鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

剱立山展望の道は “隠れ花街道”。 赤沢岳頂上から俯瞰する神秘的な黒部ダム湖の向こうにどっしりと横たわる薬師岳も壮観

このところ朝は連日こんな感じです。爺ヶ岳より遠く薬師岳、赤牛岳、槍穂高 (2010.08.31 冷池山荘 )
このところ朝は連日こんな感じです。爺ヶ岳より遠く薬師岳、赤牛岳、槍穂高 (2010.08.31 冷池山荘 )
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天気・気温

08/05(木) 晴れ、最高23℃前後、最低13℃前後
富山市の天気予報
明日
雨のち晴
16℃
10℃
明後日
晴時々曇
25℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月7日 18:00発表
松本市の天気予報
明日
曇のち晴
16℃
6℃
明後日
27℃
4℃
日本気象協会提供 2024年5月7日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

先週末の7/30(金)~8/1(日)はあまりパッとせず、ガスにおおわれる時間帯が多くてちょっと残念でした。霧雨の時間帯もあって、ちょっと残念な週末になりました。ただし登山道沿いのお花畑は満足いただけたのではないかと思います。
週末には今ひとつだったお天気も、週明けと同時に回復してふたたび夏型の空が広がるようになりました。8/2から8/5まで朝は最高の北アルプス晴れが続いています。8/2の夜と8/3の夕方には雷雨がありました。
太平洋高気圧もど~んと日本上空へ張り出してきており、このあとも好天がしばらく期待できそうです。週末は今シーズン前半最高の入り込みになりそうです。

お花畑のいちばんの見頃は例年7月最終週から8月第一週にかけてですが、今年はやや遅れ気味の感じで、お盆頃までしっかりと楽しめそうです。
現在は シナノキンバイ シナノキンバイソウ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ 、アオノ ツガザクラ ツガザクラ 、コケモモ 、 チングルマ チングルマ 、ハクサンボウフウ、エゾシオガマ、 ヨツバシオガマ ヨツバシオガマ 、タカネニガナ、モミジカラマツ、 ハクサンチドリ ハクサンチドリ 、チシマギキョウなどがどんどん咲いています。
ハクサンフウロ ハクサンフウロ クルマユリ クルマユリ ウサギギク ウサギギク といった盛夏を代表する花々も盛りを迎えようとしています。
一方では、ミヤマコウゾリナ、ミヤマ アキノキリンソウ アキノキリンソウ 、ミヤマコゴメグサ、 ヤマハハコ ヤマハハコ 、ミヤマ トリカブト ヤマトリカブト 、ミヤマママコナ、 トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ といった秋系の花も どんどん咲きだしています。

布引岳~鹿島槍ヶ岳間ではタカネツメクサが咲きだしています。また、種池山荘前の チングルマ チングルマ やアオノ ツガザクラ ツガザクラ のお花畑も盛りを迎えています。

登山道の状況

鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も支障なく縦走されています。ただし、鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

柏原新道は上部のガラバに残雪がありますが、問題はありません。落石や滑落に注意してサッと通過しましょう。

赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意。また落石にもご注意下さい。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りて 下さい。

種池山荘~新越山荘~針ノ木岳方面も登山道に支障はありません。

針の木大雪渓は中間帯に残雪がまだ1kmぐらいに渡ってたっぷりあり、夏山の大雪渓歩きを堪能できます。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ち になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬようご注意ください。

雨が降るとすぐに、登山道は大丈夫かと聞かれる方がおられますが、大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

登山装備

やや肌寒い日などは朝の最低気温10度以下の日もあり、Tシャツ一枚では寒い日もあります。薄手のジャンパーや合羽で防寒対策をしましょう。
早朝は寒いくらいの、さわやかな風が稜線を渡っていきますが、日中の日差しは非常に強いので、日焼け対策、熱中症対策、雷雨対策には十分に注意しましょう)。

いかなる山行でも(ツアーであっても)、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネットなどだけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネットなどに発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

注意点

早出早着を心がけて山小屋にはできるだけ早く、何とか14:00ごろまでには到着するように計画しましょう。

寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨などの際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

お知らせ

国道にたとえれば、扇沢~柏原新道~種池山荘~爺ヶ岳~冷池山荘~鹿島槍ヶ岳の登山道は一級国道の“国道10号線”といったところでしょうか。さしずめ種池山荘はその“国道10号線”の主要交差点です。
ただその主要交差点“種池山荘交差点”を進路を西へとって新越山荘方面へ向かえば、“国道10号線”のにぎわいはうそのように静まり、静寂の山旅を満喫することができます。“国道400号線”の旅といったところでしょうか。
しかし、常に眼前に聳え立つ剱岳や立山連峰の眺めは最高です。別の角度からの風格溢れんばかりの鹿島槍ヶ岳も堪能できます。
赤沢岳頂上から俯瞰する神秘的な黒部ダム湖の向こうにどっしりと横たわる薬師岳も壮観です。爺ヶ岳~針ノ木岳間は目立った山ありませんが、魅力いっぱいです。お花畑もいろんな種類の、お花畑があり、楽しませてくれます。
百名山だけにこだわらず、展望、お花、地形等・・・ いろんな山の魅力を見つけたいものです。新越山荘でお待ち申し上げます。

8/7(土)は冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに定員に達し、混みあいそうです。他の日をおすすめいたします。
冷池山荘と種池山荘は8/6、8/8、8/9も込み合いそうですが、まだ余裕があります。8/10以降は一気に予約は少なくなります。
例年お盆シリーズはあまり混みあいません。比較的穴場ですのでぜひご計画ください。
お盆明けの8/21(土)は3つの山荘とも定員に達しそうな感じです。また、例年8月最終土曜日も混みあいます。

お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、ご予約をお願いいたします。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

営業は冷池山荘と種池山荘7/1~、新越山荘7/15~。柏原新道通行不能(上部に残雪、未整備)2023.06.08

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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