花の季節の前奏曲、カタクリの花が咲く山へ
2019年03月15日(金)
 
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種から7年目でようやく花咲く、春を告げる山の妖精

早春の山を最初に彩る花の1つが「カタクリ」だ。赤紫の花びらを、下向きに大きく広げながら咲く姿は、多くの登山者から愛されている(花びらの色は白いものも稀にある)。

新潟県角田山のカタクリ(写真/ごうくんさん


その名前の通り、片栗粉が取れる植物としても知られ、球根は良質のデンプンを多く含んでいる。

カタクリの生態は実にひたむきで、応援したくなるような生き方をしている。ブナ林などの落葉樹林の林床で、冬の間は落ち葉の下で寒さにじっと耐え、まだ樹木が目覚める前の早春に芽を出して葉を出し、花を咲かせる。

春が深まり周囲の草木や樹木に葉が覆い茂り光が差さなくなると、葉を落として再び土の中で眠りにつく。そして体力を温存しながらじっと春を待つ。まさに早春限定の草であり花なのだ。

三毳山のカタクリ群生地(写真/空ちゃん さんの登山記録より)


そして種から花が咲くまでに、最短でも7年もかかることも応援したくなる理由だ。1年目は芽を出すのみで地上部は枯れる。2年目~6年目は春に葉を1枚だけ出すのみ。7年目にようやく葉を2枚出して花を咲かせる。7年かけて、じっくりと球根に栄養をためて、花を咲かせる準備をするそうだ。

花を付けた翌年に必ず花をつけるとは限らず、栄養が足りなければ、翌年は葉だけを1枚出して、翌年に備えるという。そんな、ひたむきで可憐な花なのだ。

カタクリは、かつては里山であれば簡単に見つけることが出来たそうだが、現在はその姿を見る場所は少なくなっている。かつては林業と共存することで生息地を広げていたものの、森林の荒廃で笹などの別の草木に生息域を奪われたという。また乱獲も手伝って、群生地は少なくなっている。

場所によっては絶滅危惧種の指定を受けていて、植生地を整備することで守られている場所も少なくない。

そんな貴重なカタクリ群生地がある山を、今週は7箇所紹介する。

 

Vol.1 奥多摩随一のカタクリの群落を誇る御前山

奥多摩では浅間嶺や海沢など数ヶ所でカタクリの群生地を見ることが出来るが、登山者に最も人気のあるのが御前山だろう。4月初旬から咲き始め、見頃は4月中旬~下旬に多くの花を見ることが出来る。

御前山に咲くカタクリ 写真/ひろり さんの登山記録より


咲く場所は大ブナ尾根の御岳山~御前山あたりで、可憐な花を多く見かける。週末には山頂付近はカタクリを見る登山者で賑わう。

なお、カタクリの咲く頃は、御前山の山麓ではサクラやツツジの花が美しい時期、春の花を満喫する登山を広く楽しめる山となっている。

 

■行程
【日帰り】三頭山から御前山へ
■総コースタイム 7時間30分、標高差-1001m(+1652m、-2113m)
都民の森(08:00)・・・鞘口峠(08:25)・・・三頭山西峰(09:40)・・・鞘口峠(10:20)・・・風張峠(11:00)・・・月夜見山(11:25)・・・小河内峠(12:20)・・・惣岳山(13:10)・・・御前山(13:30)・・・惣岳山(13:45)・・・サス沢山(14:30)・・・奥多摩湖(15:30)
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Vol.2 六日町駅からカタクリの大群生を楽しめる坂戸山

JR上越線六日町のすぐ東にそびえる新潟県・坂戸山は、国内随一のカタクリ群生地として知られる。雪が消えるかどうかの4月中旬から5月初旬は、登山コース中ほぼ全面に渡り、カタクリの群生地が点在する。約3時間の周回コースのほとんどで、カタクリの花を楽しむことが出来る。

残雪の合間に見られる坂戸山のカタクリ群生地 写真/samj さんの登山記録より


標高634mと小さな山だが自然豊かな場所で、カタクリ以外にもさまざまな春の花を楽しめる。

なお、六日町駅周辺は、坂戸山以外にも六万騎山飯縄山古墳などもカタクリの群生地として知られる場所が点在するので、併せてこちらを訪れるのも興味深い。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 3時間15分
総歩行距離: 6,700m  上り標高: 540m  下り標高: 540m
六日町駅・・・登山口・・・桃の木平・・・坂戸山・・・大城・・・坂戸山・・・寺ヶ鼻コース分岐・・・登山口・・・六日町駅


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Vol.3 海抜0m、海から楽しむ花と展望の山・角田山

新潟県・日本海に面した位置にある角田山は、バラエティに富んだ楽しみが待っている。登山中は海の展望が眩しく、晴れれば日本海を挟んで佐渡ヶ島がクッキリと見える。

日本海をバックにカタクリの花を満喫! 写真/スーさん さんの登山記録より


雪が融けてカタクリが咲きはじめる3月中旬~4月中旬の角田山は山野草の宝庫。カタクリだけではなくユキワリソウほか、春の花が咲き乱れる。登山コースも7つ用意されていて、さまざまなコース取りも出来る楽しみが非常に多い山だ。

花と展望を楽しむなら、海抜0mからスタートする灯台コースがおすすめだ。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 3時間25分
総歩行距離: 6,400m  上り標高: 853m  下り標高: 853m
角田岬登山口前バス停・・・三望平・・・角田山・・・三望平・・・角田岬登山口前バス停


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Vol.4 斜面いっぱいに咲くカタクリとミニ縦走を楽しむ三毳山

東北自動車道の佐野SAの隣、平野に浮かぶように山脈状にそびえるのが三毳山(みかもやま)だ。山全体が「みかも山公園」として整備され、四季を問わずハイカーで賑わう山だ。標高は低いものの、山脈状に稜線が伸びていて、ミニ縦走が楽しめて人気も高い。

カタクリの群生地が広がる三毳山 写真/ムラチャン さんの登山記録より


最北部は「カタクリの里」として整備され、一帯はカタクリ群生地となっている。カタクリの見頃は3月中旬から4月上旬。山全体を縦走しても2時間弱のコースなので、三毳山の自然をじっくりと楽しみたい。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 1時間40分
総歩行距離: 3,500m  上り標高: 290m  下り標高: 290m
三毳神社・・・三毳山神社奥社・・・中岳・・・三毳ノ関跡・・・三毳山・・・カタクリ群生地・・・かたくりの里


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Vol.5 カタクリに集まるギフチョウも楽しみたい大和葛城山

ツツジの山として知られる大和葛城山(大阪府・奈良県)は、カタクリの群生地としても知られ、ツツジの咲く直前の4月中旬~下旬に自然研究路周辺に多くの花を咲かせる。

カタクリの花にギフチョウがとまる可憐な姿


この時期は、希少種のギフチョウがやってきて、優雅な姿を見せてくれる。ギフチョウはカタクリの咲く時期のみに成虫が見られる希少なチョウだ。見かけたら静かに見守ってほしい。

周辺は多くの登山コースが整備されているので、ロープウェイを使ってのんびり登山するも良し、ダイヤモンドトレイルを使って、ロングトレイルを楽しむのも良いだろう。

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 4時間0分
総歩行距離: 9,000m  上り標高: 800m  下り標高: 930m
葛城山ロープウェイ駅前・・・展望台・・・自然観察路分岐・・・ダイヤモンドトレール分岐・・・大和葛城山・・・五ツ辻・・・変形十字路・・・弘川城跡大石・・・河南バス停


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  • 葛城高原ロッジ
    2019年04月19日(金)

    山頂ロッジ周辺でもカタクリが開花。ショウジョウバカマも咲きはじめ



Vol.6 文殊祭りの頃にカタクリの花が咲く、福井県文珠山

福井県福井市の南、鯖江市との境界にある文殊山は、文殊菩薩が祀られている信仰の山で、信仰の山らしく、山中にさまざまな史跡が残る。霊泉、御神木、山姥の洞窟、胎内くぐりの大岩など、見どころも多い。

文珠山の斜面に広がるカタクリ群生地 写真/ぶえなびすた さんの登山記録より


4月初旬から~4月25日に行われる「文殊祭」の頃がカタクリの最盛期となる。4月初旬~中旬は山麓・山腹のサクラやも咲き出し、さまざまな花が楽しめる。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 2時間30分
総歩行距離: 4,000m  上り標高: 435m  下り標高: 430m
楞厳寺・・・小文殊・・・文殊山・・・奥ノ院・・・南井集落


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Vol.7 季節を問わず楽しめる毛無山はカタクリも美しい

岡山県と鳥取県との県境に位置する毛無山(けなしせん)・白馬山は、自然豊かで展望の山として知られる。季節を問わず楽しめ、春の花、初夏の新緑、秋の紅葉、さらには雪の季節でも雪山登山・スノーシューハイキングが楽しめる。

登山道沿いには、たくさんのカタクリが咲く 写真/大山クガイソウ さんの登山記録より


春はカタクリの山として人気がある。カタクリは4月の中旬頃から5月初旬に、毛無山と白馬山の稜線の途中「カタクリ広場」に群生していて、カタクリの可憐な姿とともに、大山などの中国地方の山々の展望ほか、晴れれば日本海や壱岐まで見渡せる。

 

■行程
【日帰り】岡山県側から毛無山・白馬山を周回
■総コースタイム 2時間12分、標高差+600m、-600m
毛無山ビジターセンター(08:00)・・・毛無山(09:00)・・・カタクリ広場(09:12)・・・白馬山(09:37)・・・毛無山ビジターセンター(10:12)

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