気温が急激な低下で身体を冷やさないような対策を! 島崎三歩の「山岳通信」 第132号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年10月30日に配信された第132号では、気温が急激な低下と、そのリスク・注意点について説明している。

 

10月30日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第132号では、10月16日~21日に起きた7件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月16日、八ヶ岳連峰北横岳で、50歳の女性が山頂付近で石の上で足を滑らせ転倒、負傷する山岳遭難が発生。茅野警察署員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員による背負い搬送で救助された。

  • 10月19日、北アルプス奥穂高岳で、45歳の男性が西穂高岳から奥穂高岳に向けて縦走中、疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。翌20日に県警ヘリにより救助された。男性は軽傷の模様。

  • 10月20日、南アルプス甲斐駒ヶ岳で、単独で入山した44歳の女性が甲斐駒ヶ岳から六合目小屋に向けて縦走中に転倒し、足を負傷する山岳遭難が発生。翌21日に県警ヘリにより救助された。

  • 10月20日、北アルプス奥穂高岳で、51歳の男女および59歳の男性の3名のパーティが、西穂高岳から奥穂高岳に向けて縦走中に、奥穂高岳付近で疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。3名は翌21日に県警ヘリで救助されたものの、うち女性は意識不明で、のちに凍死傷で死亡が確認された。

  • 10月21日、根子岳で、単独で入山した48歳の男性が下山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。上田警察署員により救助された。

  • 10月21日、四阿山で、58歳の男性が四阿山から根子岳に向けて縦走中に転倒し、負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助された。

  • 10月21日、北アルプス唐松岳で、単独で入山した43歳の男性が唐松岳から八方登山口に向けて下山中、疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリにより救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月3週は7件の遭難が発生し、1名の方が亡くなっており、転倒や疲労による遭難が多発しています。この時期は、標高の高い山では、雪が降るところもあり、低山でも気温が急激に下がっています。なるべく汗をかかないように歩いたり、休憩中はダウンジャケットなどを着たりして、体を冷やさないようにしましょう。
体温の低下は、疲労や集中力の欠如につながり、転倒しやすくなりますので注意してください。また、夏に比べて、喉の渇きを感じにくく、脱水症状になることもありますので、こまめに水分補給をしてください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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