大山 | 大山プロガイド協会

大山の冬はこれからが本番。例年通りの降雪で登山道もそれなりに埋まってきています

山頂の足跡のオブジェ (撮影 山岳ガイド佐々木淳一様)(2022.01.25 休暇村 奥大山)
山頂の足跡のオブジェ (撮影 山岳ガイド佐々木淳一様)(2022.01.25 休暇村 奥大山)
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天気・気温

鳥取市の天気予報
明日
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明後日
晴のち曇
29℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 6:00発表
松江市の天気予報
明日
27℃
10℃
明後日
晴時々曇
30℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

■天候 1月25日(火)
暦の上での「大寒」を過ぎ、これから「款冬華(ふきのはなさく)」を迎えるころですが、まだまだ大山ではこれからが冬本番になります。
春はまだ遠し…。

午前10時の大山寺の天候 うす曇 気温2℃ 微風
午後1時の山頂の天候 ガス後晴れ 気温マイナス3℃ 微風

・天候記録 10/20初冠雪

今日は山頂付近で面白い現象が見られました。
新雪の上に登山者が歩いた足跡が浮き出ています。
その時の日射量、積雪状況、気温等の気象条件によりますが、登山者が気温がやや高い時に新雪の上を歩いた所が固められて、翌日に軽い新雪が降ったために周りの雪が飛ばされて残ったのではないかと推測されます。
この説がが正しいかどうかわかりませんので、ご存知の方がおられたらご連絡ください。

登山道の状況

■1月25日(火)の大山夏山登山道の最新情報
雪が少ない年であれば、20日頃からまとまった積雪がありますが、今年は例年通りの雪が降り、登山道もそれなりに埋まってきました。

よく「山頂付近の積雪は?」と聞かれますが、標高が高くなるにつれて積雪量が増えるものではありません。
風の強い場所、稜線とか頂上台地などは1mほどですし、吹き溜まりには3mから4mは溜まっています。
特に6合目避難小屋付近では西からと東からの風がぶつかり、尾根が出来るので、トレースに従って登っていると避難小屋を通り過ぎてしまうことがあります。
6合目から上は特に元谷方面に雪庇が出来ます。積雪の少ない年でも8合沢から別山沢にかけての元谷側は大きな雪庇が出来ますので、くれぐれも近づかないでください。

良くあるパターンは、天候のいい時に北壁を画像に写そうと雪庇と気がつかないで元谷側に行ってしまうことです。
私たちが青ポールを立てていますので、決してそのルートから外れないようにしてください。

この青ポールは大山では20年ぐらい前からお馴染みになりましたが、登るための目印ではありません。
曲がり角や急斜面ではやや密に、直線ルートではやや遠めに立てていますが、「次のポールが見えないとそこで引き返してください。」という目安で立てています。
もう少し密にという意見もありますが、ガスっていて、吹雪いて地吹雪などではわずか2mほど前を登る登山者が見えなくなることがあります。そうなるともう登ってはいけないレベルです。

登ってもいいかどうかという判断基準と同時にルートを外れないようにという目印の意味があります。
自分のミスでしたが、何年か前に下山途中に9合目から8合目に向かう途中で前が見えなくなるほど氷の粒が足元から吹き上げ、いきなり足元がフッと消えてしまいました。
落ちながら頭の中で「どこかわからないけど落ちてるな」と気がつき、すぐに滑落停止の姿勢をとりましたが、それでも20mぐらいは落ちてました。
上り返してわかりましたが、別山沢を落ちていました。
自分は右利きなので、無意識にルートより右に進んでいたと思います。
この時は新雪の下に氷の層があり、そこにうまくピックが食いついてくれたので助かりましたが、まさか自分がという慢心があったと思います。

厳冬期の大山においては、想定外のことが起こりえるのです。
生半可な装備と知識ではとうてい太刀打ちできないことをご理解ください。

・山頂避難小屋の利用について
山頂避難小屋は常時入れますが、雪で覆われて内部は暗いので、ライトをすぐに取り出せるようにしてください。

■1月22日(土)現在の烏ヶ山の情報
大山山系の南東に位置する標高1448mの独立峰です。
「西日本のマッターホルン」とも言われ、サントリーの「奥大山の天然水」で宇○田ヒカルが登った山として一気に人気が出てきました。
無雪期はブナ林の中を楽しみながら、山頂近くになるとテクニカルな岩場を楽しめる山ですが、今の積雪期はかなりレベルが上がってきます。

装備はず軽アイゼンでは無理です。必ず12本爪が必要です。
特に南峰から北峰の稜線は両側が切り立っており、ピッケルの滑落停止でもまず止まりません。

不慣れな方は南峰までで引き返したほうが賢明です。
またパーティーの中に不慣れな方がおられたら、必ずアンザイレンしてください。
必ず登りながら後ろを振り返ってみて、ここを下れるかどうかの判断をしながら登ってください。

また山スキーのメッカとしてもマニアの間では知られています。
新小屋峠側から登って1230mのピークから南峰までの間のカーラ谷が一般的です。
昔は春先の4月半ばに「烏ヶ山スラローム大会」が行われていてかなりの急勾配を滑り降りてました。
もちろんリフト等なく、上りはひたすら歩きです。
旗門2本目で板を引っ掛けてスッ転んだ記憶があります。

■近辺の道路情報
以下は冬期通行止めとなっています。春までは開きません。 お気を付けください。
大山環状道路
旧蒜山大山スカイライン
鏡ヶ成から一向平へのルート

登山装備

厳冬期の登山装備が必要です。

寒い場所ではスマホの電池消耗が予想以上に早いです。
予備のバッテリーを持つ、あるいは出来るだけ体に近い場所に入れておく、また携帯カイロを貼り付けておくなどの対策もお忘れなく。

注意点

装備は持っているけど、使い方がわからないのでYoutubeで勉強したなんてのは論外です。

「山は楽しく」登るものであり、決して命を掛ける場所ではないし、度胸試しの場所でもありません。
絶対に無理をしないように楽しみましょう。

お知らせ

日本山岳ガイド協会認定登山ガイド (自然公園指導員) 久保昌之
電話 090-7999-2931(携帯)

休暇村 奥大山  
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1 
電話 0859-75-2300

■Facebook「大山プロガイド協会」
https://www.facebook.com/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E5%8D%94%E4%BC%9A-105554551132283/

Face book「大山プロガイド協会」にて山のよもやま話、夏山登山道含めて大山山系の山々の情報を不定期に更新していますのでぜひご覧ください。
連絡先のメールアドレスは daisen.pro@gmail.comまたはフェイスブックより。

登山に関するお問い合わせはもちろんのこと、ガイドに興味がある方など資格取得に向けてお手伝いもさせていただきます。遠慮なくお問い合わせください。

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

米子市内でも30℃を越える夏日となりましたが、大山は気持ちの良い風が吹いていました2023.05.23

中国地方は梅雨入り。蒸し暑くなる季節、大山では薄着での行動とこまめな水分補給を2023.05.30

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 草鳴社ケルン付近からの眺め
  • 6合目避難小屋の様子
  • イワカガミが咲き始めました
  • 標高1500m下付近の残雪
  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

関連する山

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大山 標高 1,729m

 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

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