７月に計画していた後立山連峰縦走。悪天候予報だったため泣く泣く予約をキャンセルし、同じルートのまま日程を変えて臨みました。結果は大正解。３日間とも快晴＆微風。しかし、ルートがハードであることに変わりはなく、むしろ明るい時間帯が短くなった分、スピードアップが必要。時間的にも体力的にもキツイ。さて、どうなりますか。

【１日目】
前夜、信濃大町駅前駐車場（３日間停めても1,500円頭打ち）にマイカーを駐めて旅館泊。翌朝、始発電車で白馬駅に行き、タクシー（3,400円）で栂池高原に到着。リフト運行開始１時間前かつ平日なのにもう20人ほどの列。そして運行開始８時には長蛇の列。早めに並んだおかげでほぼ始発に乗れました。この日は16時までに小屋に着けるか微妙だったので、白馬大池駅からの路線バスではなく、白馬駅からタクシーを利用して正解でした。
リフト＆ロープウェイで９時前に栂池ヒュッテに到着＆スタート。今日のゴールは天狗山荘。先を急ぎます。天狗原、乗鞍岳、白馬大池を通過。好コンディションの中、雄大な景色を堪能しつつ、小蓮華山と三国境を過ぎて白馬岳到着。栂池ヒュッテから約４時間。なかなか良いペース。
しかし、今日はここからが大変。天狗山荘の前には杓子岳と白馬鑓ヶ岳。ともに山頂へのアプローチはズルズル滑って歩きにくい急傾斜の砂利道。ここでだいぶ消耗してしまいました。でも、どうにか４時ちょっと前に山荘到着。なお、山荘のホームページでは「ない」と書かれていたスマホ充電用コンセント（無料）ですが、ありがたいことに山荘に用意されてました。

【２日目】
日の出の１時間前に出発。天狗の大下りまではほぼフラットで視認しやすくヘッデンがあれば大丈夫。「天狗の大下り」の標識に着くと明るくなり、ここでストックをしまって大下りに突入。これがかなり手強い。鎖場と急傾斜のガレ道は浮石も多く神経を使います。下りなのに息が上がってしまいました。
下りきった後、ハイマツの斜面を登り返すと１峰到着。そこから下って、いよいよ今日の核心部・２峰北峰へ。まずは岩盤を鎖で登ります。足場は狭いし、上に行くほど角度は厳しくなるし、谷底は丸見え。高度感たっぷり。それでも、空中ハシゴを過ぎれば一息つけます。技術的に難しいとは思いませんが「落ちたら終わり」の緊張感が半端ないルートでした。
２峰南峰と唐松岳を通過して次に目指すは五竜岳。なお、２峰北峰から先はストック利用可。でも、牛首から先は不可。牛首の鎖場は５分ほど続いた後、一旦途切れるものの、その先にまた現れます。最低鞍部に近づくまでは両手を空けておく方がいいと思います。
五竜山荘で息を整えたらいよいよ五竜岳。山容に圧倒されつつ、ゆるゆる高度を上げていくと鎖場出現。ここからはキツイ岩場登り。山頂手前では腕力も結構必要。ヒイヒイ言いながら五竜岳到着。しかし、問題はここから。キレット小屋へのルートはかなり厳しいです。広義の八峰キレットになるわけですが、鎖場・岩場・ガレ場連続のシビれる急降下がＧ５まで続きます。口ノ沢のコルを過ぎた後、キレット小屋の手前はまたまた鎖場やザレ沢下り。ようやくキレット小屋に着くとヘロヘロ。距離的にも気分的にも長い１日でした。
ちなみに、五竜岳を出発した頃からガスが上がり始め、キレット小屋到着時は一面真っ白。しかし、そのおかげで北尾根の頭でライチョウさんに遭遇できました。

【３日目】
今日はのっけから鎖場登り。足元が不安なので空が明るくなるのを待ってスタート。前日と前々日の蓄積疲労で重くなった脚に鞭打ち、鎖場を慎重に登っていくと前方に狭義の八峰キレット出現。山塊が鋭く切れ込んでます。気を引き締めてその切れ込みにかかったハシゴを下って狭い桟道を抜けると・・・あれ？もう終わり？小屋からキレットまでは歯応えがありましたが、キレットそのものはちょっと拍子抜けでした。
キレットを過ぎたらストックを使用可能なので少し楽になります。鹿島槍ヶ岳の北峰にピストンしてから南峰に着くとたくさんの人。冷池山荘にザックをデポして空身で来ている人も多数。北峰・南峰どちらも絶景ポイントですが、南峰からの立山・剱岳の眺めが私はお気に入り。
ここまで来るとゴールまでのルートが一望。身体はクタクタ。でも360°の大パノラマに元気をもらえました。道も歩きやすくなり、最後の「登りの脚」を使って爺ヶ岳到着。ここも半端ない絶景。なお、爺ヶ岳の中峰と南峰は山頂への分岐標識があったのに北峰は標識を見落としてしまったのか立ち寄れずじまい。残念。
さて、あとは扇沢駅を目指すのみ。登山者で混み合う種池山荘から柏原新道を一気下り。登りの脚は残ってませんが下りの脚はまだまだ余裕。道もとても整備されていてスイスイ。その結果、予定よりも１本前の信濃大町駅行きバスに乗れました。

年初に立てた目標の１つである後立山連峰をとうとう制覇。達成感あります。蓄積疲労で攣りそうになった右ふくらはぎに最終日はテーピングが必要でしたが、それ以外はスケジュールも体力も計画通りコントロールできました。が、今回は天候に恵まれたのが大きかったと思います。雨・風が絡むとちょっとヤバかったかもしれません。