北陸新幹線延伸記念！どう登る？福井県のおすすめの山3選！

コースガイド

2024年3月16日、北陸新幹線が金沢〜敦賀間が開業し、都市圏から福井県の山に登りやすくなった。ここでは福井県でぜひ登っておきたい山を3つ紹介しよう。

ガイド文・写真＝森田伸人（日本山岳会福井支部）、トップ写真＝PIXTA

日本のポンペイ、国史跡一乗谷朝倉氏遺跡にそびえる山城一乗城山（いちじょうしろやま）

福井県／476m

国特別史跡「一乗谷朝倉氏遺跡」は、戦国大名の雄「朝倉氏」が戦乱の15～16世紀、五代百年余にわたって栄えた城下町の遺跡だ。北の小京都と呼ばれたこの地には最盛時には1万人もの人口を数え、京都に次ぐ大都市で、戦乱の京を逃れた公家や僧侶など文化人も暮らしていた。1573年織田信長によって焼き討ちにされて以後放置され、1967年に発掘調査が開始されるまでの約400年地下に眠っていた。1971年には一乗谷城を含む278haが国特別史跡に指定され、さらに諏訪館跡庭園など4つの特別名勝庭園、2343点の重要文化財が出土している。その朝倉氏が築いた巨大な山城に上れば、新緑の一乗谷と福井平野を日本海まで一望にできる。

Course Information

コースタイム

JR越美北線一乗谷（いちじょうだに）駅〜向山橋・安波賀（あばか）登山口〜千畳敷跡〜三の丸（山頂）〜一乗谷駅／計3時間

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山行アドバイス

山頂（三の丸）への歩行時間は往復約3時間。途中特に危険な個所はないが、山中にトイレや避難小屋などの施設はない。急な坂道が多く天候の急変などに備えて、軽登山靴や雨具など軽登山用の装備は最低限必要だ。新緑の時期はもちろん、秋の紅葉の季節も美しい。

登山口情報

北陸新幹線福井駅下車、JR越美北線一乗谷駅下車（18分、260円）。英林塚と安波賀登山口にはイノシシ除けのネットや電気柵があり、ファスナーやフックを開けて入る。通過後は必ずこれらを閉じること。一乗谷朝倉氏遺跡には巨石の下城戸、朝倉氏館と唐門、湯殿跡・諏訪館跡・義景（よしかげ）館跡・南陽寺（なんようじ）跡の名勝庭園、復元町並、一乗谷朝倉氏遺跡博物館・分館と見どころいっぱいだ。

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この記事に登場する山

百名山

福井県 / 越美・伊吹山地

荒島岳標高 1,523m

　福井県大野市にある、深田久弥によって『日本百名山』に加えられた山体は、三方が切り立った斜面で、見上げる者に独立峰の印象を与える。古来、大野盆地の人々の尊敬を集めてきたのであろう。平安初期に書かれた延喜式に荒島神社の名があることからも、この山の存在の重さを想像できる。　山中のブナ林は、北面の勝原（かどはら）からの登山道周辺でも、下生えにオオバクロモジを配した巨木が立ち並ぶ多雪地帯の林相を示しているが、特に南東面が見事だ。また急峻な地勢は鬼谷や荒島谷川などいくつもの滝を形成し、中でも大垂（おおだる）滝は落差が60mあり、福井県下第一である。　冬期、荒島岳は大野盆地より吹き上げる季節風と、多量の降雪によって一変する。南面のナナザコ側では雪崩が多く起こり、ときには夏期に荒島谷川で残雪を見るほどである。　一等三角点（補点）の山頂からの展望は極めてよく、越前、美濃の山々はもちろん、遠く、槍・穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山なども見える。　登山道は大野市勝原（かどはら）、中出（なかんで）、佐開（さびらき）から、いずれもシャクナゲ平で合流し、「もちがかべ」と呼ばれる急な登りを経て頂上に向かう。所要3時間30分。別に下山（しもやま）コースがあるが、難路だ。

福井県 /

一乗城山標高 473m

福井市の東南に位置する山で、戦国大名の朝倉氏が築いた一乗谷城のあった山として知られる。一乗谷城は1573年9月に織田信長と朝倉義景の間で行なわれた合戦で、周囲の市街と共に落城、400年近く放置されたが、現在は周囲は遺跡公園として整備されていて、往時の朝倉氏の勢力が伺うことができる。往時の町並みが復元された遺跡公園周辺ののどかな風景は撮影などにも利用され、にぎわいを見せている。

福井県 / 敦賀半島

西方ヶ岳標高 764m

　敦賀半島の中ほどにある。福井県の山としては珍しく、すべて花崗岩で構成されている。　登山口の、常緑樹木の暗い森のかたわらに建つ常宮神社には新羅渡来、太和7年銘の梵鐘（国宝指定）が残されており、日本海を挟んでの、古代の交通がしのばれる。　標高500m付近に立つオーム岩は、江戸時代「言葉石」と呼ばれ『東遊記』によれば小浜の殿様も遊覧に来るほどだったという。　海岸を背にしてすぐ登りとなる西方ヶ岳では、暖地性のものから頂上近くのブナ林まで、まるで垂直分布図を見るように、植物の種類が豊富である。　山頂にはかわいい山小屋があり、その前に立つと、敦賀湾を真下に、遠くは白山までの福井の山々が展開する。　登山道は常宮から3時間。栄螺ヶ岳（蠑螺ヶ岳・さざえがたけ）を経て浦底へ至る道もある。