行程・コース
天候
三日とも晴れ、午後はガスがかかる
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
美濃戸の赤岳山荘までマイカー
この登山記録の行程
【1日目】
美濃戸(05:00)・・・堰堤広場(06:00)・・・赤岳鉱泉(07:10)[休憩 30分]・・・赤岩ノ頭(09:20)[休憩 20分]・・・硫黄岳(10:00)[休憩 150分]・・・大ダルミ(13:00)
【2日目】
大ダルミ(04:00)・・・横岳(05:00)[休憩 150分]・・・赤岳天望荘(08:40)・・・赤岳(09:30)[休憩 60分]・・・キレット小屋(12:00)[休憩 60分]・・・権現岳(15:00)
【3日目】
権現岳(07:30)・・・キレット小屋(09:00)[休憩 60分]・・・行者小屋(13:20)[休憩 10分]・・・美濃戸(15:00)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
稜線のコマクサが見ごろになった八ヶ岳に登りました。コマクサの群生地は横岳とツルネにありますが、どちらもとても綺麗に咲いていました。硫黄岳山荘の周辺や赤岳でも咲いていました。今回は写真を撮りながらの山歩きなので、余裕をもった計画を立てました。
登山の前日、茅野市では大雨が降りました。美濃戸口から美濃戸までの林道では、車が立ち往生するほど道が荒れていました。私の前の車は時々動けなくなり、私が押してあげることもありました。北沢の登山道も、ところどころ水が川のようになっている場所がありました。赤岳鉱泉から上は水は引いていましたが濁流が流れた痕のようになっている場所がありました。ただ、大きな支障はありません。出かけたのは世間が3連休になる前日でしたが、「赤岩の頭」には思ったより人がいました。硫黄岳の山頂もたくさんの人。今回は時間があったので、硫黄岳の噴火口を端まで歩いてみましたが、奥のほうから見ると一段と迫力がありました。
「硫黄岳山荘」にも結構人がいました。テラスではビールを飲んでいる人がいましたが、午後になってガスが出てくると少し寒くなって来ました。この日は横岳にあるコマクサの群生地まで往復しました。ガレ場の中にたくさんのコマクサが咲いていまして、とても綺麗でした。白いコマクサもありました。夕方が近づくにつれ気温がどんどん下がり、最後は手が氷のように冷たくなるほどの寒さでした。
硫黄岳山荘はとても雰囲気のよい小屋でした。スタッフは皆明るく親切で、山小屋でこのようなもてなしを受けるとは思っていませんでした。私は利用しませんでしたが有料のシャワーもあり、好評を博していました。
翌日は午前4時前に出発。横岳からご来光を見たいと思っていました。出発時は雲海の向こうがかすかに焼けていましたが、まだヘッドライトが必要、ソフトシェルと手袋も必要。風が冷たく、寒いです。この時点で山荘にはガスがかかりだしまして、たぶん山荘からはご来光は見えなかったのではないかと思います。コマクサの群生地を超えた、「台座の頭」からご来光を拝むことができました。硫黄岳や硫黄岳山荘からは見えない富士山が、ここまで来るとよく見えます。その左方向の雲海のかなたから、すばらしい日の出を見ることができました。
そうしてダラダラしているうちに後から来た人に追い抜かれるようになりました。横岳山頂あたりからは赤岳方面からも続々とやってきて、いつの間にかたくさんの人がいます。赤岳にも、たくさんの人がいました。山頂の標は記念撮影の場所の取り合い。午前9時半、さすが3連休。
赤岳山頂で朝食を摂って休んだら文三郎へ下り、「竜頭峰分岐」からキレットのほうへ向かいます。ほどなく「真教寺尾根分岐」に到達すると、標高差460mを一気に下るキレットです。急な岩場を超えると巨大な岩棚があり、それをトラバースした先に梯子があり、その下にはどこまでも続く急斜面のルンゼ。ここがきついです。下りですが結構きつい。
キレットの底には「キレット小屋」があります。実はこの日はここに泊まりたかったのですが、満員で予約が取れませんでした。なのでここから275mの権現岳への切りかえし。ほどなく「ツルネ」に到達します。ここにもコマクサの群生地があります。ガレ場の無機質な岩場が鮮やかなピンクで彩られ、とても綺麗です。知らなかった人も誰もが足を止め、しばし見入ります。
ツルネから先は起伏に飛んでいて、結構きついです。山頂は通りませんが旭岳の手前は長い急斜面。それを超えると稜線の向こうにゲンジー梯子が見えてきます。
傍から見ると傾斜はそんなでもありませんが、実際に登ってみると垂直の感じ。20m、60段ですからビルの5階くらいになりましょうか。上下で声を掛け合い、道を譲りながら行き来しています。
それを超えるとすぐに権現岳とギボシのコルに到達します。左に行くと三つ頭、右は編笠山。権現岳山頂も今夜泊まる「権現小屋」もここからすぐです。
権現小屋は、傾いているんです。経営ではありませんよ、建物が傾いているんです。中の柱は補強してあるので倒壊することはないのでしょうが、柱とランプの角度が違っていて、ちょっと不思議な感覚。入り口の奥にコタツが三つあり、食事はそこで摂ります。寝室は2階。この日は16人泊まりましたが満員で、とびこみで入ってきた人は一階のコタツで寝ることになりました。元気なおにいちゃんが一人で切り盛りしていて、夕食はおかわり自由のカレー。食事にそれなりのこだわりがある昨今の山小屋ですが、やはり昔ながらのカレーも悪くないですよ。
この日も午後はガスがかかり肌寒かったですが、日の入り近くには東ギボシの脇が夕焼けに染まりだしました。はるか眼下、編笠山のふもとに青年小屋が見えます。テントがたくさん張ってあるようです。夕日が雲の向こうに沈んでから小屋に戻ると、ランプに灯が灯っています。これぞ山小屋、という雰囲気。
翌朝、小屋の入り口脇にかけてある寒暖計によると、8℃。普通に寒いです。空は見事に茜に染まっています。元気者の数人がギボシに上って行きます。私は近くの見晴らしのいい場所に大急ぎで向かいます。先着の数人に混じって陣を張ると、赤岳の向こうから見事な太陽が昇り始めたところ。雲海の向こうが黄金に輝き、そのずっと右方向には富士山。今朝も荘厳な朝のひと時を過ごすことができました。
午前7時過ぎに権現岳を出発。この時間ですが権現岳山頂にはひっきりなしに人がいました。今日はキレットを赤岳に戻り、行者小屋に下りる予定です。すでにゲンジー梯子は数人が待っています。ツルネではこの日も時間を取って、たくさんの写真を撮りました。
その後、例のルンゼはきつかったですが特に問題もなく、午後3時に美濃戸の赤岳山荘まで下山いたしました。ここから美濃戸までの林道は登ってくる車がたくさんいまして、すれ違いが大変でした。
美濃戸口の八ヶ岳山荘には救急車が到着していまして、ちょっと物々しい雰囲気でした。皆さんも登山中の事故や怪我、そして熱中症には十分ご注意下さい。ただし稜線の上は寒さ対策も重要ですよ。
コマクサの花期は長いので、しばらく楽しめるのではないでしょうか。硫黄岳から下りた山荘の手前と、台座の頭に到達したあたりに白いコマクサが咲いています。白ですが黄色を帯びた清楚な色合いで、とても美しいですよ。
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