行程・コース
天候
曇り時々晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
上野駅(8:00)ひたち3号いわき行き
水戸駅(9:22)水郡線郡山行き
袋田駅(10:31) 4740円 (うち指定席特急券1550円)
バスで滝本へ 210円
この登山記録の行程
滝元(10:46)・・・袋田の滝トンネル(10:57)・・・観瀑台 (11:03 11:20)・・・袋田自然研究路入口(11:25)・・・月居山山頂・月居城跡(11:55)・・・第1展望台(12:25)・・・第2展望台(12:36)・・・奥久慈男体山山頂(14:17 14:35)・・・大円地(15:26)・・・弘法堂(15:40 15:46)・・・湯沢温泉(16:17)・・・西金駅(16:31)
標準コースタイム比0.64
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
日本三大名瀑のひとつ袋田の滝の凍結と奥久慈男体山を組み合わせた山歩きをしてきました。一時寒さが緩んだためか袋田の滝は4割程度の凍結でしたが、たくさんの観光客が詰めかけていました。なによりも奥久慈男体山の屹立した姿と周囲の岩峰が印象的でした。
計画で留意したのは、立春を過ぎたとはいえまだ日が短いこの時期、コースタイムで7時間とされるこのコースを日没前に歩ききれるか。おまけに前々回の登山から4年間付き合った登山靴が干渉してくるぶしが痛むようになり、長時間歩行にも不安があります。水郡線が、1時間に1本程度と本数が少ないのもアプローチの大きなネック。上野駅5:10発の常磐線に乗車できれば袋田駅に8時半に到着できますが、都心に住んでいる出戻り登山者でも間に合いません。自宅から上野駅まで徒歩かタクシー利用も考えましたが、足と登山靴の具合に不安を抱えて余計な徒歩というのもはばかられました。
結局、公共交通機関を利用した最速経路で、上野駅7:54発の特急「ひたち3号」(全席指定特急券1550円)に乗車、水戸駅9:22発の水郡線郡山行きで、袋田駅に10:31着という経路を選択しました。なんとも遅い歩き出しで予定通りならぎりぎり日没と同時にゴールできる計算ですが、何かトラブルがあったらちょっと厳しくなりそう。ヘッドランプの点検も入念にしました。幸い袋田駅を降りると目の前に「袋田の滝行き」のバス(210円)が待っており、滝本までおよそ20分行程を短縮でき、少し心に余裕ができました。
もう一つの留意点は、雪が少ない山域とはいえ登山路の凍結も予想されたことです。岩場もあるコースですから、薄手のグローブとチェーンスパイクを持参。寒い季節の低山にストーブを持参するか否かは結構悩みます。温かいものが取れるのはありがたいけれど、お湯が沸くのを待っているうちに体が冷えてしまっては本末転倒のような気もするし・・・。今回は行動時間に制約があって素早く歩かねばならないこと、典型的な冬型の気圧配置で等圧線も混んでおり低温と強い風が予想されることから、携帯魔法瓶にお湯を詰めていくことに。
袋田の滝は一般観光客でいっぱい、行列をして観瀑台から滝を眺めますが、寒気が一時緩んだためでしょうか凍結は4割くらいでした。さすがに日本三大名瀑に数えられるだけのことはありますが、気が急いているためか大勢の人の行列に辟易したためか、意識も散漫で今一つ気分が盛り上がりません。滝にうまく向き合えないまま、そそくさと型通りの写真を撮っただけで先を進みます。あー、なんかいかんパターンだ・・・。
袋田の滝から月居山(つきおれやま)までのハイキングコースに道を折れると、途中、生瀬の滝への分岐がありますが、今回はパス。思い返せば残念なことをしました。ここから先は急に人がいなくなって浮足立っていた気分もようやく落ち着きます。一般観光客が足を延ばすことも考えてか、月居山まではコンクリで簡易舗装された階段や斜面が続きますが、溶けかかった雪が凍結しており、登りはともかく下りは注意が必要でしょう。
今回は登山靴に不安があるうえ、行動時間に制約がありますからトラブルはできるだけ回避しなければなりません。不安を感じたらチェーンスパイクを着用しようと心に決めました。月居山のピークを過ぎると落ち葉が厚く積もっている一般登山道になります。すれ違った登山者から第二展望台から先は軽アイゼンがないと厳しいという話を聞きましたので、雪が積もった個所から早めにチェーンスパイクを着用。岩に薄い雪や氷がミックスした低山などでは軽アイゼンでも爪が長すぎて歩きにくいですが、チェーンスパイクはとても重宝します。第二展望台から男体山までの区間、男体山山頂直下などの急斜面で溶けかかった雪が凍結している箇所がありましたが、チェーンスパイクなら不安なく歩けました。
登山道は切り立った西側の崖(これが男体山の雄々しい姿をなしているのでしょう)を避けて、おおむね東側を巻くようについていて、冷たい北西風を直接受けるのは稜線やピークなど限られたところだけでしたが、ゴーゴーと崖を吹き上げる風は迫力がありました。要所に指導標やテープもありよく整備されていますが、落ち葉と積雪で不明瞭な個所もいくつかありました。色彩に乏しい雑木の中を地味に長いアップダウンを繰り返します。山頂直下の東屋で健脚コースへの分岐を見ながら男体山山頂(標高654m)へ凍った急斜面を登ると、一気に大展望が広がります。幸い曇りがちだった空も晴れ間が広がります。南東の切り立った崖に強い北西風がぶつかってうなりをあげていますが、崖が遮風板のような役割を果たしているのか風は直上にそれて、山頂は思いのほか風が当たりません。これならと落ち着いて腰を下ろし、常陸の国を東は東海村や大洗の海岸線、南は筑波山、西は日光などの大展望を楽しみながら遅い昼食をとりました。
「一般コース」なら山頂からそのまま大円地越まで下りますが、急斜面に連続する鎖場をたどる「健脚コース」はいったん東屋まで戻り、改めて南西に下ります。山頂直下が凍結していることもあり、いつ出てくるかわからない凍結個所に備えてチェーンスパイクをつけたまま下りましたが、南斜面で雪も氷も全く残っていませんでした。鎖場はホールドも豊富で難しくはありませんが、傾斜が急ですので苦手な方は下りには「一般コース」を選ぶべきでしょう。コースタイムも大円地越を経由する「一般コース」の方が少し早いようです。急な岩場を下りきると茶畑が広がり、静かな大円地(おおえんち)の集落につきます。ここから振り返る男体山の切り立った姿は立派で、あそこを降りてきたと思うと満足感がわきます。大円地の集落は、男体山と続く稜線上の入道岩など奇岩・奇峰にぐるりと抱かれ、素晴らしい眺め。あとは車道をひたすら西金(さいがね)駅目指して下るだけですが、途中弘法堂の展望台に寄り道。ここからも切り立った奥久慈男体山の姿を楽しめます。
結果的には登山靴との相性で足が痛むこともなく、日没まで余裕で西金駅に到着、水戸行きの水郡線ディーゼルを待ちました。
今回は袋田の滝の凍結と組み合わせましたが、カタクリやアズマイチゲ、イワウチワなどの花が咲く時期や紅葉シーズンも素晴らしいでしょうね。また、西金駅から登る逆コースとすれば、下山後に袋田温泉やたくさん立ち並んでいるお土産や食事処を楽しむこともできるでしょう。
コース定数31.6で、主観的グレードは下りの鎖場を考慮してB。久しぶりに登山らしいコースだったので、軽い筋肉痛になりそうです。
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