気温が高いために登山道の積雪もかなり緩んでいます。アイゼンは10本から12本爪が必要です。

天気・気温

山と周辺の状況

2023年1月13日(木曜日)現在の大山夏山登山道の最新情報をお知らせします。
(佐々木淳一ガイドよりの情報提供)

昨日11日とこの12日は非常に暖かくなり、天候も快晴と今シーズンに一日あるないかぐらいの穏やかな天候でした。
13日からは日本を覆っていた高気圧が関東の南東の会場に離れ、西から低気圧が接近します。天候は下り坂で気温も高めで推移するので、大山付近でも雨が降るところがあります。
季節外れの暖かさです(13日には標高920ｍの奥大山鏡ヶ成でも気温6℃、天候は雨となっています)。

登山道の状況

気温が高いために登山道の積雪もかなり緩んでいて、5合目辺りまではキックステップでも登れる状態でした。
よく我々ガイドが聞かれることとして「アイゼンは何本が必要ですか?」ですが、冬の積雪期の大山に安全に登るためには、10本から12本爪が必要です。
軽アイゼンとか爪の短い10本爪だと緩斜面では有効ですが、大山の急傾斜には対応が難しいと思います。
またアイゼンを履くタイミングですが、自分で危険だと思う場所で履いてください。

登っていけば、当然のように気温が下がってくる訳ですから、条件は厳しくなります。一昔前のいわゆる「山や」はギリギリまでアイゼンを履かないで登るのが美徳でした。
当時は鉄製の8本爪が主流で12本の前爪のついたアイゼンはお金がない学生にとっては垂涎の的でした。
アイスバーンの急傾斜を6本とか8本で登るわけですから、ピッケルで足掛かりを造らないと登れません。

と同時に下山時にグリセードをするために短いと使えなかったので、今よりも長めの70cmから80cmぐらいが普通でした。
今のピッケルの役目としては、バランス保持と滑落停止が主です。
よほど危険な場所に行かない限りは滑落停止の技術を使うこともありませんが、一度は登山教室とかガイドについて、正しい技術を身につけておくことも必要です。
ピッケルは使い方を間違えると自分自身を傷つけてしまうことにもなりかねません。

厳冬期の大山は夏と大違いで大変に危険な山になります。日帰りの予定であってもビバークできるだけの装備と非常食は必ずお持ちください。

■青色の目印ポール
6合目から上では青色の目印ポールを立てています。
これは山頂までの誘導のためのポールではありません。
猛吹雪でホワイトアウトになった時に、その先のポールが見えないと、それ以上登らないでください。
「これ以上登っては危険です。」という意味の青ポールです。

登山装備

■装備　厳冬期雪山装備が基本
厳冬期の大山は夏と大違いで大変に危険な山になります。
日帰りの予定であってもビバークできるだけの装備と非常食は必ずお持ちください。

必ず前爪のついた12本アイゼンをお持ちください。
某メーカーより前爪のついた10本アイゼンが安価で販売されていますが、爪自体が短いので、これは軽アイゼンと同じと考えてください。

テルモス（保温水筒）に熱湯を入れて持参すれば、山頂で暖かい飲み物が飲めます。
最近は保温能力の高い保温ボトルが発売されていますので、色々と情報を集めてみてください。

注意点

無理をしないで「勇気ある撤退すること」も登山です。
行けるところまで行ってみてダメなら引き返そうというのが一番危険なパターンです。

お知らせ

日本山岳ガイド協会認定登山ガイド　（自然公園指導員）　久保昌之
電話 090-7999-2931（携帯）

休暇村　奥大山　　
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1　
電話 0859-75-2300

■Facebook「大山プロガイド協会」
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昨年の今頃の様子は？

大山はようやく冬の様相になってきました。アイゼンは前歯のついた10本または12本をご用意ください。2024.12.12

8合目辺りから山頂避難小屋までの間に目印の青色ポールを整備しました。目印ポールを目指して登山してください2024.12.23

ここ数年の中では雪の多い年となっています。予報で悪天候になるのが予測される場合、決して無理をしないでください。2025.01.10

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

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