行程・コース
天候
1日目晴れ 2日目晴れのち雨 3日目晴れのちくもり 4日目晴れ 5日目晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
バスは予約制
この登山記録の行程
【1日目】
椹島ロッヂ(04:32)・・・樺段(06:46)・・・赤石小屋(09:35)
【2日目】
赤石小屋(05:50)・・・富士見平(06:26)[休憩 5分]・・・北沢源頭(07:56)[休憩 5分]・・・赤石小屋分岐(09:06)・・・赤石岳(09:23)[休憩 5分]・・・赤石小屋分岐(09:45)・・・小赤石岳(10:02)・・・大聖寺平(11:07)・・・荒川小屋(11:43)
【3日目】
荒川小屋(05:08)・・・中岳(06:43)・・・前岳(07:00)[休憩 5分]・・・中岳(07:16)[休憩 10分]・・・悪沢岳(東岳)(08:50)[休憩 5分]・・・丸山(09:36)・・・千枚岳(10:21)・・・千枚小屋(10:54)
【4日目】
千枚小屋(06:00)・・・駒鳥池(06:31)・・・見晴岩(07:15)・・・蕨段(07:25)・・・清水平(08:04)[休憩 8分]・・・小石下(08:44)・・・鉄塔下(10:01)・・・滝見橋(10:50)・・・椹島ロッヂ(11:10)
【5日目】
椹島ロッヂ(05:50)・・・鳥森山(06:56)[休憩 20分]・・・椹島ロッヂ(08:24)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
北アルプス好きが三年続けて南アルプスを訪れている。去年断念した赤石岳から荒川三山周回ルートを今年こそ。
静岡駅から登山バス(予約制)で3時間かけて畑薙へ。この間ずっと静岡市葵(あおい)区内を、TJARのロードと同じ所を走行します、と乗務員さん。さらに1時間送迎バスに揺られてようやく登山口の椹島(さわらじま)である。椹島ロッヂはソロも一部屋が確保され、風呂はもちろんレストハウス(喫茶売店)やキャンプ場も併設されており、夕食も満腹になるものであった。朝食時間より前に出発したかったので、弁当を予約しておいた。
涼しいうちに標高を稼ごうと、まだ夜も明けやらぬ車道を赤石岳登山口へ。樹林帯は陽除けには好都合だが登れど登れど景色は変わらず、がまんの時間が続く。南アルプスの森は深く、森林限界の標高は高い。今回テント泊する三か所の山小屋はいずれも2500~2600mの樹林帯に立地し、周囲の雰囲気も似ている。北アルプスの個性的な山小屋とは佇まいも異なり、県営の建物の外観もよく似ている(外トイレも同一規格、チップ制)。そんなところも南アルプスが玄人好みという雰囲気を醸している一因なのかもしれない。
「ボッカ返し」から岩場の急登を終えると赤石小屋が姿を現す。さっそくテント泊を申し込み、一番乗りのテント場に向かう。茶臼岳が正面に見える展望の良い場所は南西に開けていて陽当たりもバツグン。樹々に遮られる陽影に落ち着き、身軽になって富士見平までお散歩、ここで360度の大展望を堪能する。テント場に戻れば非日常の時間がゆっくりと流れる至福のひとときだ。お隣さんは同じルートを歩く歳上のSさん、この後も何度かお話させていただいた。なお赤石小屋では小屋前のタンクに飲用水と手洗い水とが別々に用意されていた。
さて赤石岳登頂の日なのに天気予報はあいにくだ。じょじょに回復傾向なので6時と遅めのスタートにする。富士見平からいったん標高を下げ、桟道(橋)が連続するトラバース道など油断できない所が続く。森林限界を越えれば高山植物が可憐な花を咲かせており、砲台型休憩所と呼ばれる平地がある。北沢源頭にはこの標高2800mで幾筋も水が流れている。だが足場が悪いので、水を汲む場合は岩に「水」と書かれた所まで行ってからの方が無難だろう。
赤石岳と小赤石岳の鞍部の「椹島下降点」まで来てみれば、あたりはすっかりガスの中。ザックをデポして山頂へ向かうも風が強く寒くて、せっかく二年越しでここまで来たのに眺望もなく、とても長居できる状態ではない。小赤石岳を越えて(ここは巻道がほしかった)、眼下に大聖寺平が見えて来る頃には再び眺望が得られた。荒川小屋へと続く登山道が見え、アルプスらしい景観に足取りも軽くなる。が、小さく小屋が見えているのになかなか到達しない。平日でもテント場は8割方埋まり、近くの水場では冷たい湧き水が豊富に流れていた。ようやくテント場も落ち着いた15時頃から風雨が猛烈に強まり、樹林帯の中なのにテントは大きく揺さぶられた。長年愛用しているプロモンテVL15もこの強風に耐えられず、とうとうジッパーが利かなくなってしまった。翌日の天気予報では午前中には晴れが期待できそう。
荒川小屋からしばらく進むと、前岳カールの保護柵で囲われたお花畑を通過する。柵の内外問わず、高山植物が今を盛りと開花していた。前岳・中岳鞍部を経て中岳山頂へ。と、ここで前岳登頂を忘れていて、ザックを置き前岳まで小走りに縦走。前岳西側の崩壊が危険な状態なので、三伏峠方面への新しいトラバース道が開通していた。中岳避難小屋でトイレ休憩、じょじょにガスが出てきた。地図を見てみるとコルから東岳まで上り60分下り30分と倍のCTが設定されている。どんな登山道なのだろうかと思えば、ザレた急斜面を九十九折れに昇り上げることになる。上りは一歩ずつ踏ん張って確実に、下りはスリップ注意の難所である。荒川東岳・悪沢岳と二つの名を持つこの山は、日本第六位(南アルプス第三位)の標高3141m。晴れていれば全方位の眺望が広がるはず。すでにガスに覆われつつある山頂をあとにすれば、西側とは景観が一変する。大小の岩がごろごろする岩稜地帯を、マーキングたよりに岩渡りをするように進む。これで昨日の赤石岳のような天候なら、異世界に迷い込んだ気持ちになるなどと空想しながらゴーロ帯を抜けると、一転して草原のような丸山へと続くゆるやかな登山道に変わる。その落差に感心していると雷鳥まで現れ、強風こそないがすっかりガスに覆われた千枚岳へと至る。千枚岳手前の鞍部から10mほどの梯子は、上で乗り降りするのがちょっと怖かった。
千枚小屋から5分ほどのテント場は、明るい森の中に数張分ずつのサイトが点在している。二千六百メートルでこんな高い樹々の森がある南アルプス南部の豊かさよ。水は小屋外の水道を利用。
椹島への下山は樹林帯をひたすら下るのみ。小屋から30分ほどで駒鳥池のベンチがある。やがて起伏の少ない幅広の道が続く。ここらは昔の木馬道跡で、切り出した木材を橇(そり)にして大井川まで降ろしていたらしい。なので樹齢百年ほどの若い森である。快調に下って行き、「見晴台」には気付かず清水平で休憩。陽が高くなると蒸し暑く、二度目の林道出合でゴールはもうすぐだと勘違い。ここからが本日の核心部(?)、マーキングと激しいアップダウンの連続する昼なお暗い森を抜けなければならない。標高は下がって気温は上がり、ここにきて疲れはピークに達している。標識に書かれていた「あせってこけるな」の意味が解った。長く揺れる吊り橋を渡れば車道に出て炎天下を歩く、予想外に疲れる後半であった。
全体に天気はあまり良くなかったが、稜線での眺望もあり、行動中の雨もなく最後かもしれないアルプスのテント泊縦走を無事に終えて安堵した。予備日は椹島キャンプ場でゆったり過ごす。施設は充実しているのに場所が不便だからか登山者しかおらず、近くの鳥森山に登ったり白籏史朗写真館を見学して過ごした。
携帯電話(ドコモ)の電波状況
赤石小屋-小屋前はつながらず、5分ほど離れた三角点(展望台)まで行けばつながる。
荒川小屋-小屋前・テント場ともつながる。
千枚小屋-小屋前でつながる。テント場では弱くなるがメールは受信可。
フォトギャラリー:57枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア | 登山靴 |
| バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 予備電池 |
| タオル | 帽子 | サングラス | 着替え | 地図 | コンパス |
| ノート・筆記用具 | カメラ | 登山計画書(控え) | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 |
| 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 携帯トイレ | 非常食 | 行動食 | トレッキングポール |
| テント | シュラフ | シュラフカバー | テントマット | スリーピングマット | 燃料 |
| カップ | クッカー | ヘルメット |





























































