天候が落ち着いていても厳冬期の装備は必須。状況に応じて適切な判断を
天気・気温
山と周辺の状況
2月22日水曜日 大山山系烏ヶ山の最新情報をお知らせします。
(村上伸祐ガイドよりの情報提供)
大山山系の烏ヶ山は積雪期になるとバックカントリースキーのメッカとなります。特にカーラ谷はすり鉢状の斜面が続き、標高が下がるにつれ扇状に広がり、しかも比較的に遅くまで雪が残るので、これからシーズンインとなります。新雪が降ると平日はラッセルになるので、スノーシューは必携です。1230ピークを過ぎたあたりから南峰直下までは、その日の状況によりスノーシューかアイゼンかを判断してください。
南峰直下からはアイゼンが必携です。もちろん前歯のついた12本です。ストックからピッケルに持ち替えてください。充分すぎるぐらいに注意しないと、右の烏谷に滑落するとピッケルでも制動は効きません。南峰直下の岩場から北峰山頂までは緊張の連続です。初心者だけでは難しいと思われますので、必ずロープの使える経験者と登ってください。初心者だけであれば1230ピークまでで引き返した方が賢明です。
ここ烏ヶ山の登山口がある鏡ヶ成は『休暇村奥大山』をベースに初心者から上級者までのフィールドが拡がっています。特にスノーシューで遊ぶのは最適な場所です。
前回のレポートでもお知らせしましたが、最近は「尻セード」からヒップそりなど、滑り降りることが遊びとして流行ってきました。烏ヶ山のカーラ谷も滑り降りるのに最適な斜面ですが、アイゼンとかスノーシューを外さないと、いざ止まろうとするとアイゼンが引っ掛かって、足首を痛めたり、足を中心に頭が下方向に回転して、立木にぶつかるという遭難事故に繋がってしまいます。その日の天候により斜面の状況は登るたびに違います。同時に山での道具の間違えた使い方は事故を起こします。特に尻セードでで遊ぶときは、まずピッケルでの制動の掛け方が最低限必要ですし、中途半端な知識では自分の足などを傷つけることにもなりかねません。必ずアイゼンとかスノーシューは外してください。
また、ヒップソリも登山道での使用は控えてください。せっかく作られたステップが無くなってしまいます。必ず登山道の横とか、登山者に迷惑がかからないような場所で楽しんでください。
以前のようにグリセードが出来る方をほとんど見かけなくなりました。これが出来る方はある程度の判断が出来ますので、正しいグリセードを習得して遊んでみるのもいいかもしれません。
天候の落ち着いている時の大山は、非常に魅力的な山ですが、それは厳冬期の装備を持って登ることが必要条件です。中途半端な装備で気楽に登れる山ではありませんのでご注意ください。
今の時期の大山は一度荒れると南アルプスよりも厳しい条件となります。くれぐれも単独登山は避けて無理のない行動をしてください。
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登山道の状況
夏山登山道ルートにおいては5合目から6合目より上になると、一気に西風が強くなり、条件がまったく異なり厳しくなります。6合目辺りで状況を見ながら判断をした方がいいと思われます。
個人の経験上、荒れた天候の時は南アルプス辺りと同等あるいはそれ以上の厳しい条件となりますので、標高が低いからと侮らないでください。
■青色の目印ポール
6合目から上では青色の目印ポールを立てています。これは山頂までの誘導のためのポールではありません。
猛吹雪でホワイトアウトになった時に、その先のポールが見えないと、それ以上登らないでください。
「これ以上登っては危険です。」という意味の青ポールです。
登山装備
■装備 厳冬期雪山装備が基本
厳冬期の大山は夏と大違いで大変に危険な山になります。
日帰りの予定であってもビバークできるだけの装備と非常食は必ずお持ちください。
必ず前爪のついた12本アイゼンをお持ちください。
某メーカーより前爪のついた10本アイゼンが安価で販売されていますが、爪自体が短いので、これは軽アイゼンと同じと考えてください。
テルモス(保温水筒)に熱湯を入れて持参すれば、山頂で暖かい飲み物が飲めます。
最近は保温能力の高い保温ボトルが発売されていますので、色々と情報を集めてみてください。
注意点
無理をしないで「勇気ある撤退すること」も登山です。
行けるところまで行ってみてダメなら引き返そうというのが一番危険なパターンです。
お知らせ
日本山岳ガイド協会認定登山ガイド (自然公園指導員) 久保昌之
電話 090-7999-2931(携帯)
休暇村 奥大山
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1
電話 0859-75-2300
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