7/26は午前中の晴天が一転、待望? の夕立ち。久しぶりの雨で木々もお花も人間も登山道も喜んでいます
天気・気温
山と周辺の状況
7月もいよいよ一週間を残すのみになってしまいました。びっくりするほど好天が続いています。朝夕は青空が広がり、日中はガスがかかる時間帯もある夏山の典型的なお天気です。
7/26は午前中の晴天が一転、午後2時ごろから1時間以上にわたって待望? の夕立がありました。7/18の梅雨明け後は連日の晴天だったので、恵みの雨となりました。高山植物たちにとっても、小屋の水場にとってもうれしい雨です。
気温もさあっと下がりまさに一服の清涼剤です。雷はこわいけどこれからは時々夕立がほしいのも偽らざる心境です。
主稜線の“お花畑” は、残雪が消えて、どんどんと夏のお花たちが咲きだしています。先陣を切るのはいつも
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
や
シナノキンバイ
シナノキンバイソウ
、
ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ
などですが、それに続いてハクサンボウフウや
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
なども咲きだしています。もう少しすればそこに盛夏の代表
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
や
クルマユリ
クルマユリ
なども加わります。
ひとくちに“お花畑”といってもいろんな地形、地質、気象条件などによっていろいろな種類の“お花畑”があります。
コマクサ
コマクサ
のように単独でつくる“お花畑”もあれば、いろいろなお花がそれこそ百花繚乱状態の“お花畑”まで千差万別です。何度も岳へ足を運んでいただき、いろんな時期のいろんな“お花畑”を知っていただき、満喫していただきたいものです。
また岳の上は7月、8月になっても残雪があり、秋の訪れも下界には比較にならないくらい早いので、真夏の最盛期でもいわゆる“春の花”から“秋の花”まで一堂に会することもまったくふしぎでありません。今日現在でも雪が消えてしばらくたったところでは、5月の中旬には咲きだす
ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ
がようやく開花しているものもあります。また一方の場所では“秋のお花”の代表でもある、オヤマ
トリカブト
ヤマトリカブト
も咲きだしています。種池山荘前の
チングルマ
チングルマ
も、もう満開の場所もあれば、芽吹きの真最中のもの、これから芽吹きを迎えるもの等いろいろです。
場所によってはそれこそもう花を落とし綿毛状態になっている
チングルマ
チングルマ
もあります。お花の名前ももっともっと覚えたいし、そのお花の個性というものももっと知りたいものですね。またどう探してもその山では見つからない、生えてないお花も何種類もあるものです。いつの日にか、高山植物図鑑でしか見たことのないお花たちにも逢いにあちこちの山へ出かける時間をつくりたいものです。なかなかむずかしいかなあ・・・
現在は
シナノキンバイ
シナノキンバイソウ
、
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
、
ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ
、アオノ
ツガザクラ
ツガザクラ
、コケモモ 、
チングルマ
チングルマ
、ハクサンボウフウ、エゾシオガマ、
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
、ニガナ、モミジカラマツ、
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ
、
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
などが、どんどん咲きだしています。
一方では早咲きのミヤマコウゾリナ、ミヤマ
アキノキリンソウ
アキノキリンソウ
、ミヤマコゴメグサ、
ヤマハハコ
ヤマハハコ
、ミヤマ
トリカブト
ヤマトリカブト
といった秋系の花もちらほら咲きだしています。
種池山荘前の残雪もなくなり、早く雪の消えたところから
チングルマ
チングルマ
やアオノ
ツガザクラ
ツガザクラ
が咲きだしています。またみなさんお楽しみの
コバイケイソウ
コバイケイソウ
は一部で開花しましたが、今年はどうやらちょっとだけ花をつけておしまいのようです。
登山道の状況
久しぶりの雨で木々もお花も、人間同様にのどを潤したようです。おしめりは生き物だけでなく登山道にとっても好影響です。埃っぽく、小石がざらざらして、路面の石も浮き加減になってしまっていましたが、この雨で文字通り『雨降って地固まる』状態になって、とても歩きやすくなりました。雨が降れば、登山道が壊れるようなイメージの方が大半かと思いますが、適度な雨は登山道の保守や安全、登山者の滑落防止にもつながる大切なものです。
柏原新道は上部のアザミ沢とガラバに残雪がありますが、問題はありません。落石や滑落に注意してガラバはサッと通過しましょう。
赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意してください。また落石にもご注意ください。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りてください。
鹿島槍ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も海の日3連休中も皆さん支障なく縦走されています。
鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
新越山荘方面はところどころに残雪がありますが、問題はありません。残雪から夏山登山道に移るところが凍っているので気をつけましょう。
針の木大雪渓は最上部針ノ木小屋直下の夏山登山道が約400m現れて、安心して通行できるようになりました。それより下部は残雪がまだ 1kmぐらいに渡ってたっぷりあり、夏山の大雪渓歩きを堪能できます。心配な方は軽アイゼン、ストックなどを用意してください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬようご注意ください。
針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだの残雪はなくなりました。
雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
登山装備
いかなる山行でも(ツアーであっても)、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネットなどだけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネットなどに発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。 日焼け止め、サングラス、帽子、水分補給等にご注意ください。
注意点
早出早着を心がけていただき山小屋にはできるだけ早くに、何とか14:00ごろまでには到着するようにしていただきたいものです。
“雷三日”の格言のとおり、雷は数日続く可能性があります。登山中はいつでも雲の動き、空の色、遠くで聞こえる雷の音等に常に心研ぎ澄まして注意して、とにかく午後の早い段階に 山小屋へ到着するようにすることを心がけましょう。
大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
お知らせ
7/31(土)は冷池山荘と種池山荘で定員に達しそうです。その後も週末にかけて混みあいそうです。新越山荘は予約少なめです。
8/7(土)の週末も混み合いそうです。なお例年、お盆の時期は意外と込み合いませんので穴場です。
長野県下恒例の中学校の集団登山の日程ですが、100人以上の中学校の宿泊日は種池山荘が7/27(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします。
残雪と青空と緑の山と沸き立つ雲、そして足元には可憐なお花の数々、北アルプスのもっとも輝く季節はまだ始まったばかりです。
お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、ご予約をお願いいたします。
長野県下恒例の中学校の集団登山の日程は、種池山荘が8/31(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします
昨年の今頃の様子は?
2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27
冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10
営業は冷池山荘と種池山荘7/1~、新越山荘7/15~。柏原新道通行不能(上部に残雪、未整備)2023.06.08
冷池山荘周辺の過去の様子
冷池山荘
- 電話番号:
- 0261-22-1263
- 連絡先住所:
- 長野県大町市平5328