海のイソギクと山のイワインチンの深い関係
伊豆、三浦半島などの海岸に生えるイソギクと、山に生えるキク科の植物イワインチンとは深い関係があった。イソギクの仲間の現状とともに説明する。
山には美しい花が咲き、珍しい植物がたくさん生息しています。植物写真家の髙橋修さんが、気になった山の植物たちを、楽しいエピソードと共に紹介していきます。
海のイソギクと山のイワインチンの深い関係
伊豆、三浦半島などの海岸に生えるイソギクと、山に生えるキク科の植物イワインチンとは深い関係があった。イソギクの仲間の現状とともに説明する。
ヒメウメバチソウ? コウメバチソウ? いつもの登山道で出会った初めての高山植物と小さな発見
毎年訪れる場所だからといって、すべてを知り尽くしているとは限らない。夏の白馬岳は、長年足繁く通い、その景色も高山植物の顔ぶれも、知り尽くしたつもりでいたが、山はいつでも新しい感動を与えてくれる。何度も歩いた登山道での、ささやかな発見の物語。
白馬大池のチングルマを巡る、悪天候の登山記
8月上旬、白馬大池(はくばおおいけ)に咲くチングルマの群落を訪れる計画を立てた筆者。しかし、待っていたのは荒れ狂う雨と風。悪天候に阻まれながらも、大自然の厳しさの中で出会った可憐な花々が、忘れられない思い出をくれた。
ダルマエビネの盗掘に直面して思うこと――。山の植物は山の中で見るのがもっとも美しい
山の植物は、山の中でこそ最も輝く。その場所で命を繋ぎ、未来へと受け継がれていくはずの命が、心ない人間のエゴによって摘み取られていく――。2025年6月、鹿児島県で筆者が目の当たりにしたのは、まさにそんな絶望的な光景だった。
6月は葉っぱの無いランの季節。葉のないムヨウランは、どうやって生き、成長しているのか?
植物は葉が太陽の光を浴びて光合成して成長するのは、だれもが知る常識。ところが、この常識が通用しない葉っぱをもたない植物も存在する。その代表例の一つが「ムヨウラン」。彼らは一体、どのようにして生命を維持し、成長していくのか? その生存戦略には、この世界の奥深さが隠されている。
山の中で見たスミレのお花畑は、自然そのものではなかった。アメリカスミレサイシンが訴える危機感
春の山肌に咲き誇るはずだった可憐な紫のスミレが、いつの間にか外来種のアメリカスミレサイシンの大群落に飲み込まれている――。その光景は、単なる風景の変化を超え、胸に深い危機感を去来させるのだった。
カタクリの花が咲くまでの時間に思いをはせて。葉っぱも観てみよう
春先の山肌を紅紫色に染める可憐な花、カタクリ。その群落に目を向けると、さまざまな発見がある。葉の色、形、大きさ――。花をつけるまでの長い道のりに思いをはせてみた。
タイワンリス、最近増えている帰化動物。かわいいけれどワルイヤツ。
神奈川県の三浦半島の山々を歩いていると、リスの姿を目撃するのは珍しいことではない。この多くはタイワンリスという帰化動物で、生態系や自然環境に悪い影響を与え始めている。
ミツマタの花越しの富士山を眺めに丹沢・ミツバ岳へ――。黄色の絨毯の先に見えたものは?
3月中旬から4月上旬に、斜面を独特の景色で染めるミツマタ。黄色の絨毯の先に雪景色の富士山を眺める――、そんな絵葉書のような風景を見るために、自然・植物写真家の髙橋修氏は丹沢・ミツバ岳に向かったのだが・・・。
下から見ると黄色、上から見ると白色。春の山肌を染めるミツマタを色々な角度から楽しむ
和紙の原料として知られる樹木、ミツマタ。関東では3月中旬から4月初旬に、一斉に黄色い花をつけ、群生地では斜面を独特の景色で染める。そんなミツマタをじっくり観察すると、いろいろ興味深いことが見えてくる。