天然クーラーで超涼しい! 家族で探検・見学できる「風穴」5選

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山の麓で時々見かける、「風穴」の2文字。冷たい空気が出てきて、不思議な雰囲気が漂います。今回は内部を探検・見学できる風穴を紹介します。風穴の入り口をグーグルストリートビューで表示したので、まずは涼しさを想像してみてください。そして、実際に行って残暑を乗り切ろう!

文=山と溪谷オンライン編集部 写真=pixta

目次

ひんやり空間で探検家気分 鷲沢風穴(わしざわふうけつ)

静岡県・浜松市

浜松市を流れる津田川流域の山地には、石灰岩が分布しているエリアがあり、鍾乳洞がいくつかある。そのなかでも風穴の名がついているのが鷲沢風穴。洞内は約15度で、上着が欲しくなるほど涼しい。洞窟内に入るといきなり広々とした空間があり驚く。洞内は2階建てで見ごたえがあり、特に水平な天井は世界的に希少だという。また、ホームページからは マップをダウンロード できるようになっているので、印刷し、マップを見ながら風穴内を歩けば探検家気分アップ。

鷲沢風穴から目と鼻の先にある、石灰岩の岩峰のある絶景スポット・立須(たちす)もセットで楽しみたい。地下と地上、両方の景色を思い出に残そう。

DATA

住所:静岡県浜松市浜名区鷲沢町428
入場料:大人600円、子ども300円
駐車台数:20台

12~13度の天然の冷気を浴びる 河内の風穴(かわちのかざあな)

滋賀県・犬上郡

河内の風穴

鈴鹿山脈の北端に位置する霊仙山(りょうぜんさん、1084m)は花の百名山で知られ、カルスト台地の景色を見ることのできる山。そんな霊仙山のカルスト地形が生み出したのが、河内の風穴。子どもがちょうど入れるくらい、大人はかがんで入り口をくぐりぬけ、地底に下りていくと高さ20mほどの大広間が! 見学コースは2階建てになっており、満足感のある地底探検となること間違いなし。

DATA

住所:滋賀県犬上郡多賀町河内147−1
入場料:大人500円、子ども300円
駐車台数:40台、有料

香川県のご当地富士山の中腹にある 高鉢山風穴(たかはちやまふうけつ)

香川県・綾歌郡

高鉢山風穴

香川県の讃岐平野(さぬきへいや)には、ご当地富士だとか、おむすび山の愛称がつく、特徴的な形の山が存在している。その中の一つ、高鉢山の中腹に風穴はある。風穴の石垣は大正時代につくられたもので、苔むしている。通路を少し歩くと奥には砂利が敷かれ、屋根のある涼スポットが。この風穴は、中に入るというより、通路の奥から噴き出す冷気を感じるという構造になっている。洞窟ではないので日によって温度は違うが、温度計の数字がが一桁のことも。山の岩肌の隙間から入った風が、山の中を通って冷やされ、この風穴から天然の冷風となって出てくるという。

DATA

住所:香川県綾歌郡綾川町西分
入場料:無料
駐車台数:管理棟(閉鎖中)横の駐車スペースに数台、無料

住宅街に突如現われる涼スポット 駒門風穴(こまかどかざあな)

静岡県・御殿場市

駒門風穴

富士山にゆかりのある風穴と聞くと、樹海の景色が想像されるが、こちらの駒門風穴はなんとの住宅街のなかにあるので驚きだ。富士山の噴火によってできた溶岩洞窟として、最大級かつ最古の部類。風穴は信仰の対象になっており、神聖な雰囲気だ。歴史ある駒門風穴は途中二つに分かれ、メインの穴は200m以上もあり、見かけによらず奥行きがある。洞内は年間を通して約13度。風穴の見学後は、入り口付近においしい湧き水があるので探してみよう。

DATA

住所:静岡県御殿場市駒門69
入場料:大人300円、中・高校生200円、小学生100円
駐車台数:15台

上高地に向かう途中の道の駅にある 稲核風穴(いねこきふうけつ)

長野県・松本市

稲核風穴

北アルプスの玄関口、上高地(かみこうち)に向かう途中の車内から、誰もが一度は看板に見たことがあるであろう「道の駅 風穴の里」の標識。この道の駅にはその名の通り、一般見学用の風穴がある。かつて地元ではこの施設以外にも、風穴が何カ所かあり、食材を熟成・保存していたという。今は一般公開用スペースの隣で味噌や、稲核菜(いねこきな)の漬物がなど熟成されており、道の駅で買うことができる。

DATA

住所:長野県松本市安曇稲核3528−1
入場料:無料
駐車台数:32台

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この記事に登場する山

滋賀県 / 鈴鹿・布引山地

霊仙山 標高 1,084m

 鈴鹿山脈の北端に位置する。山頂にはドリーネが点在し、クマザサと広々とした高原がある。天気さえよければ、快適な高原ハイクを楽しめる山だ。  霊仙の名前どおり、宗教的な雰囲気が周辺の山麓にも多く残っている。さらに霊仙三蔵の生地が米原町技折で、谷や峰には祠や行場などがある。  霊仙山は阿弥陀ガ峰、ソノド、コザト、谷山などの衛星峰がたくさんある。山頂への一般的なルートとしてはJR東海道線醒井駅から上丹生を経て、途中、漆滝を見て登るコース。下山は汗ふき峠から榑(くれ)ガ畑(はた)を経て醒井(さめがい)養鱒場に至る。ほかにも各峠道を利用して山頂に至るコースがあるが、アプローチが長いうえ、山も深く、一般的ではない。  毎年、遭難も起きており、天気の悪いときや冬季は特に厳しい山となる。心して登山すべきであろう。

山梨県 静岡県 / 富士山とその周辺

富士山・剣ヶ峰 標高 3,776m

 日本の山岳中、群を抜いた高さを誇る富士山は、典型的なコニーデ式火山。いずれの方向から眺めても円錐形の均整のとれた姿は美しく、年間を通して人々の目を楽しませてくれる。東海道本線や新幹線の車窓から見ると、右手に宝永山、左手には荒々しい剣ガ峰大沢が望め、初めて見る人の心を奪う。  昔は白装束姿で富士宮の浅間(せんげん)神社から、3日も4日もかけて歩き通したという話を古老から聞いたことがある。現在では、富士宮と御殿場を富士山スカイラインが結び、途中からさらに標高2400m辺りまで支線が延びているので、労せずして雲上の人になれる手近な山となった。  日本で一番高い山、美しい山であれば、一生に一度は登ってみたい願望は誰にでもある。7月、8月の2カ月間が富士登山の時期に当たり、7月1日をお山開き、8月31日を山じまいと呼ぶ。  山小屋や石室が営業を始めると、日本各地や外国の人々も3776mの山頂を目指して集まってくる。特に学校が夏休みに入り、梅雨が明けたころから8月の旧盆までは、老若男女が連日押し寄せ、お山は満員となり、登山道は渋滞し、山小屋からは人があふれる。  富士宮口から登ろうとする場合は東海道新幹線の新富士駅、三島駅などからの登山バスで五合目まで行き、自分の足で山頂へ向けて歩きだすことになる。山梨県側には吉田口があり、東京方面からの登山者が多い。  目の前にそびえる富士山はすぐそこに見えるため、山の未経験者は始めからスピードを出しすぎ、7合目か8合目付近でたいていバテてしまう。登り一辺倒の富士山は始めから最後まで、ゆっくり過ぎるほどのペースで歩くことがコツである。新6合から宝永火口へ行く巻き道が御中道コースで、標高2300mから2500mを上下しながら富士山の中腹を1周することができたが、剣ガ峰大沢の崩壊で通行不能になっている。  山慣れたパーティならば新6合から左に入り、赤ペンキや踏み跡を拾いながら、いくつもの沢を渡り3時間もかければ大沢まで行くことができる。辺りは樹林帯で、シャクナゲの群落やクルマユリやシオガマなどの高山植物が咲く。  9合目右側の深い沢に残る万年雪は、山麓からも見ることができる。富士宮口を登りつめると正面に浅間神社奥ノ院がある。隣は郵便局。もうひとふんばりすると、最高地点の剣ヶ峰。山頂にはかつては毎日データを送り続けていた気象観測所跡が残っている。天候に恵まれたならば噴火口の周囲を歩く御鉢巡りが楽しめる。

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