テント泊登山の安眠は寝具の最適化がカギ!最新寝袋&マットカタログ
最新ギアの情報を紹介している雑誌『山と溪谷』2025年6月号の企画「2025テント泊装備」から、寝袋(シュラフ、スリーピングバッグ)とマットのカタログを抜粋。快適化・軽量化を追求したアイテムのなかから、幅広い登山者におすすめできる12モデルを紹介しよう。
文=吉澤英晃 写真=小山幸彦(CLOCK)
マット
R値は2が目安。寝心地を重視するか予算を低く抑えるか
マットの種類は3つ。空気で膨らませるエアマット。中にスポンジ状の素材が入っていて、バブルを開けるとある程度まで自動的に膨張するセルフインフレーティングマット。発泡素材で作られるクローズドセルマットがある。
エアマットは3種類のなかで最も厚みがあり、収納サイズを小さくできる。パンクするリクスはあるが、丁寧に扱えば過度に心配する必要はない。その対極に位置するのがクローズドセルマットで、3種類のなかで最も薄く、収納サイズは大きくなってしまう。ただし故障する心配がない点は大きな魅力だ。セルフインフレーティングマットはエアマットとクローズドセルマットの中間に位置している。ちなみに、マットは厚みに比例して値段が高くなる傾向にある。
マットの断熱性はR値という数値で表示されていることが多く、一般的に〜2は夏、〜4は春から秋用といわれている。ただし筆者は経験上、3シーズンで使うならR値は2もあれば充分。それ以上は積雪期に対応すると感じている。
素材を見直して軽量性と断熱性がレベルアップシートゥサミット/イーサーライトXRマット(レギュラー)【R値4.1】
同ブランドのエアマットのなかで最も軽く、最も厚く、最も静かなフラッグシップモデル。断熱素材が反射フィルムに改良されたおかげで一段と軽くなり、断熱性もアップした。両サイドのチューブがほかよりも太くなっていて、包まれるような感覚があり、寝返りを打ってもズレ落ちにくい。
| 価格 | 31,680円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 470g |
| サイズ | 183×55cm |
| 厚み | 10cm |
快適すぎる寝心地があらゆる環境で快眠に誘うサーマレスト/ネオロフト(レギュラー)【R値4.7】
厚みが11.7cmもあり、エアマットというよりエアベッドと形容するほうがしっくりくる。寝心地の良さは期待を裏切らず、一度横になればフカフカのクッション性が病みつきになるはずだ。重量は710gもあるが、使用サイズと比較して相対的に考えると、実際にはかなり軽く感じられる。
| 価格 | 46,200円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 710g |
| サイズ | 185×56cm |
| 厚み | 11.7cm |
とにかく軽いエアマットが欲しい人にはこれがイチ推しニーモ/テンサーエリート(レギュラーマミー)【R値2.4】
長さ183cmの全身サイズに対して、重さはわずか240gという超軽量エアマット。このマット用に作られた極薄のコーデュラナイロンを使い、一般的なエアマットより厚みを抑えることで軽量化を実現させた。それでも寝心地に不満は一切なく、優れたクッション性があり静音性も備えている。
| 価格 | 33,000円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 240g |
| サイズ | 183×51cm |
| 厚み | 7.6cm |
低予算で寝心地のいいマットを探しているユーザーにマジックマウンテン/スーパーライトⅡ・160【R値2.6】
ウレタンフォームを内蔵するセルフインフレーティングマット。3シーズンで使うには、R値2.6のスペックは充分すぎるほど。全身を覆う180cmと半身タイプの120cmも用意されているが、重さを考慮すると160cmが最もバランスがいいといえそうだ。裏面には滑り止め加工が施されている。
| 価格 | 13,750円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 485g |
| サイズ | 160×51cm |
| 厚み | 2.5cm |
パカッと開くと広いシート状にトランスフォームモンベル/マルチ フォームパッド150【R値2.1〜1.4】
外見はスタンダードな折りたたみ式のクローズドセルマットだが、じつは2枚のマットが上下に折り重なっていて、横に広げると正方形に近い150×100cmのサイズに変形する。ソロで使うときは写真の状態、ペアで使うときは広げて使うなど、シーンに応じて臨機応変に活躍する。
| 価格 | 8,800円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 460g |
| サイズ | 150×50〜100cm |
| 厚み | 1.6〜1.2cm |
春から秋まで対応する、手を出しやすいエントリー向けサーマレスト/リッジレストクラシック(レギュラー)【R値2】
オーソドックスなクローズドセルマットだが、充分な断熱性を備え、183cmの長さで重量400gは標準的なスペック。それでいて値段がかなり手頃なので、初めてのマットにおすすめできる。1.5cmの厚みが気になるかもしれないが、寝心地の良さに予算を割くか、悩ましいところである。
| 価格 | 6,380円(税込) |
|---|---|
| 重量 | 400g |
| サイズ | 183×51cm |
| 厚み | 1.5cm |
(山と溪谷2025年6月号より転載)
プロフィール
吉澤 英晃
1986年生まれ。群馬県出身。大学の探検サークルで登山と出合い、卒業後、山道具を扱う企業の営業マンとして約7年勤めた後、ライターとして独立。道具にまつわる記事を中心に登山系メディアで活動する。
雑誌『山と溪谷』特集より
1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。
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