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熊倉山から酉谷山、下降はタワ尾根を日原へのワンデイハイク

熊倉山、蝉笹山、檜岳、小黒、酉谷山、ウトウの頭、金袋山( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

曇り、長沢背稜まではほぼガスのなか、雨上がりで湿度が非常に高い。タワ尾根のウトウの頭を越えたあたりで日が差す。雨を覚悟していたが降らなかった。

登山口へのアクセス

その他
その他: 行き_
西武池袋駅04:58〜06:48西武秩父駅〜(徒歩)〜御花畑駅07:18〜07:37白久駅
帰り_
東日原バス停17:22〜17:49奥多摩駅18:16〜18:51青梅駅18:57~19:25立川駅19:38

この登山記録の行程

(丸ガッコ内は地理院地図の表記)
08:07~白久駅スタート
08:48~城山コース入口※林道から登山道へ入る~08:58
09:33~(P996)
10:06~(P1238)
10:25~熊倉山頂(1426.5三角点)~10:30
10:48~蝉笹山(記載なし)
10:53~シラカケ岩(記載なし)~11:12
11:28~檜岳(P1451)~11:30
11:48~(P1452)
12:20~小黒(P1650)~12:25
12:43~酉谷山~12:46
13:26~タワ尾根下降地点※滝谷の峰P1710の南~13:47
14:03~(P1602)※モノレールと別れる
14:35~ウトウの頭(P1588三角点)~14:48
15:05~(P1443)
15:14~(P1456)
15:30~金袋山(P1325)
15:43~(P1176)
15:56~(P1007)
16:40~一石山神社※車道に出る
17:05~東日原バス停

コース

総距離
約20.0km
累積標高差
上り約2,282m
下り約1,966m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

秩父鉄道の白久駅からバスの運行が復旧した東日原まで歩いた。登りは熊倉山頂までの急登と、小黒で方向転換してから酉谷への登りが厳しかった。降りはウトウの頭の手前の岩場の通過がポイントになるが、登降に技術を要する場所はない。ただし全行程は長く、白久駅から熊倉山頂までと長沢背稜以外はすべてオフトレイル(=バリエーション)の分類になるから、山を歩き慣れたハイカーむけだと思う。白久駅から東日原バス停まで(駅とバス停も含めて)誰にも会わなかった。
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○ 白久駅から熊倉山
駅前からまっすぐ南に車道を歩いてゆく。まず「谷津川林道コースは崩壊のため通行止め」の看板があり、温泉旅館を右に見ながら通りすぎる。地図上ふたつめの温泉マークのある山道から尾根に上がれないかと探して歩いたが気づかず、結局車道を峠状の広場になった登山口まで歩いてしまう(写真3)。標高600m付近。
登山道に入るとほどなく九十九折の急登になる。どんな山でも登りはキツいが、このルートは休める場所があまりなく、大休場尾根からの本仁田山に似て精神的にこたえた。雨上がりでとても湿度が高くシャツはびっしょり。あえぎながらP996にたどり着き、空気が動いているのを感じほっとする(写真5)。P1238地点前後は岩場の登り降りを繰り返す(写真6)。滑りやすいシューズを履いてきたから注意して脚を運んだ。日野コースと合流すればもうひとがんばりで熊倉山頂。
このコースを奥多摩側に越えるにあたっては、熊倉山までの登りが大きなポイント(所要時間・到着時間・疲労度)かと思う。
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○ シラカケ岩
熊倉山頂では祠にお参りしてすぐに歩き続ける。蝉笹山のピークをこえてシラカケ岩の岩頭から眺める雲海がすばらしかった(写真12)。当初からここで休憩をとるつもりが、びしょ濡れのシャツにはゆるく吹く風も冷たく、岩の東面を巻いて降りた鞍部で食事をとった(写真14)。
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○ シラカケ岩~檜岳~小黒~酉谷山
シラカケ岩から檜岳まではあっという間、展望のないピークかどうかも判然としない場所に山名標がかかっていた(写真15)。檜岳からの降りは左方向(東面)に引きこまれそうになるがGPSで位置を取って修正する。
しばらく幅の広い平凡な尾根を歩くが、小黒が近づくにつれ傾斜が増し、倒木と落ち葉でトレイルが判然としなくなる(写真16)。小黒周辺は道迷い遭難の多い場所として各種レコにとりあげられているから、たびたびスマホアプリ「Geographica」を確認しつつ小黒のピークに立った。
ピークからは何本かのとおせんぼロープが張られているのが見える。ただしこれらはおそらく下降するハイカーへの注意喚起だと思われる。登ってきた場合、ピーク直下の踏み跡がわかりにくいから幅の広い尾根を様々な方角から上がってくるはずだ。ロープに気をとられずに、GPSで位置と進路をとれば万全かと思う。
小黒から右に向きを変え、目立たない尾根をいったん下降して酉谷山に登り返す。距離は数百メートルしかないが疲労している脚にはこたえ、休み休みの登りになった。上がった酉谷山頂はガスで展望なし(写真18・19)、虫が多かったのですぐに下りはじめ長沢背稜に合流した。
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○ 酉谷山~タワ尾根下降地点の長沢背稜区間
稜線の南面につけられた道は登り降りも少なく問題はないが、歩くハイカーが少ないのだろうか、やや荒れている印象(写真21~23)。縦走路が滝谷の峰1710Pの下部をぐるりとまわりこむ地点に、直進して尾根に迷い込まないようにとおせんぼロープが張ってある(写真24・25)。そこがタワ尾根。ロープをくぐり幕営の痕跡が残る平坦部で軽食をとり一服した。
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○ 下降開始~ウトウの頭
ゆるやかなタワ尾根を降りはじめるとほどなく作業用のモノレール軌道に出合い(写真26)、しばらく一緒に下ってゆく。荷物が重ければまたぐのが面倒なので「右を行くか左か」決めてしまったほうが良いと思う。どっちも大差ない印象だった。P1602付近で孫惣谷方向へ下ってゆく軌道(写真28)とお別れしてこちらは直進を続ける。
すぐに大岩があらわれ、ウトウの頭を越えるまでいくつか連続する(写真29・30)。タワ尾根を登り降りするさいのポイントになるところだ。まっすぐ登るにしても巻くにしても、新旧とりまぜてテープがあるから導かれて通過した。巻き道は基本に忠実に「岩から離れずに、岩の基部を巻く」ものばかりだった。岩に触れる距離から遠ざかりはじめたらルートミスを疑ったほうが良いと思う。
ここを通過中に右脚が軽くつった。かばいながら左脚を高いところにかけて上がった瞬間に激しくつった。ウトウのピークとその前で、座りこんで両脚を入念にさすって治す。
ウトウの頭の山名標が楽しい(写真31)。大事にされている山の様子がほほえましく、稜線のむこう側、秩父の山々の標識の寂しさを気の毒に思った。
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○ ウトウの頭~一石山神社車道まで
ウトウの頭を越えてしまえばあとは幅の広い尾根道、尾根間違いだけ注意して降れば安全圏だと書きたいところだが、このルートの難所はいちばん最後にあらわれた。もし参考にするなら最後まで読んでいただきたい。
幅広の尾根を降りながら何ヶ所かで向きを変えるが、いかにも間違えそうなところはとおせんぼロープが上手に張ってある(写真32)。GPSを併用すれば万全のはずだ。15時ごろからときおり日が射し、林間の小径をゆく様子は林間学校のハイキングみたいだな、と思う。リラックスしてどんどん降る(写真33)。
のんびり歩きながら油断はしていなかったつもりだ。登ったぶんだけ降らなければ街に戻れない。傾斜のゆるい尾根をラクして歩いているならどこかでツケを払わされるはずだ。「そこ」が1007Pから車道に出るまでなんだろうとの見当もつけていた。
しかし該当部分は地理院地図に破線が入って道があることをしめしている。きっと山中に神社の御神体があり、階段状の参道があるのだろうと勝手に想像していた。
想像通り御神体の石はあったし、参道もあった。ただ手入れされていないらしく崩壊が激しい。雨降りの翌日のために急傾斜の狭く滑りやすい「参道の名残の踏み跡」をゆくのはとても骨が折れた(写真36~39)。部分的に谷側の傾斜も急だ。いちばん悪い所はぬかるんだ道に尻と手をつきながら通過した。このパートは樹木を解説する板が各所に掲げてあったが、「そ、そのようなものよりもっとロープを!」が正直な感想だ。
悪戦苦闘の小一時間を過ごしグローブを泥だらけにしながら神社の脇に降りたったときには、意外なハイキングの結末に苦笑いが出た。
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● 秩父側から長沢背稜(都県境尾根)へのルート比較(参考まで)
1.白久駅~熊倉山~酉谷山_今回、上り
2.武州日野駅~矢岳~1702P付近_昨年11月、上り下りとも
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=180088
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=158123
3.1651m地点(七跳山)~大平山~栗山(丸山)_昨年11月、下り
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=180088
の3ルートを比較してみる。
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1を熊倉山ルート、2を矢岳ルート、3を大平山ルートと呼ぶことにする。
熊倉山Rも矢岳Rも駅をスタートして稜線に上がるまでほぼ同じ所要時間。ただし上りの中身はかなり異なる。
熊倉山Rは「熊倉山にスムームに上がれることができれば、稜線までおそらく問題なし」。小黒での方向転換は要注意だが、GPSを使用すればそれも易しい。
一方の矢岳Rは、かなり歩いて熊倉山より低い矢岳に着く。そこから先の傾斜が急になり尾根も細い。稜線に上がる直前は確か、それなりに剣呑だったと記憶する。
大平山Rは降ったことしかないが、傾斜は熊倉山タイプで下部が急傾斜、上部は幅広のゆるい尾根になる。このルートは秩父さくら湖南岸の入山口へのアクセスがポイントだろう。本数の少ないバスの始発は遅い。浦山口駅から歩くか、タクシーか。もうひとつ、下部950m付近に4〜5歩の短い距離だが嫌な岩場の通過がある。両側とも切れ落ちている。登ってきて引き返すのは問題ないだろうが、降ってきて午後もいい時間に「通れません!」だと事件になりかねない。
また、比較してタワ尾根はスタート地点の標高600m〜稜線1700mで登りがいちばんラクだ。岩場の通過がポイントだが難しくはない。天候に気をつけて一石山神社の裏山を登りきってしまえば、いちばんポピュラーなルートだと感じた。
(了)

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装備・携行品

【その他】 サロモンのX Ultra3・モンベルのストレッチゲイター。テスラの速乾性ロングシャツ・タイツとモンベルのショートパンツ・ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ。ヘルメットは忘れた。ザックはロウアルパインの25リッターに雨具・ジャージ上・ユニクロのライトダウン・ロールペーパー・ヘッドランプ・スマホ・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・地図・下山後の着替え一式。おにぎり二つ、カロリーメイト2パック、はちみつ、アミノバイタル。キャメルバックのハイドレーションに水2.0リッター(残量0.5L)。スタート時重量6.5kg。

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登った山

酉谷山

酉谷山

1,718m

熊倉山

熊倉山

1,427m

城山

城山

648m

篶坂ノ丸

篶坂ノ丸

1,456m

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