鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

冷池、新越、種池山荘とも初氷が張り、今秋いちばんの冷え込みになりました

夏のガスと秋雲が交錯する鹿島槍ヶ岳 (2009.09.26 冷池山荘 )
夏のガスと秋雲が交錯する鹿島槍ヶ岳 (2009.09.26 冷池山荘 )
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天気・気温

09/16(水) 晴れ。今朝の気温2℃。
富山市の天気予報
明日
雨のち曇
22℃
17℃
明後日
雨時々曇
16℃
11℃
日本気象協会提供 2024年5月6日 12:00発表
松本市の天気予報
明日
雨のち曇
23℃
14℃
明後日
曇一時雨
17℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月6日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

9/14には朝は冷え込みが厳しく、最低気温はほぼ0℃まで下がりました。冷池、新越、種池山荘とも初氷が張り、今秋いちばんの冷え込みになりました。初氷は昨年よりは5日遅めですが、早めの部類に入るものと思われます。
これからは、日中も晴れて温度上がっても15度ぐらいまででしょう。雨が降ったり、濃いガスの日だったりするとは日中でも最高気温は6℃程度の日も現れてきました。
初霜、初氷以上の秋・冬の訪れも、大雪山に続いて北アルプスにもやってきたようです。西隣の立山では13日未明に初雪が降ったようです。平成に入っていちばん早かった鹿島槍の初雪は平成13年の9/22だと思いますので、「超」早い部類の初雪と思われます。
16日には移動性高気圧がやってきて、しばらく好天が続きそうです。ただし週末以降は台風14号の動きと南岸に停滞する秋雨前線の動き次第です。前回の台風11号同様にほとんど影響なく通過していってほしいものです。
稜線では秋のお花も見納めの時季です。名残のミヤマ アキノキリンソウ アキノキリンソウ ヤマハハコ ヤマハハコ 、オヤマリンドウなどが咲いています。
紅葉は、足元のウラシマツツジの紅葉はピークを過ぎました。タカネスイバ、 ハクサンフウロ ハクサンフウロ ミヤマダイコンソウ ミヤマダイコンソウ ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ チングルマ チングルマ などの草紅葉が日に日に進んでいます。主稜線を彩る ナナカマド ナナカマド やダケカンバなど木々の紅葉はまだほとんど始まっていません。ここへ来て冷え込みも強まってきていますので、今週末あたりからは色づきだすのではと期待しています。鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の主稜線の紅葉のピークはここ数年の流れと同様に10月初旬になるもの思われます。

登山道の状況

鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の登山道には支障はまったくありません。針の木大雪渓は中間帯に少しだけ残雪を残すのみです。登山道は全て土の道を歩く秋道を通りますので、まったく心配ありません。
鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間も特に問題ありません。ただし鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらか、かつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

登山装備

とても冷え込むようになってきました。また風雨が強いと体感温度は一気に下がります。先日9/13も風雨強く登頂をあきらめて小屋へ引き返してこられるパーティが目立ちました。たいへん賢明な判断に思います。決して無理はなさらないで下さい。
雨ガッパは防寒着にもなります。良質のものを登山用品専門店でお求めください。下着も乾きやすく保温性のあるものが良いでしょう。手袋も忘れずに。

注意点

大谷原(タクシー・マイカー最終地点)から赤岩尾根登山口の西俣出合までの工事用道路(登山道)では2箇所でガケ崩れの防災工事をすすめています。現場通過の際には工事関係者の指示にしたがって仮設道路等を通行してください。
各自で装備はしっかりと用意し、コースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。「連れられ登山」の方が見受けられます。専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
寝不足や水分不足は登山の最大の敵です。時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。下山時の転倒防止につながります。
夏の最盛期には少な目だった今年の山岳遭難や事故ですが、北アルプスでは8月下旬から一気に増加傾向です。転滑落事故や内臓疾患に伴うものが目立ちます。天気の悪いときや体調の思わしくないときは、決して無理をしないでください。

お知らせ

新越山荘は今季の営業が9/27(日)までの2週間余りを残すのみとなりました。残り少ない期間、皆様もぜひ爺ヶ岳~針ノ木岳縦走をご計画下さい。
柏原新道登山口の扇沢出合付近は週末、駐車車両で混みあいます。路上駐車やはみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでています。
9月の大型連休や体育の日連休は登山口の駐車スペースは満車が予想されます。電車、バス、タクシー等の公共交通を利用してください。
シルバーウィークは9/20(日)を中心にご予約が増えてきていますが、現在のところ、大混雑にはなっていません。多い日でも定員の6割強です。22~23日になるとほとんどご予約もありません。紅葉は後ろへ行けば行くほど良くなっていきますのでご一考ください。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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