甲府盆地の奥に広がる奥秩父前衛の山。展望を楽しむ6コース

秋枯れの乾徳山(写真/がくさんの登山記録より)
文/編集部
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富士山、南アルプス、奥秩父などの展望が素晴らしい山々

より一層秋も深まる11月、標高2000m級の山々では雪の便りもちらほら届き、紅葉前線は1000m付近まで下がり、行楽地でも見頃を迎え始める。この時期は空気も澄んで視界が開けてくるため、展望を楽しむのに最適だ。今回は、山梨県・甲府盆地の奥に広がる奥秩父前衛の山をピックアップしてご紹介する。

落ち葉に覆われた登山道※イメージ(写真/ムラチャンさん

ここで改めて注意点だが、秋は登山道が落ち葉で不明瞭となる場合もあるので、こまめに現在地確認を忘れずに。また日没も早いため、早めに下山するよう計画を立てることが望ましい。なお、天候によっては凍結などの場合もあるので、事前に状況を確認・判断の上、必要に応じて相応の装備で臨みたい。

森、草原、岩場、展望と多彩な魅力の乾徳山

塩山の恵林寺を開山した夢窓国師が修行した山。恵林寺の乾(いぬい。北西の意味)の方角にあり、徳和地区にあるので乾徳山(けんとくさん)と呼ばれるようになったといわれている。森、草原、岩場、展望と変化に富んでいるのが魅力だ。標高は2031mで、奥秩父前衛でも人気の山のひとつ。日本二百名山に選ばれている。

乾徳山山頂からの富士山(写真/サンシマさん

乾徳山登山口から、銀晶水、錦晶水、扇平を経て山頂へ。北側に下りて水のタル、国師ヶ原、道満尾根を経て徳和に帰ると、8の字周遊コースとなって変化があって面白い。頂上手前にはスリリングな岩場があるが、岩場に自信が無い場合は、迂回路を利用しよう。その他、大平高原からのコースも人気がある。

山頂手前の鳳岩(写真/がくさん

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行程・コース

最適日数:  日帰り 0時間0分
総歩行距離: 

高低図

関連する登山記録

深田久弥終焉の山、茅ヶ岳。金ヶ岳とセットで登る周回コース

茅ヶ岳(かやがたけ)は、『日本百名山』の著者・深田久弥が急逝した山としてよく知られている。山麓にある深田記念公園では、4月に「深田祭」が催される。山容が八ヶ岳に似ているので、「ニセ八ツ」という俗称もある。二百名山に選ばれている。

金ヶ岳付近からの茅ヶ岳と富士山(写真/Yuji-kunさん

登山起点は深田記念公園。背後にある金ヶ岳の方が標高がやや高く、せっかくなのでこの2山を縦走したいが、深田記念公園起点の周回は後半の林道歩きが長いのがネックなので、往復コースでもよい。なお、茅ヶ岳から金ヶ岳への道はやせ尾根歩きや急降下があり険しい。初級者の場合は茅ヶ岳のみの往復がよいだろう。

茅ヶ岳~金ヶ岳間の石門(写真/Yuji-kunさん

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行程・コース

最適日数:  日間
総歩行距離: 
行程:

高低図

有数の景勝地・昇仙峡西の羅漢寺山と御嶽古道を歩く

甲府北方に位置する昇仙峡は、花崗岩の奇岩や滝、渓流が美しい景勝地。その昇仙峡の西にそびえる山が羅漢寺山(らかんじやま)だ。羅漢寺山は付近の峰々の総称で、最高峰は弥三郎岳(やさぶろうだけ)。近くのパノラマ台までロープウェイで行けるため、こちらも観光地になっており、昇仙峡とともに紅葉の時期には多くの観光客で賑わう。この羅漢寺山まで、ロープウェイを使わずに歩いてみよう。

白砂がまぶしい白山からの展望(写真/すーさん

長潭橋(ながとろばし)そばの登山道入口から登り、いったん車道に出てからまた山道に入り、外道ノ原に向かう。途中、展望がよい白山に寄り、白砂山の分岐を過ぎてパノラマ台へ。パノラマ台までロープウェイが通じているので、観光地の様相となる。ここからは観光客に混じって弥三郎岳を往復しよう。一枚岩の山頂からは素晴らしい展望が広がる。

パノラマ台から先、喧噪を離れ金峰山の里宮・金桜神社まで御嶽古道を歩く。かつて、金桜神社まで参詣道として歩かれていた道である。神社からは、車の通行に注意しながらロープウェイ駅まで車道を歩く。

弥三郎岳から奥秩父方面の展望(写真/すーさん

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行程・コース

最適日数:  日帰り 4時間30分
総歩行距離:  8,000m  上り標高: 850m  下り標高: 485m
行程: 長潭橋・・・外道ノ原・・・白山・・・パノラマ台・・・羅漢寺山(弥三郎岳)・・・パノラマ台・・・金桜神社

高低図

ほったらかし温泉から、棚山へ里山トレッキング

棚山(たなやま)は、かつてはあまり知られていない山だったが、ほったらかし温泉から登山道が整備され、よく登られるようになった。山梨市方面から見ると、立派な山容をしており、山中には大岩が点在して興味深い。

山頂から南アルプス方面の展望(写真/ストーリーズさん

ほったらかし温泉の駐車場を利用する場合は、その旨断ってから登ろう。ほったらかし温泉からスタートして、道標に従いながら展望が開けた林道を進む。林道終点から少し下がって舗装路が合流し、山道に入る。重ね岩コースから登り、山頂へ。山頂からは南アルプスの展望が良い。下りは山の神コースからほったらかし温泉へと戻る。

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行程・コース

最適日数:  日帰り 3時間45分
総歩行距離:  8,000m  上り標高: 675m  下り標高: 675m
行程: ほったらかし温泉・・・林道終点・・・分岐・・・重ね岩・・・棚山・・・山の神・・・分岐・・・林道終点・・・ほったらかし温泉

高低図

要害山から大蔵経寺山へ。山梨百名山2座をめぐる

要害山は武田信玄生誕の地と言われ、現在でも城跡の遺構が残っている。一方、大蔵経寺山は石和温泉の裏にあり、奥秩父前衛の南端に位置する山。1000mに満たない山々であるが、どちらも山梨百名山に選ばれている。

大蔵経寺と大蔵経寺山(写真/hiroさん

要害山から東へ尾根を進み、峠道をたどっていくと深草観音がある。岩穴への鉄バシゴが圧巻。岩堂峠から尾根を巻き、道標に従って雑木林の美しい稜線を大蔵経寺山へ。大蔵経寺山の山頂は展望が望めないが、大蔵経寺方面に下る途中から、甲府盆地の展望が開ける。

大蔵経寺山中腹からの展望(写真/チュ~ヤソさん

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行程・コース

最適日数:  日帰り 5時間25分
総歩行距離:  11,050m  上り標高: 780m  下り標高: 990m
行程: 積翠寺バス停・・・要害山登山口・・・要害山・・・岩堂峠・・・鹿穴南分岐・・・大蔵経寺山・・・山神宮・・・石和温泉駅

高低図

そそり立つハサミ岩が圧巻の太刀岡山

「たちおかやま」と読む。山名は、日本武尊が東征の帰路に山頂に太刀を残したという伝説が由来とされている。茅ヶ岳の東側に位置し、岩がそそり立つような山容が特徴の山。山中には岩が露出している箇所が多く、クライミングのゲレンデとしても知られるハサミ岩が圧巻。

太刀岡山からの展望(写真/たがよっちゃんさん

太刀岡山登山口から急登、ハサミ岩を経て南峰に到着する。最高点の北峰は灌木に囲まれている。急坂を下り、越道峠からはなだらかに平見城集落に出て、登山口まで車道をたどる。越道峠から黒富士、曲岳をつないで歩く健脚者もいるが、急な登り下りや岩場がある上、長丁場の行程となる。初級者の場合、無理は禁物だ。

そそり立つハサミ岩(写真/小泉電気さん

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行程・コース

最適日数:  日帰り 3時間10分
総歩行距離:  5,700m  上り標高: 535m  下り標高: 535m
行程: 登山口・・・カニのハサミ岩・・・太刀岡山(北峰)・・・越道峠・・・登山口

高低図