行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
バス
その他:
(行き)奥多摩駅7:27発の東日原行きバスで倉沢 (東日原行きバスは定員27名のミニバスで運行)
林道閉鎖のため、川苔橋、白妙橋バス停には停車しない。
(帰り)東日原16:17発のミニバスで奥多摩駅へ
この登山記録の行程
倉沢バス停(7:49)・・・魚留橋(8:30)・・・棒杭尾根取り付き (8:46 8:51)・・・ 棒杭の頭 (10:26 10:31)・・・ 仙元峠 (10:59 11:34)・・・棒杭の頭 (11:58)・・・三ツドッケ (12:54 13:05)・・・一杯水避難小屋 (13:26)・・・東日原バス停 (14:58)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
シロヤシオの紅葉を訪ねて、棒杭尾根から、仙元峠を経て三ツドッケに登りました。紅葉が見頃だったのは標高1300から1400mあたり。快晴の下、紅葉を楽しみましたが、肝心のシロヤシオは色付く前に枯れてしまったような株ばかりでした。
皆さんのレコを拝見し、今週末は標高1400ー1500m辺りの紅葉が見ごろになるのではと思い、あれこれ候補を考えましたが、シロヤシオのファンとして紅葉している姿を一目見るべく、三ツドッケを選びました。その後、気温が下がる日が続いたので、シロヤシオの群生地でかつもう少し標高の低い仙元峠をコースに含めます。また、2019年の台風19号の被害で川乗林道が閉鎖されているので、倉沢から棒杭尾根を登ることとしました。コロナ禍で人の気配が薄くなったためかクマの出没の話も聞いていたので、クマ鈴の用意も忘れてはなりませんが、なぜか行方不明。立山雄山神社で頂いた神鈴を代わりに結びます。
当日は、自宅を出るときに妙にぼんやり時を過ごし、駅まで丘を駆け下り、ただでさえ乏しくなっている脚力を消耗する羽目に。おまけに電車の中で突然携帯電話が繋がらなくなるというトラブルが重なり、何やら波乱のスタート。自分でなんとかできる自信があるからバリエーションルートをいくのですが、出だしから携帯電話が使えないというのは不安です。とはいえ、山中ではいつも機内モードにしていますから、余計な心配をして注意力が散漫になるよりは、早めに機内モードにしただけと思い切ることとしました。
東日原行きのバスは、まだ道路が完全復旧していないためかミニバスでの運行でしたが、登山者も少なく、立っていた方はわずかでした。倉沢バス停で降り立ったのは私一人でしたが、予想に反して倉沢林道入口も(川乗林道入口ほど厳重ではないものの)ロープが張られ立ち入り禁止との表示が。自分のように経験も技量も乏しい登山者が自己責任を口にするのもおこがましいですが、予定通り先を進むこととしました。林道は所々落石や新たに崩壊したと思しき箇所がありましたが、徒歩通行には大きな支障はありませんでした。
棒杭尾根取り付きには、道標もありません。また、落ち葉のためか、台風で土砂が流れたためか、2年前と比べて不明瞭な印象です。棒杭尾根は「山と高原地図 奥多摩」によれば破線のバリエーション扱い。「登山詳細地図 奥多摩」でも経験者あるいは熟達者向きと表記され道標はありません。基本的にコースは尾根伝いであることを意識し、時折現れる境界標やピンクテープで答え合わせをしながら、GPSを併用して歩くことをお勧めしますが、踏み跡は比較的明瞭です。痩せ尾根ですから注意は必要ですが、広やかな尾根とは異なり道迷いにはその分なりにくいかと思います。
取り付きからしばらくは針葉樹の植林帯ですが、やがて広葉樹に。快晴の空のもと、標高を稼いで行くと1300m辺りから紅葉が見頃で、急登の疲れを癒してくれます。誰もおらず、木々の葉が風にそよぐ音と、私が踏み締める落ち葉の音以外は、静寂そのもの。そこへいきなり鋭い鹿の鳴き声がしたときには、ちょっと驚いてしまいました。きっと闖入者に驚かされたのは鹿の方だったのでしょう。
かえでなど鮮やかに紅葉している木もあるのですが、全般的には地味な印象で、今シーズンは条件があまり揃わなかったのかもしれません。棒杭ノ頭で稜線を巻く登山道に出会ったところでも、シロヤシオの紅葉は期待できそうもないなと予感しましたが、予定通り標高が低めの仙元峠に向かいました。途中ほぼ水平に巻く登山路から離れて稜線に出て、記憶にあるシロヤシオの群生地に踏み入りますが、紅葉する前に葉が枯れ上がったような株ばかり。どうも埼玉県側の北東斜面は他の木も色づきが悪い、あるいはすでに見頃を過ぎている印象です。けれどもシロヤシオの紅葉を諦めて仕舞えば、ブナやミズナラの黄葉、時折混じるカエデなどが目を楽しませてくれます。仙元峠も誰もおらず、風の音だけを聞きながら温かい日を浴び、紅葉を眺めて啜るカップ麺もいいものでした。
仙元峠から棒杭ノ頭に戻り、今度は三ツドッケに向かいます。標高がさらに高いので鮮やかな紅葉は期待薄なのですが、それでも時折り美しく輝く紅葉を楽しめました。何よりもこの日は雲ひとつない快晴で、誰もいない三ツドッケの山頂からの景色を満喫します。一杯水避難小屋の直上に出るルートは、道標もなく分岐がわかりにくいですが、ここはシロヤシオやミツバツツジの群生地で南斜面なので、紅葉に一縷の望みを託します。が、ここでも枯れた茶色く巻き上がった葉ばかり。シロヤシオの鮮やかな紅葉は、来シーズンまでお預けです。避難小屋前の朽ちかけたテーブルは、全て撤去され、ベンチが補修されていました。ここで本日初めて他の登山者に出会いました。
さて、急いでヨコスズ尾根を下れば、東日原を14:50に出るバスに間に合うかもしれない。間に合わなければバス停のそばでおそばでも食べればいいか、などと考えながら尾根下りにかかります。しかし、半分以上降ったあたりで初めに股関節、ついで左膝横に鈍痛。また腸頸靭帯炎を起こしたようです。今シーズンはコロナ禍で登山の機会が少ない上に、在宅勤務が増えて満足に歩いていません。筋力が衰えていることは明らかです。常々、登山は登りよりも下りの方が、体力も技量も必要だと考えていますが、今回も筋力や柔軟性の不足が露呈しました。腹を括って、これ以上足を痛めないように万が一のために持参していたストックを取り出し、ゆっくり降ります。
痛む膝を庇いながらバス停についてみると、あてにしていたお蕎麦屋さんは休業、飲料の自動販売機も故障中。暇つぶしに便利な携帯電話も相変わらずの不通。諦めて、痛めた足の柔軟体操などしながら、1時間半の間、次のバスを待ちました。
翌日は、久しぶりに本格的な筋肉痛。山々から、「出直してこい!」という声を聞くようです。
ルート定数34.8 コースタイム比0.87 主観的グレード、棒杭尾根がバリエーションルートであることを踏まえB
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