| 東京都奥多摩ビジターセンター
2024.03.15
麓は早春でも山はまだ冬。凍結残雪あり軽アイゼン(チェーンスパイク)+滑りにくい防水性のある登山靴で
美しい紅葉と山の温泉宿の組み合わせは、登山者のみならず、日本人にとって秋の最高の贅沢のひとつだ。紅葉で目を保養し、温泉で山歩きの疲れをほぐし、山の幸を堪能する。日本の秋を満喫する至高の組み合わせだ。
登山愛好者なら下山後に温泉に立ち寄ることも多いと思うが、多くは立ち寄り入浴が多いと思われる。しかし、せっかくの山旅、じっくり温泉宿に泊まって、紅葉の山を満喫してみてはいかがだろうか?
そこで今回は、温泉と山の自然を満喫できる「秘湯」と呼ばれる温泉宿と紅葉の山のモデルコースを紹介する。
東北から北陸まで、登山者だからこそ行ける、登山だからこそ泊まりたい温泉宿+紅葉の登山コースを7つピックアップ!
今なお噴煙をあげる、那須岳(栃木県・福島県)の最奥の谷間にある三斗小屋温泉は、鎌倉時代から続く温泉で、登山者のみが訪れることの出来る温泉地として知られる。
「大黒屋」と「煙草屋」という2つの温泉宿が営業していて、いずれも趣ある温泉宿として人気が高い。
三斗小屋温泉付近の温泉神社の欄間は江戸時代に掘られたと言われ、歴史を感じさせる。
温泉で宿泊するなら、茶臼岳・朝日岳・三本槍岳を縦走して、じっくり秋の那須連峰を楽しみたい。また、温泉からほど近い、廃村となった三斗小屋宿跡まで足を伸ばすのも楽しい。
那須岳の紅葉期は10月初旬から。三斗小屋温泉付近では10月中旬ころから。
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鳩ケ湯温泉は白山の南山麓、福井県大野市にある、江戸末期(1850年ごろ)開湯の歴史ある温泉で、渓流沿いに建つ一軒宿。山鳩が傷をいやすため、水浴にやってきた所から、その名前が残るとされている。
後継者不在に加え、2014年には大雪で建物が倒壊して再建が危ぶまれたが、2015年の秋に温泉と食堂を再開。そして2016年9月より宿泊施設が完成。さらに、この9月には150年ぶりに新しい源泉の発見、2017年は露天風呂が誕生と、明るいニュースが続く。
鳩ケ湯温泉は美濃禅定道(白山南縦走路)へと登れる。白山や三ノ峰などの稜線では9月下旬から紅葉が始まる。温泉付近は10月中旬から下旬が紅葉のピークとなり、上小池登山口近くにある刈込池に映り込む紅葉などが美しい。
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吾妻連峰の北側の谷間にある滑川温泉は、500年以上の歴史を持った秘湯として知られる。林道の最奥には一軒屋の温泉宿の福島屋があり、ここを基地に吾妻連峰への登山が楽しめる。
吾妻連峰の紅葉はもちろん付近の紅葉も美しい。特に滑川大滝付近の紅葉の美しさは随一だ。
滑川温泉のさらに奥、姥湯温泉も歴史を持った秘湯として知られる。絶景の露天風呂と紅葉で疲れを癒やしたい。
いずれもマイカーでアクセスするのが近いが、JR奥羽線の峠駅から歩くことも可能。ただし、かなり歩く。
なお、吾妻連峰の紅葉は9月中旬頃から草紅葉が、樹木は9月下旬~10月中旬頃が見頃となる。
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北アルプス北部・蓮華温泉は、開放感のある4つの野天風呂が点在することで知られる。白馬岳蓮華温泉ロッジに前泊(もしくは下山地)として白馬岳を目指すのが一般的だが、15~20分のハイキング気分で野天風呂を楽しみながら、紅葉を楽しむのも良い。
なお野天風呂は、脱衣所もなく、湯船のみという開放感たっぷりの場所。女性には敷居が高いかもしれないが、これほど開放感のある温泉はなかなか体験できないだろう。
蓮華温泉からの登山は、白馬岳のほか、朝日岳、栂海新道方面、風吹大池など、さまざまな選択があるので、ここを目指してさまざまな計画を考えてほしい。
稜線の紅葉は9月中旬から色づいて見頃は10月初旬だが、蓮華温泉周辺は10月中旬頃がピークとなる。
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秋田駒ヶ岳の南麓にあり登山基地の一つ国見温泉は、江戸時代に発見され、南部藩の湯治場として栄えた山奥の温泉地だ。
国見温泉は全国的にも珍しい緑色のお湯で、源泉はほぼ無色だが、湯の温度が下がるにつれ様々な緑色に変わるので、訪れる季節によって色が変わるそうだ。ちなみにお湯を口に含むと「驚きの不味さ」とのこと。
秋田駒ヶ岳は9月中旬には草紅葉が美しく、ブナやカエデ、ダケカンバ、ナナカマドの紅葉は9月下旬~10月中旬が見頃だ。
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栗駒山は全山が紅葉する山として、最も有名な場所の一つだ。栗駒山は岩手県、宮城県、秋田県の3県にまたがる山で、さまざまな場所からアクセスできる。
北側の須川温泉からの登山が最もポピュラーで、須川温泉+紅葉登山が一般的なプランだが、どの登山口から入山するにしても温泉は楽しめる。南側・いわかがみ平から入山する場合は、新湯温泉や熊の湯温泉を楽しめる。
また、秘湯を楽しむなら栗駒山の西山麓にある湯浜温泉・三浦旅館だ。幕末から続く歴史ある秘湯で、2008年の岩手宮城内陸地震で被害を受けたが、現在は新築されたが、ランプの宿の趣は今もそのまま残る。
9月中旬頃からの草紅葉、登山口付近まで紅葉が降りるのは10月初旬~中旬となる。
※須川温泉コースの一部は2022年立入り規制中 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/41757
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「日本秘湯を守る会」が秘湯として紹介する温泉は、東京都ではここ蛇の湯温泉・たから荘だけだ。秋川源流、檜原温泉センター「数馬の湯」の温泉施設の近く、かやぶき屋根の建物が目立つ温泉宿で、日帰り入浴も可能だ。
傷ついた大蛇が河原に湧く湯で傷をいやしたという言い伝えから名付けられた蛇の湯温泉からは、奥多摩のさまざまな山へと行けるが、三頭山付近・都民の森は自然林が多く残り、都内有数の紅葉スポットとして知られる。
なお、奥多摩山域の紅葉は10月下旬から11月中旬まで。
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