大山 | 大山プロガイド協会

ここ10日間程で積雪量が急増加、まだ降雪の予想あり。ホワイトアウト、雪庇、表層雪崩に注意

山頂にて剣ヶ峰方向(撮影 山岳ガイド 佐々木淳一様)(2022.02.28 休暇村 奥大山)
山頂にて剣ヶ峰方向(撮影 山岳ガイド 佐々木淳一様)(2022.02.28 休暇村 奥大山)
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天気・気温

鳥取市の天気予報
明日
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明後日
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14℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 0:00発表
松江市の天気予報
明日
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10℃
明後日
晴時々曇
29℃
14℃
日本気象協会提供 2024年5月9日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

2月23日水曜日の天候 
午前8時の大山寺の天候 雪 気温マイナス6℃ 微風
午前11時の6合目の天候 雪 気温マイナス8℃ 風やや強し

二十四節気の「雨水(うすい)」も過ぎ、暦の上では確実に春に向かっているにも拘らず、雪が降り続いています。
雨水とは降っていた雪が雨に変わり、積もっていた雪が解けて水になる頃という意味です。
草木も芽を出し始めて昔は農作業の準備を始める目安とされていました。
ところが、今年は冬型の気圧配置が連続してやってきて、例年以上の積雪になりそうなぐらいに積もっています。

登山道の状況

■2月23日水曜日の大山夏山登山道最新情報をお知らせします。
ここ10日間位で一気に積雪量が増えています。
登山口も下山キャンプ場からは入れません。南光河原からお入りください。

6合目辺りから上になると稜線に出て、日によっては猛烈な風とかホワイトアウトになる恐れが充分に考えられます。

気温が下がると自分のトレースも消えてしまいます。
「来た道をそのまま辿って帰ればいい。」は通用しません。

新雪がいきなり増えてきたということは、パウダースノーが吹き溜まりに山のようになり、稜線では雪庇がかなり大きくせり出しています。
また表層雪崩の危険性もありますので、出来るだけその日の状況をみてルート以外に入る際は充分にお気をつけください。

今年が特に大雪のように言われますが、これが例年だと考えてください。先シーズンと先々シーズンはどちらも例年より雪が少ない状況でした。
積雪量が一番多いのは2月終わりから3月始めにかけてです。
すなわちまだ増える可能性はあり得るということです。

今回、スノーシューでガイドに入りましたが新雪に入るとスノーシューでも30cm以上は沈み込み、途中からコースを変更しました。

■冬山パトロール
「大山プロガイド協会」として前回の11日に続いて2回目の冬山パトロールを行いました。
大山遭難防止協会に加盟している団体が当番で土日祝日に交代で登り、安全登山を呼びかけています。
今回の冬山パトは勝部、村上、山下の各プロガイド3名と、鳥取県警救助隊の若いお巡りさん2名と計5名でのパトロールとなりました。

登山道のパトロール隊は、雪で埋まった6合目避難小屋を広く掘り出すことに予定変更となりました。
山頂避難小屋は1階が完全に埋まってしまい、小屋の東側にある2階からの出入りとなっていますが、ここもかなり埋まっています。
当分はスコップ持参で登り、なおかつ掘らないと入れないと考えたほうがいいと思います。
(現在の入ってきた情報によると、やはり2階からの出入りのようです。)
小屋内は真っ暗ですので、ヘッドランプ等をザックのすぐ取り出せる所に入れておいてください。

登山装備

厳冬期雪山登山の装備が必要です。

寒い場所ではスマホの電池消耗が予想以上に早いです。
予備のバッテリーを持つ、あるいは出来るだけ体に近い場所に入れておく、また携帯カイロを貼り付けておくなどの対策もお忘れなく。

注意点

山屋の言葉で「勇気ある撤退」という言葉があります。
これは私たちも先輩から教わった言葉で、後輩に代々受け繋がれています。
いわゆる山屋の合言葉、山屋の慣用句だとだとご理解ください。
途中で撤退することは本人が一番悔しいはずですから何もここで格好をつける必要もありません。
他の登山者が登ってるから自分も続いてと考えるのが危険です。
山は安全第一で登りましょう。遊びに命を懸けてはいけません。

厳冬期の大山は生易しいものでなく、天候が荒れると独立峰であるため南アルプスよりも厳しい条件になります。
荒れた大自然の中では私たちの知識や技術、経験など微々たる力しか持ち得ません。
天候が崩れる予報であれば引き返しの判断は早めにしてください。

また山屋の世界では「ベテラン」という言葉はありません。
自分がベテランだと思うと判断に迷いが生じ、取り返しのつかない事故に繋がります。
常に初心者のつもりで安全に遊んでください。

お知らせ

日本山岳ガイド協会認定登山ガイド (自然公園指導員) 久保昌之
電話 090-7999-2931(携帯)

休暇村 奥大山  
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1 
電話 0859-75-2300

■Facebook「大山プロガイド協会」
https://www.facebook.com/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E5%8D%94%E4%BC%9A-105554551132283/

Facebook「大山プロガイド協会」にて山のよもやま話、夏山登山道含めて大山山系の山々の情報を不定期に更新していますのでぜひご覧ください。
連絡先のメールアドレスは daisen.pro@gmail.comまたはフェイスブックより。

登山に関するお問い合わせはもちろんのこと、ガイドに興味がある方など資格取得に向けてお手伝いもさせていただきます。遠慮なくお問い合わせください。

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

米子市内でも30℃を越える夏日となりましたが、大山は気持ちの良い風が吹いていました2023.05.23

中国地方は梅雨入り。蒸し暑くなる季節、大山では薄着での行動とこまめな水分補給を2023.05.30

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 草鳴社ケルン付近からの眺め
  • 6合目避難小屋の様子
  • イワカガミが咲き始めました
  • 標高1500m下付近の残雪
  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

関連する山

鳥取県 / 中国山地中部

大山 標高 1,729m

 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

鳥取県 岡山県 / 中国山地中部

蒜山 標高 1,202m

岡山県の最北端に位置する蒜山山群は、中国の名峰・大山連峰の東に連なり、鳥取県倉吉市と、岡山県真庭市との境界をなしている。 蒜山は95万年から50万年前に噴出したトロイデ火山である。岡山県側からの山容は穏やかで、広大な扇状地となり、古くは巨大な淡水湖を擁していたという。蒜山高原からは昭和34年(1969)、ステゴドン(東洋象)の臼歯の化石が発見された。またオオサンショウウオやムカシトンボ、ギフチョウなどの珍しい動物や昆虫のほか、ヒルゼンスゲやリュウキンカ、またイヨフウロ、ツクシゼリなどの貴重な動植物の宝庫となっている。  山名の「ひる」は「蛭の住むような広い湿地」を意味し、「ぜん」は大山(だいせん)の「せん」を真似、より威厳を持たせるため濁って読ませたという説もある。また蒜山には、巨人が住んでいたという伝説もあり、中蒜山と下蒜山の間のコルを「ふんぐり乢(たわ)」と呼ぶのは、この巨人が自分のフングリ(睾丸)を引っ掛けたから、ともいう。  蒜山へは、上蒜山の西麓の百合原牧場の柵を越えて山腹に取り付く。途中、皆ガ山の肩越しに大山が見える。8合目の槍(やり)ガ峰は上蒜(かみひる)一の展望台だ。上蒜山まで約3時間。中蒜山、下蒜山まではさらに約3時間。三山縦走は約8時間。

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ユーザーの登山記録から