りあり。小屋~上は前爪アイゼン+ピッケル必要。営業日注意(2/17~4/17)2025.01.16

冬山装備と体調を整え冬の黒戸尾根を楽しまれてください。営業日注意(2/17~4/17は金土日のみ宿泊可)2025.01.23

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 朝日浴びる小屋前の様子。
  • 山頂への途上で
  • 小屋~山頂 九合目下のルンゼ部も雪が適度に着いて歩きやすそうです(撮影 登山者様)
  • 小屋~山頂 一部夏道をたどる箇所では、少し緊張するトラバースもありますので十分お気をつけください(撮影 登山者様)
  • 山頂方面の様子
  • いよいよ黒戸尾根にも本格的な冬が来たなと実感
  • 風も強めで地吹雪発生
  • 刃渡り以降は足首前後の積雪量
  • フカフカの新雪で、アイゼンの効きも悪く、なかなか難しいコンディション
  • 刃渡りの上でクマの足跡
  • 11/21の小屋前の様子  11/18夜降雪し翌朝マイナス8.8℃。
  • 昨日は一日中快晴でしたが、気温がとても低く先日降った雪はほとんど溶けずに残りました

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

関連する山

山梨県 / 赤石山脈北部

甲斐駒ヶ岳 標高 2,967m

 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

山梨県 長野県 / 赤石山脈北部

駒津峰 標高 2,752m

山梨県 長野県 / 赤石山脈北部

双児山 標高 2,649m

赤石山脈北部周辺の山です。

ユーザーの登山記録から

周辺の山岳最新情報