単独登山を計画する際にはレベルを下げた山域の選定を 島崎三歩の「山岳通信」第192号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年6月25日に配信された192号では、単独登山者の遭難事例が締めていることを挙げ、慎重な登山計画を呼びかけている。

 

7月3日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第192号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月27日、松本市梓川の金松寺山で、単独で入山した79歳の男性が、金松寺山を登山中に道に迷い行方不明となる山岳遭難が発生。男性は翌27日に松本警察署山岳遭難救助隊員により救助された。

  • 6月28日、中央アルプス中岳で、単独で入山した50歳の男性が、中岳付近を登山中に滑落し、技量不足のため行動ができなくなる山岳遭難が発生。男性は駒ヶ根警察署山岳遭難救助隊員及び中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月4週は、2件の山岳遭難の発生がありました。2件ともに単独登山者の遭難です。単独登山を計画する際には、ゆとりある日程と、自身の体力や技術よりもレベルを下げた山域を選定しましょう。

また、長野県内では、熊の目撃や襲われる事案が発生しています。登山をする際には、熊などの野生動物が生息するエリアに足を踏み入れている意識を持ち、鈴やラジオなどの音が出るものを携帯しましょう。

なお、梅雨の晴れ間をみて、登山をされる方も多いと思いますが、梅雨時の山岳エリアは、天候変化が早く、都市部や山麓とは異なる場合があります。登山中も天候急変の前兆を感じた場合には、登山の中止や早めの下山を検討しましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。 6月以降、これまでの登山シーズンとの大きな違いは――

  • ①山岳における救助活動は、必要に応じて感染防止対策を講じた上で出動するため、通常より救助に向かう時間を要する。
  • ②多くの山小屋が例年より営業開始時期を遅らせているため、相談・休憩・避難・環境維持としての機能が低下する。

となっています。

また、以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

信州の山小屋応援プロジェクト開始!

長野県では、ふるさと納税で山小屋の支援をよびかける「信州の山小屋応援プロジェクト」を、7月1日より、ふるさとチョイス内で開始しました。本プロジェクトを利用して長野県にふるさと納税を行うと、返礼品はないものの自身の経済的な負担なしに寄付ができることになり、結果的に登山者のオアシスである山小屋を支援できることになります。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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