行程・コース
天候
1日目:晴れのち霧のち晴れ 2日目:曇りのち霧 風強し 下山後昼過ぎから雨
利用した登山口
登山口へのアクセス
バス
その他:
中央高速バス 新宿23:15発 扇沢5:32着 (往復10850円)
この登山記録の行程
【1日目】
扇沢(05:36)・・・柏原新道登山口(05:50)・・・種池山荘(08:28)[休憩 13分]・・・岩小屋沢岳(10:19)[休憩 5分]・・・新越乗越(11:09)
【2日目】
新越乗越(04:01)・・・赤沢岳(05:29)[休憩 4分]・・・スバリ岳(07:10)[休憩 5分]・・・針ノ木岳(07:54)[休憩 5分]・・・針ノ木峠(08:46)[休憩 28分]・・・大沢小屋(10:50)・・・扇沢(11:42)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
扇沢を起点に柏原新道を登り、赤沢岳、針ノ木岳を周回してきた。花、岩、雪、それに大展望と変化に富んでいる。3連休であるにもかかわらず人も少なく、静かな山行を楽しめる穴場コースだ。
<花と展望の穴場コース>
よく整備され登りやすい柏原新道を登っていくと、タニウツギ、アカモノ、イワカガミ、サンカヨウ、シラネアオイなど様々な花がたくさん咲いている。その上、稜線に出ると鹿島槍ヶ岳から五竜岳を経て白馬三山の山並み、黒部渓谷を挟んで対岸には剱岳から立山連峰の素晴らしい展望が広がり、それを眺めながらの縦走となる。常念岳から蝶ヶ岳のコースは、槍・穂高連峰の大展望が楽しめるコースとして人気が高いが、このコースはさしずめ剱・立山連峰版だ。しかも花の多さでは、おそらくこちらの方が種類も数もずっと多いように思う。これだけ魅力がいっぱいなのに、柏原新道を登ってきた登山者の多くは、爺ヶ岳やさらに先の鹿島槍ヶ岳を目指し、こちらは人もずっと少ない。おかげで新越山荘は三連休初日にもかかわらず2/3程度で隣の布団もからという状態。しかも、登山口の扇沢は大変アクセスが良い。これは穴場コースだと思う。
穴場であるには理由があるはずだが、常念岳〜蝶ヶ岳コースと比較して考えられるのは、稜線が痩せていること、針ノ木岳がその魅力的な山容にもかかわらず二百名山で、常念岳のように百名山ではないことくらいではないだろうか。百名山にはなるほど魅力的な山が多いが、それだけが山の魅力ではあるまい。技術的には、前述したように夏山シーズンの初めには雪渓や雪田のトラバースに注意が必要で難易度が少し上がることくらいで、鎖場はない。もっとたくさんの方にこのコースの魅力を味わって欲しいと感じた。
<残雪期の注意点など>
ガイドブックでは、北アルプスの主要コースの中で中級に位置付けられている(初出は「ワンダーフォーゲル」誌2015年8月号付録を引用して初級としましたが、山と渓谷社「アルペンガイド 白馬・後立山連峰」によれば中級となっており、自分の経験に照らして他の初級コースに比べて以下のような注意点もあるので「中級」と書き換えます)。注意が必要なのは、種池山荘から新越山荘までの区間、それに針ノ木岳から針ノ木峠までの区間に雪田や雪渓をトラバースする箇所がいくつもあることだ。種池山荘から新越山荘までの区間は、例年7月下旬まで雪が残るそうだが、今年は例年よりも残雪が多いそうだ。また、針ノ木岳直下のマヤクボ沢のトラバースは、この時期は高度感もある急斜面の雪渓の天辺を進むことになる。いずれにせよ針ノ木雪渓を下るわけだから、このコースを行く場合には軽アイゼンとストックを持参するのが良いだろう。
もう一つ、この時期特有の注意点と思われたのは、雪田や雪渓などから夏道に移る箇所が、場所によってわかりにくいこと。夜明け前に白み始めた空の下、ヘッドランプで行動していて夏道への移行ポイントを見落とし、雪田が尽きたところで急斜面に出て往生してしまった。同じように迷う登山者が多いのか、曖昧な踏み跡があったりするからややこしい。こういう時は慌てずに確実なポイントまで引き返し、夏道を落ち着いて探すこと。
今回は、梅雨明けしていない時期に登ったわけで、不安定な天候は覚悟の上。二日目は、昼前から天候の急変が予報されていたし、マヤクボ沢の雪渓トラバースや針ノ木雪渓などの通過に注意を要する箇所を控えていたので、当初の計画を繰り上げて白み始める午前4時に新越山荘を出発。コマクサを目当てに蓮華岳を往復するのは諦めて次回に。結果的に、時折雨がパラリときかける程度で昼前には扇沢に下山。一ヶ月ぶりの登山で体がなまっていたのだろう。久しぶりに筋肉痛になりそうだ。
コース定数は69.3。針ノ木雪渓を登る逆コースも考えたが、この場合は針ノ木岳を経て新越山荘に至るのはかなり長くなるので、針ノ木小屋で宿泊し、2泊3日とするのが妥当だろう。
みんなのコメント