あれはUFOだったのか? 山のなかで目撃した謎の発光体

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2024年6月に山と溪谷オンラインで実施した「山の心霊体験・不思議な体験に関するアンケート」では100件を超える回答があった。そのなかでも特に怖かった心霊体験について、「登山×心霊」をテーマに執筆活動を行なう成瀬魚交(なるせ・うこう)さんが、追加取材のうえ実話怪談としてリライト。第4弾は山のなかで謎の発光体を目撃したYさんのお話。

文=成瀬魚交 写真=PIXTA

なにかが起きる……? ダイヤモンドトレール縦走

「高校生のときにワンゲル部に入っておりましてね、そこからずっと山登りを続けてきました」

Yさんは大阪府にお住まいの男性である。還暦を越えた現在でも、月に1~2回は山へ登り、年に一度はアルプスを訪れるという健脚の持ち主だ。30代から40代にかけてブランクがあるものの、登山歴40年以上の大ベテランと言って差し支えない。

「ふだんはもっぱら近所の山をトレッキングする程度ですが、仕事で九州へ出張に行くことが多くて、くじゅう連山にも行ったりします」

そんなYさんが高校2年生のころ、近くの山で不思議なものを目撃したという。

「先輩たちもよく行っとったコースでね。そこに友人と3人で行くことにしたんです」

Yさんたち3人が訪れたのは、大阪、奈良、和歌山の県境に位置する金剛葛城(こんごうかつらぎ)山系――ダイヤモンドトレールと名づけられた縦走路である。奈良県香芝市にある屯鶴峯(どんづるぼう)から入山して二上山(にじょうさん)、葛城山と南へ向かって尾根をたどり、金剛山、岩湧山(いわわきさん)と通過して、最後は大阪府和泉市にある槇尾山(よこおやま)へ至る、全長約45kmに及ぶコースだ。Yさんたちは春休み期間を利用して、2泊3日の行程を組んでこの稜線を縦走することにした。

「行程自体はのんびりなんですが、先輩たちに行く前からビビらされてましたね。詳しい場所がどこだったかは聞いてないんですが、彼らもこのコースで変な体験をしたんだそうです」

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プロフィール

成瀬魚交(なるせ・うこう)

1990年生まれ。東海大学探検会OB。学生時代はスリランカ密林遺跡踏査、秋田県民間信仰調査などの活動を行なった。現在は編集者・ライターとして各地の渓谷や不思議スポットを訪れたり、聞き書きなどで実話怪談を手がける。

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太古の時代から、山は人ならざるものが息づく異界だった。そうした空間へ踏み込んでいく登山では、ときとして不可思議な体験をすることがある。そんな怪異体験を紹介しよう。

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