行程・コース
天候
初日:晴れ、2日目:晴れのち曇り、3日目:薄日
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路: 13:30塩山駅~14:30西沢渓谷入口(山梨交通バス、1050円)
復路: 14:50東日原~15:12奥多摩駅(西東京バス、480円)
この登山記録の行程
【1日目】
雁坂峠入口(14:42)・・・料金所(15:01)・・・雁坂峠(17:52)[休憩 10分]・・・雁坂小屋(18:09)
【2日目】
雁坂小屋(04:18)・・・雁坂峠(04:33)[休憩 5分]・・・雁峠(06:39)[休憩 30分]・・・雁峠分岐(07:19)[休憩 2分]・・・水干(07:37)・・・唐松尾山(09:28)[休憩 11分]・・・御殿岩分岐・・・山ノ神土(10:22)[休憩 2分]・・・将監峠(10:39)[休憩 10分]・・・飛龍権現(13:42)[休憩 25分]・・・北天のタル(14:46)[休憩 2分]・・・三条ノ湯(16:20)
【3日目】
三条ノ湯(04:40)・・・三条ダルミ(07:32)[休憩 10分]・・・雲取山(08:25)[休憩 75分]・・・小雲取山(09:54)・・・富田新道入口(野陣尾根取付)(11:34)[休憩 8分]・・・大ダワ林道分岐(12:12)[休憩 5分]・・・八丁橋・・・小川谷橋(14:06)・・・東日原(14:28)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
石楠花が彩る奥秩父主脈、雁坂峠から東へ向かう。混雑しそうな塩山駅朝発のバスを避け、初日は遅いスタートで雁坂小屋まで。2日目の行程が長くなるが日曜日で空いているであろう三条の湯へいったん下って、3日目に稜線に登り返す計画。
西沢渓谷バス停から少し車道を戻って雁坂峠登山口から入山、トンネルを見下ろしながら1時間ほど林道歩き。登山道に入ってしばらくは渓谷沿いの緩やかな道が続く。沓切沢出合の渡渉の先は沢に下り、その後の対岸に渡るポイント2箇所がやや分かりにくいが、周りをよく見ればピンクテープがしっかり付いている。九折の急登になってしばらく、斜面が草原に変わり、夕食時の鹿たちが首を伸ばしてじっとこちらを見つめる中を更に登ると、後ろに富士山、正面に明るい奥秩父主稜線が見え始める。雁坂峠は風が通う本当に気持ちのいい場所で、日暮れまでのんびりしたい気分だったが、さすがにこれ以上小屋着が遅くなると迷惑だろうと峠をあとにする。雁坂峠は陽気で親切なスタッフさんばかりで、やや込み合うテン場で1張分のスペースを探してくれたりと、とても温かい。
翌朝は日の出前に雁坂峠に戻って主脈を東へ。古礼山の雰囲気のよい草原状の山頂を過ぎ、燕山差し掛かると石楠花の群生が登山道を覆う。咲き誇る最盛期の石楠花がこれほど華やかなものとは知らなかった。この先も岩がちなピーク付近には必ず満開の石楠花が待っていて、重荷に疲れた足を一時忘れさせてくれる。
広々とした雁峠のベンチで朝食を取りつつテントを乾かす。小さな分水嶺を通り、笠取山の全力坂は以前に登ったことがあるので今回はパスし、水干経由で奥多摩最高峰の唐松尾山を目指す。山頂手前の岩場には石楠花のトンネル、振り返ると白峰三山が残雪を纏って聳えている。
山頂から将監峠はすぐだが、その先の飛龍までのトラバースがとにかく長く、だらだらした登りに体力を根こそぎ削られ、コースタイムをオーバーしながら禿岩に着く頃には秩父側から雲がわいて稜線を覆い始める。予報では15時から雨、空模様を気にしつつ、それでも奥多摩随一の展望台の禿岩でひとしきりランチ休憩してから、飛龍権現へ。天気と体力残量が心配なので、こちらも登ったことがある飛龍山もパスして北天のタルから三条の湯へ。途中、沢状地形の何箇所かで路肩がかなり緩いところや崩落して高巻くところがあって、集中力を途切れさせないよう慎重に進む。眼下に三条の湯の屋根が見えてほっとする。三条の湯のテント場は小屋からやや下った沢沿いにあり、今夜は3張のみ。温泉は男女入れ換え制で、夕食前と後に2回浸かってとろみのあるお湯を堪能。正直、テント装備で標高差800mを往復するルート取りには躊躇いもあったが、ひたすら温泉を楽しみに歩いてきた甲斐があった。結局雨は降らずに夜が更ける
朝、朝靄の中を三条ダルミに向かう。それほど急なところないだらだらしたトラバースだが、重荷が堪えてペースが上がらず3時間近くかかる。途中、地図が示すルートから大きく外れ、尾根を乗っ越すような登降があり若干戸惑う。時間がかかった功名で雲取山への急坂に取り付く頃には青空が見え隠れするようになり、山頂ではガスを抜けた。山梨側山頂でカップヌードル、食後コーヒーでのんびりする。時折登ってくる人がいるが皆さんソロで、休日の賑わいとは程遠い静かな東京都最高峰。
今回の目的のひとつが富田新道。踏み跡が薄いところがある、との注意書のとおり、下草が残り自然に近いが迷うほどではなくピンクテープも各所にある。気持ちのいい野陣尾根からブナの急斜面をジグザグに降るとやがて沢音が聞こえて吊り橋へ。沢の出合いで滝が美しい渓谷を渡りダラダラ登り返すと林道に合流。ここまでは良かったのだが、林道、特に八丁橋までのくねくねした林道がとにかく長く変化に乏しいので足取りが重くなる一方。コースタイムオーバーでようやくバス停に辿り着く。富田新道は素晴らしいが、正直この林道歩きは二度と御免だ…。
奥秩父主脈は残すところ甲武信~雁坂峠間のみとなった。どこから稜線に上がってどこへ下りるか、いまから楽しみである。


































