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74歳の先輩といく穂高岳縦走

西穂~奥穂( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 2人 (あし0316 さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

初日:晴れのち午後曇り 2日目:快晴 3日目:霧雨のち晴れ

利用した登山口

上高地バスターミナル  

登山口へのアクセス

マイカー
その他: マイカーにて駐車場(車中泊にて仮眠)
翌朝上高地行バスにて帝国ホテル前下車

この登山記録の行程

【1日目】
田代橋(08:00)・・・西穂登山口・・・上高地・焼岳分岐・・・西穂山荘(13:00)

【2日目】
西穂山荘(05:15)・・・西穂独標・・・西穂高岳・・・天狗のコル・・・ジャンダルム・・・奥穂高岳・・・穂高岳山荘(17:25)

【3日目】
穂高岳山荘(07:00)・・・ザイテングラート取付・・・涸沢・・・本谷橋・・・横尾・・・徳沢・・・明神・・・河童橋・・・上高地バスターミナル(15:25)

コース

総距離
約25.2km
累積標高差
上り約2,560m
下り約2,551m
コースタイム
標準20時間20
自己25時間35
倍率1.26

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 1年越しの約束。よその山岳会の古参である先輩はクライミングジムで知り合った練習仲間。西穂往復で良かったのに、奥穂高岳まで足を延ばすプランを所望。初日は、西穂山荘迄。北尾根からゆっくり足慣らし。お昼の西穂ラーメンは最高!9月3連休で小屋はまさに繁忙期。二人で1枚の布団をシェア。幸い、早々に到着したので出口に近い位置を指定される。午後はゆっくり昼寝で疲れをとる。周囲に気遣いできない粗忽者が布団の上から他人の足を踏み歩き、扉を勢いよく開閉したり、大声でお喋り。何の因果か、一夜の宿の片隅で揉め事は尽きず。粟沢支配人の天気予報に聞きつつ、忙しなく夕食完食。
 翌朝、3時起床。5時過ぎに出発。ヘッデンを点けてゆっくり歩く。74歳は後から次々に来る健脚たちに抜かれつつ、確実に独標、西穂高岳へと歩を進める。西穂高岳から先は遂に先行者不在。岩場の登下降が続く。どうみても登山者らしからぬ装備の単独者がコバンザメ状態でくっついてくるのには苦笑い。天狗のコル手前ではぴったりと追跡されるような感じが嫌で道を譲る。力任せに足で岩を蹴り、落石を起こしながら登っている。いや、驚いた。後方のガイド山行でも鎖場を使わず、客の為に出したロープが岩に当たり落石事態。間を空けて歩くのが賢明。先輩は、己が事で精いっぱいのご様子。テラスで待っている間の出来事だった。『先に行っていていいよ。後から行くから』と待つ度に声をかけられる。何のために一緒に行っているのかさっぱりわからないスタイル。『足が遅くて仲間に迷惑をかけているのは認めない、上から目線の可愛くないおばあちゃん』だと、彼女の所属する山岳会の後輩達に、この旅を終えた後に聞いた。だから、一緒に行く人がいないのだと。
こちらは共同装備を含む中型ザックを背負い、先行しては15分、先輩が登りきるのを待つ。先輩は息切れしながら登って来る。ピークを越える度、繰り返す。体力差があるので本当に気の毒な事をした。2年前にも単独でこのルートを歩いたという先輩。昔から夏山・雪山でこの山域での縦走をしたというが、穂高岳で『先に山荘に行って』と彼女と別れた。日が落ち、外で待つ。先輩の奥穂高岳山荘到着は18時20分。ワースト記録1時間更新らしい。夕食に手を付けられない程お疲れ。母親くらいの年齢差。自分の親には山へ行こうという気力も体力もない。
 翌朝、涸沢岳往復は霧雨の為中止。ザイテングラードから涸沢へ下山。ザイテングラードでは遠くから落石の音と獣のうなり声がこだました。熊だった。登ってきた人と暫く耳を欹てる程の音量だった。先輩は慎重に下ってきた。勿論熊の声など聴く余裕なく・・。夕食すら喉を通らない様子を見て、麓での延泊を覚悟していたが、意地っ張り故か、えっちらおっちら先頭に立ち、歩を進める。但し、後ろがつかえて10数人の行列という事態には気付かない。「うん、うん。」と私の背中に咳払い。背後の男性が自分の存在をアピールする。「道を譲れ」という暗黙の信号。仕方ないので、何とか先輩を停めると猛烈に怒りだす。「行こうと思えば自分の脇を抜けばいいじゃない。何で年上の私が停まって道を譲らなければならないんだ」と。狭い道で老婆を怪我させずに追い越す自信がないから、行列になる・・という発想なし。『老いては子に従え』という格言は通用しない。若い頃に経験した、というヒマラヤ公募登山者の矜持なのか、老いても現役の女王様。狭い道だから我慢すべきは後続の若者だと言う人もいるが、道が広くなる迄の1時間をおばあちゃん主導のペースにするのは申し訳ない・・。もしかしたら、バスの乗車時間が迫っているかも知れないのだから。
 駐車場への最終バスに間に合うのか心配していたが、先輩は15時20分に到着。凄いパワーで頑張った。私もやがて年を重ねれば、『アルプスなんて、無理』と行く事を諦めざるを得なくなる時が来る。その幕引きは如何に?難易度に拘らず楽しい山歩きはたくさんある。遭難すれすれの『昔取った杵柄』気分で過去の栄光にすがるルートをやっていいものか、近い未来の宿題。誰もが年を重ねていくが、彼女と同じ年になったとき、自分はまだ山をやっているのか?体力の落ちる中、アルプスの山々を彷徨しているのか?いや~、考えますね。(;^_^A

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フォトギャラリー:2枚

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ タオル
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ ツエルト
健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け ロールペーパー 非常食
行動食 テーピングテープ ストーブ 燃料 カトラリー
【その他】 補助ロープ、アルパイン用ハーネス、フィフィ、環ビナ、カラビナ、ルペルソ、スリング(短)、スリング(中)、アプローチシューズ(アークテリクス)

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